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ジークハルトの過去2
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魔法騎士学院を卒業後、俺は銀鷲騎士団に、ルーカスは黒竜騎士団に配属になった。
俺は王都や市街地の警備が主な任務、ルーカスは辺境での魔獣退治が主な任務なので、
ルーカスに会うことはほぼなくなった。
騎士団に入団したのを機に、ルーカスへの想いは忘れようと思った。
そして銀鷲騎士団で警備の任務をこなしつつ、さらに鍛練を積んで強さを追い求めていた。
そんな中、ふいに黒竜騎士団への移動命令が出たのだ。
数年ぶりにルーカスを見たとき、
忘れようと思ったルーカスへの想いが一気によみがえってきた。
姿を見ることができただけでも身体の底からうれしさが溢れてきた。
だがルーカスは俺のことをそんな対象で見ていないことはわかりきっていた。
だからこの想いは絶対に隠し通そうと思った。
それなのに、ルーカスはやたら俺に絡んできた。
同じ騎士団の仲間として、とか、
かつての学院時代の同期として、とか、
競争相手として、
接してくるときもあったが、
明らかになにか企んでいるときもあった。
急に俺の身体を触ってきて筋肉を褒めたりとか。
急に俺に「恋愛相手はいるのか」と聞いてきたりとか。
ルーカスが急に身体に触ってきたときには心の中では本当に動揺していた。
さすがの俺も無表情をつらぬくのが大変だった。
その後もルーカスから話しかけられるのはうれしかった。楽しかった。
だが親近感や好意より何か企んでいるのが透けて見えて、
むなしくなってその場を立ち去ってしまったこともあった。
酒の場で俺の隣に座り話しかけてくるルークは何か企んでいるだろうなとは思ったが、
話している内容は本音だとわかったから素直にうれしかった。
その後ルーカスに
「ジークは恋愛は苦手そう、あっち方面ならオレのほうが勝てるかも」
なんて煽られて、
いいかげんイラっとしてわからせてやりたいと思った。
いや、
ルーカスに触れられる絶好のチャンスだと嬉しかったのと、両方だ。
そうは言っても、
アイツが俺のことをなんとも思ってないのはわかっていたから、
このルーカスへの想いは隠し通そうと思っていたのに。
アイツが俺の近くで笑顔ですごしてくれればよかったのに。
俺と一緒に黒竜騎士団で任務をこなし、
ときに軽口をたたき合うような関係で満足していたのに。
アイツを永遠に失うなんて、耐えられるわけもなかったんだ。
-------------------------------
ここまで読んでくださりありがとうございます!
次回からまたルーカス視点に戻ります。
ルーカスの前世と、
のんきに回想していたけど実は現在瀕死状態のジークハルトのお話です。
よろしくお願いします!
俺は王都や市街地の警備が主な任務、ルーカスは辺境での魔獣退治が主な任務なので、
ルーカスに会うことはほぼなくなった。
騎士団に入団したのを機に、ルーカスへの想いは忘れようと思った。
そして銀鷲騎士団で警備の任務をこなしつつ、さらに鍛練を積んで強さを追い求めていた。
そんな中、ふいに黒竜騎士団への移動命令が出たのだ。
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姿を見ることができただけでも身体の底からうれしさが溢れてきた。
だがルーカスは俺のことをそんな対象で見ていないことはわかりきっていた。
だからこの想いは絶対に隠し通そうと思った。
それなのに、ルーカスはやたら俺に絡んできた。
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接してくるときもあったが、
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急に俺の身体を触ってきて筋肉を褒めたりとか。
急に俺に「恋愛相手はいるのか」と聞いてきたりとか。
ルーカスが急に身体に触ってきたときには心の中では本当に動揺していた。
さすがの俺も無表情をつらぬくのが大変だった。
その後もルーカスから話しかけられるのはうれしかった。楽しかった。
だが親近感や好意より何か企んでいるのが透けて見えて、
むなしくなってその場を立ち去ってしまったこともあった。
酒の場で俺の隣に座り話しかけてくるルークは何か企んでいるだろうなとは思ったが、
話している内容は本音だとわかったから素直にうれしかった。
その後ルーカスに
「ジークは恋愛は苦手そう、あっち方面ならオレのほうが勝てるかも」
なんて煽られて、
いいかげんイラっとしてわからせてやりたいと思った。
いや、
ルーカスに触れられる絶好のチャンスだと嬉しかったのと、両方だ。
そうは言っても、
アイツが俺のことをなんとも思ってないのはわかっていたから、
このルーカスへの想いは隠し通そうと思っていたのに。
アイツが俺の近くで笑顔ですごしてくれればよかったのに。
俺と一緒に黒竜騎士団で任務をこなし、
ときに軽口をたたき合うような関係で満足していたのに。
アイツを永遠に失うなんて、耐えられるわけもなかったんだ。
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ここまで読んでくださりありがとうございます!
次回からまたルーカス視点に戻ります。
ルーカスの前世と、
のんきに回想していたけど実は現在瀕死状態のジークハルトのお話です。
よろしくお願いします!
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