聖女です。生贄回避のため将軍の妻になります。

「よくここまで逃げ延びたな、聖女エルシィ」
「私を殺しても何も変わらないわ!」
「殺す? 違う、生贄に捧げるんだ」

国王が病に臥せってから7年、11人の聖女が生贄に捧げられた。この国の神話に、聖なる乙女を神に捧げ不老不死を手に入れた古代王の伝説があるせいだ。

「どうしても嫌か」

私を追い詰め、彼は言った。

「だったら俺の女になれ」
「え?」
「生娘しか生贄にはなれない。俺に抱かれて生き延びるか、純潔を守って俺に連行されるか。自分で選べ」

こうして私は将軍ノア・ラングフォードの床に入った……ひとりで。

実はノアもこの悪習を正そうと目論んでいたのだ。
行動を共にするうち、私はノアに惹かれていった。
でも彼が愛しているのは、生贄にされた5人目の聖女オーレリア。

守ってくれるのは、私を愛してるからじゃない。
==========================
(完結済)
24h.ポイント 14pt
0
小説 28,705 位 / 183,827件 恋愛 12,465 位 / 55,991件