父のせいで婚約破棄されましたが、王子様と結婚する事になりました。びっくり。

「君と結婚なんてとんでもない! 変態め!!」
「はっ!?」

私はフォックス伯爵令嬢べス・ウィッティントン。
婚約者はアスキス伯爵令息チャス・プース。絶賛、変態呼ばわり中。

「いや違う……すまないっ、君のせいじゃないんだ……でも無理なんだ!」
「なっ、なぜなの……!? えっ!? わっ、私は変態じゃないの!?」
「君は変態じゃない!」

違うなら、なんなのよ。
どうしたって言うのよ、チャス……

「フォックス伯爵に襲われた!!」
「……は?」
「僕も信じたくはない! 僕は君の御父上に襲われたんだ!!」

チーン・・・

「悍ましい!」

たしかに。
聞くと、ギリギリ逃げられたそうなのだけど、そりゃトラウマになるわよね。

「わかった。婚約は破棄でいいわ」
「ありがとう……! 幸せに……!! サヨナラッ!!」

チャスはいい人で、言いふらしたりはしなかった。
問題は、フォックス伯爵家で起きた。つまり、両親が泥沼離婚。

「あんたみたいな汚らわしい生き物を娘だなんて思えません!」
「さあ、べス。素敵な令息を見つけに晩餐会へ行こう♪」

絶望しかないんですけど。
お母様の言葉にショック受けるより、お父様が悍ましくて、つらい。

私は我が身の出生を呪った。
もう誰も信じられない……私は修道院に救いを求め──

「待て! 従兄弟が惨い仕打ちをしたそうじゃないか。俺に任せろ!」

チャスの従兄弟のセルウィン公爵が出て来ちゃった。
しかも、完全にチャスを悪者だと思い込んでいる。

「ちが、違うんです! これは……っ」
「なんて心優しい御令嬢なんだ……! 宮廷に行こう! 相手はすぐ見つかる!!」

え?
これ、チャンス……!?
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