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三人の邂逅3
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ジークと想いが通じ合った瞬間を全部アルベルト団長に見られていたという
羞恥心を引きずりつつ、
オレ達はアルベルト団長の執務室に戻り、
応接ソファに腰を下ろした。
「じゃあなんでルーカスをわざわざ王都まで呼び出したんだよ、アルベルト。」
ジークがイラっとした様子を隠さず、アルベルト団長に聞いた。
「おや、もう『アルベルトにーさま』とは呼んでくれないのかい?ジークハルト。」
笑みをたたえながらアルベルト団長が答える。
「そんなの、子供の頃の話だろ!」
こんなイラっとしているのをあらわにしているジークは初めて見たかも。
「そうだね、
私はジークハルトを追々黒竜騎士団の団長にしたくてね。」
え、急に何の話だ。
ジークハルトも寝耳に水だったようで、きょとんとした顔をしていた。
「私が金獅子騎士団の団長になった頃、
黒のヤツがそろそろ団長を引退したいんだよなぁとぼやいていて、
後任はジークハルトあたりが強さ的に適任ではないかという話になったんだ。
お前たちも知っての通り、
この騎士団の中では血筋や年功序列ではなく、強さが優先される。
ジークハルト、お前は団長に匹敵するくらい強さなのは間違いないんだが、
なんというか、
人の上に立ってもいいだけの他人と関わる力が不足しているからね。」
あー。なるほど。納得。
ちょっと前までのジークは他人を寄せ付けず、
任務でも単独行動しかしていなかったもんな。
「ジークハルトが魔法騎士学院にいる頃からなんとかならないものかなと
学院に視察に行ったりもしていたんだが、
そこでキミ、ルーカスを見かけたんだ。
どうやらジークハルトがルーカスを気に入っているように見えたのでね、
キミと一緒なら他者との関わり合いや人心掌握なんかもできるんじゃないかと思ったんだ。
学院卒業後ジークハルトにはしばらく強さを鍛えてほしかったから、
私のところでしごいてやろうと思っていたのだが、
銀のヤツが自分のところでやらせろ、と言うので譲ってやったのさ。
そして満を持してジークハルトを黒竜騎士団へ送り込んだというわけだ。」
はぁ~。
ジークの人事にはそんな裏が・・・
というか、アルベルト団長は黒竜騎士団のダンテ団長や銀鷲騎士団のレグルス団長のことは
黒のヤツとか銀のヤツって呼ぶんだ。
「この前、黒のヤツがジークハルトに渡したチョコレートも私が手配したものだよ。
ジークハルトはもちろん、ルーカスも甘いものに目がないことは調査済みだったからね、
仲間としての二人の絆が強まるきっかけになったらなぁなんて考えたんだが・・・
想像以上に効果があってよかったよ。」
アルベルト団長はふふっと笑いながら言った。
あー!あのダンテ団長がジークにあげた謎のチョコレート!
まさかあのチョコレートにそんな隠れた意図があったなんて!
いや、それよりオレの個人情報、洩れすぎじゃない!?
個人の嗜好までバレてるのかよ!?
「どうやらよき相棒として二人が成長してくれたみたいだし、
実際にルーカスに会って、
ジークハルトのことをどう思っているか、
どんな魔法を使うのか、
私自身で確認しようと思ったんだ。」
「そうそうルーカス、
ジークハルトのケガについては本当にそこまで気に病むことはいんだよ。
私がジークハルトに魔法や剣術を教えていたときには
あのくらいは日常茶飯事だったからね。」
は!?どういうこと!?
するとジークは当然という顔をして言った。
「あの頃は俺が限界を迎えるまで鍛練をして、
アルベルトが俺に治癒魔法や回復魔法をかけて、
また俺が限界を迎えるまで鍛練をして、
という繰り返しが日常だったからな。」
「そうだね、限界を迎えてからが強くなる最短コースだからね。
あ、でも、さすがにここまでやるのはジークハルト相手だけだよ。
金獅子騎士団でこの訓練をしたらさすがにまずいかなってわかってるから。」
アルベルト団長はニコニコしながら言ったが、
え、怖い・・・アルベルト団長、怖い・・・
そういえば魔法騎士学院時代にジークがそんな限界ギリギリの訓練をしているのを見かけて
止めたことがあったけど、
ジークにとってはそれが日常だったんだ。
恐るべし、メッテルニヒ家。
「てかアルベルト、
なんで初めから俺に説明しないんだよ。」
ジークが怒気を強めて言った。
「おや?言ってなかったかな?」
アルベルト団長が飄々とした様子で言い返す。
「そもそも、
アルベルトが魔法騎士学院を卒業する頃、
俺のことをどうでもいいって無視してたんじゃないか。
あのときから俺はアルベルトに見限られたと思って・・・
なんであの頃俺にあんな態度をとっていたんだよ!?」
「あーあの頃ね・・・
あの頃、ジークハルトのほうが魔法の力も剣術の力も潜在能力は私より勝っていると
気付いてしまってね。
その事実が憎たらしくてジークハルトにそんな態度をとってしまったんだ。
私の若かりし頃の黒歴史だよ。
その後、さすがに大人げなかったなと反省してジークハルトに謝ろうと思ったんだけど、
私は騎士団の宿舎に入ってジークハルトと顔を合わせる機会も減ってしまったし、
いつの間にかジークハルトが私をライバル視してがむしゃらになっているみたいだったし、
それはそれで面白そうだから黙っていた。ゴメンね。」
アルベルト団長はにっこりと笑いながらなんてことのないように言った。
うわーなんだそれー!
弟に負けそうって思春期こじらせたみたいなアルベルト団長にまきこまれたジーク・・・お気の毒。
しかも面白そうって。アルベルト団長、ホントに性格わ・・・
「な、前に俺が言ったろ、アルベルトはめちゃくちゃ性格悪いって。」
ジークがもはや悟りを開いた顔で言った。
羞恥心を引きずりつつ、
オレ達はアルベルト団長の執務室に戻り、
応接ソファに腰を下ろした。
「じゃあなんでルーカスをわざわざ王都まで呼び出したんだよ、アルベルト。」
ジークがイラっとした様子を隠さず、アルベルト団長に聞いた。
「おや、もう『アルベルトにーさま』とは呼んでくれないのかい?ジークハルト。」
笑みをたたえながらアルベルト団長が答える。
「そんなの、子供の頃の話だろ!」
こんなイラっとしているのをあらわにしているジークは初めて見たかも。
「そうだね、
私はジークハルトを追々黒竜騎士団の団長にしたくてね。」
え、急に何の話だ。
ジークハルトも寝耳に水だったようで、きょとんとした顔をしていた。
「私が金獅子騎士団の団長になった頃、
黒のヤツがそろそろ団長を引退したいんだよなぁとぼやいていて、
後任はジークハルトあたりが強さ的に適任ではないかという話になったんだ。
お前たちも知っての通り、
この騎士団の中では血筋や年功序列ではなく、強さが優先される。
ジークハルト、お前は団長に匹敵するくらい強さなのは間違いないんだが、
なんというか、
人の上に立ってもいいだけの他人と関わる力が不足しているからね。」
あー。なるほど。納得。
ちょっと前までのジークは他人を寄せ付けず、
任務でも単独行動しかしていなかったもんな。
「ジークハルトが魔法騎士学院にいる頃からなんとかならないものかなと
学院に視察に行ったりもしていたんだが、
そこでキミ、ルーカスを見かけたんだ。
どうやらジークハルトがルーカスを気に入っているように見えたのでね、
キミと一緒なら他者との関わり合いや人心掌握なんかもできるんじゃないかと思ったんだ。
学院卒業後ジークハルトにはしばらく強さを鍛えてほしかったから、
私のところでしごいてやろうと思っていたのだが、
銀のヤツが自分のところでやらせろ、と言うので譲ってやったのさ。
そして満を持してジークハルトを黒竜騎士団へ送り込んだというわけだ。」
はぁ~。
ジークの人事にはそんな裏が・・・
というか、アルベルト団長は黒竜騎士団のダンテ団長や銀鷲騎士団のレグルス団長のことは
黒のヤツとか銀のヤツって呼ぶんだ。
「この前、黒のヤツがジークハルトに渡したチョコレートも私が手配したものだよ。
ジークハルトはもちろん、ルーカスも甘いものに目がないことは調査済みだったからね、
仲間としての二人の絆が強まるきっかけになったらなぁなんて考えたんだが・・・
想像以上に効果があってよかったよ。」
アルベルト団長はふふっと笑いながら言った。
あー!あのダンテ団長がジークにあげた謎のチョコレート!
まさかあのチョコレートにそんな隠れた意図があったなんて!
いや、それよりオレの個人情報、洩れすぎじゃない!?
個人の嗜好までバレてるのかよ!?
「どうやらよき相棒として二人が成長してくれたみたいだし、
実際にルーカスに会って、
ジークハルトのことをどう思っているか、
どんな魔法を使うのか、
私自身で確認しようと思ったんだ。」
「そうそうルーカス、
ジークハルトのケガについては本当にそこまで気に病むことはいんだよ。
私がジークハルトに魔法や剣術を教えていたときには
あのくらいは日常茶飯事だったからね。」
は!?どういうこと!?
するとジークは当然という顔をして言った。
「あの頃は俺が限界を迎えるまで鍛練をして、
アルベルトが俺に治癒魔法や回復魔法をかけて、
また俺が限界を迎えるまで鍛練をして、
という繰り返しが日常だったからな。」
「そうだね、限界を迎えてからが強くなる最短コースだからね。
あ、でも、さすがにここまでやるのはジークハルト相手だけだよ。
金獅子騎士団でこの訓練をしたらさすがにまずいかなってわかってるから。」
アルベルト団長はニコニコしながら言ったが、
え、怖い・・・アルベルト団長、怖い・・・
そういえば魔法騎士学院時代にジークがそんな限界ギリギリの訓練をしているのを見かけて
止めたことがあったけど、
ジークにとってはそれが日常だったんだ。
恐るべし、メッテルニヒ家。
「てかアルベルト、
なんで初めから俺に説明しないんだよ。」
ジークが怒気を強めて言った。
「おや?言ってなかったかな?」
アルベルト団長が飄々とした様子で言い返す。
「そもそも、
アルベルトが魔法騎士学院を卒業する頃、
俺のことをどうでもいいって無視してたんじゃないか。
あのときから俺はアルベルトに見限られたと思って・・・
なんであの頃俺にあんな態度をとっていたんだよ!?」
「あーあの頃ね・・・
あの頃、ジークハルトのほうが魔法の力も剣術の力も潜在能力は私より勝っていると
気付いてしまってね。
その事実が憎たらしくてジークハルトにそんな態度をとってしまったんだ。
私の若かりし頃の黒歴史だよ。
その後、さすがに大人げなかったなと反省してジークハルトに謝ろうと思ったんだけど、
私は騎士団の宿舎に入ってジークハルトと顔を合わせる機会も減ってしまったし、
いつの間にかジークハルトが私をライバル視してがむしゃらになっているみたいだったし、
それはそれで面白そうだから黙っていた。ゴメンね。」
アルベルト団長はにっこりと笑いながらなんてことのないように言った。
うわーなんだそれー!
弟に負けそうって思春期こじらせたみたいなアルベルト団長にまきこまれたジーク・・・お気の毒。
しかも面白そうって。アルベルト団長、ホントに性格わ・・・
「な、前に俺が言ったろ、アルベルトはめちゃくちゃ性格悪いって。」
ジークがもはや悟りを開いた顔で言った。
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