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第33章 魔王
螺旋階段
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竜を倒し、五郎たちが登った階段は螺旋階段であった。
からっぽの高い高い塔の中を、螺旋階段が延々と続いている。
五郎たちはその階段をゆっくりと登った。
しばらくは誰もが無言だったが、やがて五郎が誰に言うともなく言った。
「魔王というのは一体なんなんだ?」
「魔物たちの親玉だろう」
ルーが、当然だ、と言わんばかりに言った。
「それは魔物たちの中から現れる者なのか?」
「さあ……そこまでは分からんが」
「あ、でも聞いたことがあります」
サリーが言った。
「『異界から来たれし邪悪の王』のことだって、昔おとぎ話で聞いたことがあります」
「異界から、か」
五郎はつぶやいた。
そして、続ける。
「魔王ドラウドと言うのはどう暴れ、どう消えた?」
「おとぎ話の範囲でいいか?」
ルーが言った。
五郎がうなずくと、ルーが続ける。
「太古にどこからか現れ、北の魔城を作った。魔城というのはおそらくこの城のことだと思うが――」
「うむ」
「そこを拠点に世界全体に災いと悪行をまき散らかし、やがていなくなった」
「自ら眠りについたのか?」
「かもしれん」
「ふむ」
五郎は腕を組んで考えた。
と、そこで、ルーが思い出したようにつけたした。
「ああ、ひとつ説があった」
「ほう?」
「魔王の現れる少し前に、勇者ヒョーゴという男がいたらしい。その男は魔王が現れるのと前後していなくなった」
「なるほど」
「だから、勇者ヒョーゴが命と引き換えに封印したのかもしれんな」
ここまでで、魔王についての話は終わりになった。
五郎たちは螺旋階段を登りきったのである。
螺旋階段の終点には、巨大な門がたたずんでいる。
門を押すと、なんと鍵はかかっておらず、ぎいという音と共に開き始める。
3人は見つめあった後、門を開け放した――。
からっぽの高い高い塔の中を、螺旋階段が延々と続いている。
五郎たちはその階段をゆっくりと登った。
しばらくは誰もが無言だったが、やがて五郎が誰に言うともなく言った。
「魔王というのは一体なんなんだ?」
「魔物たちの親玉だろう」
ルーが、当然だ、と言わんばかりに言った。
「それは魔物たちの中から現れる者なのか?」
「さあ……そこまでは分からんが」
「あ、でも聞いたことがあります」
サリーが言った。
「『異界から来たれし邪悪の王』のことだって、昔おとぎ話で聞いたことがあります」
「異界から、か」
五郎はつぶやいた。
そして、続ける。
「魔王ドラウドと言うのはどう暴れ、どう消えた?」
「おとぎ話の範囲でいいか?」
ルーが言った。
五郎がうなずくと、ルーが続ける。
「太古にどこからか現れ、北の魔城を作った。魔城というのはおそらくこの城のことだと思うが――」
「うむ」
「そこを拠点に世界全体に災いと悪行をまき散らかし、やがていなくなった」
「自ら眠りについたのか?」
「かもしれん」
「ふむ」
五郎は腕を組んで考えた。
と、そこで、ルーが思い出したようにつけたした。
「ああ、ひとつ説があった」
「ほう?」
「魔王の現れる少し前に、勇者ヒョーゴという男がいたらしい。その男は魔王が現れるのと前後していなくなった」
「なるほど」
「だから、勇者ヒョーゴが命と引き換えに封印したのかもしれんな」
ここまでで、魔王についての話は終わりになった。
五郎たちは螺旋階段を登りきったのである。
螺旋階段の終点には、巨大な門がたたずんでいる。
門を押すと、なんと鍵はかかっておらず、ぎいという音と共に開き始める。
3人は見つめあった後、門を開け放した――。
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