中年剣士異世界転生無双

第６章 カエル沼

ギルドへ戻って

　さて、冒険者ギルドである。
　沼地の戦いから帰った五郎たちは、ギルドの受付で、ダドリーがゴードンの部屋から戻るのを待っていた。
　仕事自体はダドリーが請けたものなので、ゴードンからの金の受け取り自体はダドリーがやるのであった。
　やがて、ダドリーが戻ってきた。
　そして、五郎に金貨の入った袋を渡す。

「これがお前さんがたのぶんだ」
「悪いな」

　五郎はサリーに渡して、金貨を勘定してもらう。
　サリーはすばやく計算し、

「あれ？　予定より多いですね」

　と言った。
　ダドリーは答えて、

「ああ、ゴードンにふっかけてやったんだ。フロッグマンだけだと聞いていたのに巨大なうなぎの化け物まで出た、これは言われた通りの報酬ではあわんとな」
「それで割増というわけか」

　五郎が言うと、ダドリーは笑って、

「戦いならお前さん方に歯が立たんが、こうしたことならまた別さ」

　と言い、

「じゃあ、女房と子供が待ってるんでな」

　と去っていった。

「調子のいい奴だ」

　ルーが呆れたように言う。

「ほとんど我々だけで倒したようなものだぞ」
「まあ、それもそうかもしれんが……」

　五郎はあまり、ダドリーに文句を言う気にもならなかった。
　人にはそれぞれ得意も生き方もあるものだ。
　あの男においては、あれでいいのだろう。

「別にいいさ」

　と五郎は言った。
　サリーはうなずき、ルーも肩をすくめる。
　２人も少なからず同感なのかもしれなかった。

　ともあれ、五郎たちの経済危機は、こうして解消されたのである。