私と婚約破棄して妹と結婚したいですって? 誰に喧嘩を売ったか、わからせてやるわ!

「もう君に用はない! 僕は妹のほうと結婚するよ!」
「はい?」

私はアスター伯爵令嬢ローズ・カミンスキー。
婚約者シルヴァン伯爵令息テランス・シャミナードへの恋が冷めた瞬間だった。

実は私たち姉妹は、伯母が同盟国の王妃なもので、2年前、王位継承者の末席に加えられた。
それからというもの、恋愛に見せかけた政略的求婚が後を絶たない。

「恋だの愛だの、馬鹿げている! 王族になれるチャンスなんだぞ!?」

テランスはそんな人じゃないと思っていたのに……。
確かに、私は馬鹿だ。こんな男に恋をしていたなんて。

婚約は見事に破談。

私はまた別の伯母であるカメロン侯爵夫人ヴァレンティナに誘われ、傷心旅行に赴いた。
ところがそこへ、逆恨みしたテランスの魔の手が迫る。

「なるほど。僕に任せて」

私を助けてくれたのは、美しいものを愛するおっとりした好青年。
ルース侯爵令息シメオン・キャヴェンディッシュだった。
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