マザコンな夫を棄てたら、金目当てで泣きついてきたんだけど……ほんとに消えて?

「わざとじゃない! つい母上を優先してしまうんだ! 心は君を愛してる!」
「つまり『マザコンの僕を受け入れてくれる持参金たっぷりな君』が好きなのね」
「違う! そんな事みじんも思ってない!!」

私は自分が愛されているなんてみじんも感じないわ。
我慢の限界って、あるのよ。

「では、持参金ともどもお暇させて頂きます。大切なお母上と、末永くお幸せに~」

私は婚家モルテン伯爵家から生家ロヴェーン伯爵家に出戻りました。

実は私の母方の祖父母って、大恋愛で結ばれた格差婚。
公爵令嬢だった祖母の私的財産は、母に、そして孫娘の私に遺されている。

だから、出戻りでも充分、生きていける。
そんな私に声をかけてきたのは……

「気晴らしが必要だろ? ダニエラ」

幼い頃、乗馬クラブで散々私を揶揄った超性格悪いヴァレンティン・ミルド。
若くしてヘーグリンド侯爵になった、元いじめっ子。

「私を嘲笑いに来たの?」

と、思ったら。
ただただ私を愛してくれる、大人になった元いじめっ子の彼。

そんな彼との再婚が決まった矢先、あのマザコンが泣きついてきた。
元夫モルテン伯爵ヨアキム・ネルダール。つまり顔も見たくない他人。

「一度は君の義理の母上だった人だよ!? 協力してくれ!」
「え?」

なんで、私が元夫の散財した御母上のツケを払わなきゃいけないの???
馬 鹿 な の ?

「消えて」
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