16 / 142
16・キロヒ、指名される
しおりを挟む
ラエギーの部屋は、二階のエントランスから右の大きな扉をくぐった先にある。正しくは、その扉の先には下り階段があり、そこを下りた先の一階にある。
初めてこの建物に入った時、キロヒが階段を上る前に開けられるか確認した扉のひとつだ。
しかし、今日初めてこの扉をくぐったわけではない。こちらの扉から階段を降りると、食堂や清潔室など、寮生活に必要な部屋が集まっている。
ちなみに階段の左の扉は、授業を受けている教室や職員室などの学校の施設になっている。
これは初日に、イシグルが施設案内で回って、ひととおり使い方などを教えてくれた。
その時、
「この建物、どう考えても外見から見た容積と一致してませんわね。それに、イシグル先輩の寮の部屋は、どちらですの?」
と、イミルルセが誰もが当然考える疑問を口にした。
「ボクも、ここに住んでいるよ。一年生から五年生までみんな一緒さ」
「でも部屋の数が合いませんわ。一年の女子だけで約百人と伺っておりました。部屋の数は二階が十二、三階が十二、屋根裏部屋が一。合計二十五。全て四人部屋で、ちょうど百ですわ」
「まあ授業で習うからそのうち分かるだろうけど、同じ場所でも霊層が違うんだよ。ボクも屋根裏部屋に住んでるけど、君たちと同じ場所でありながら違う場所になる。はは、面白いよね。広さは霊密の違いだよ。詳細は授業で習って」
専門用語を使った難しい説明だが、精霊の秩序の上に成り立っていることは、キロヒにもうっすら分かった。
初日に、キツネ色の髪をした狩人のような少年と建物の内部でかち合わなかったのは、イシグルが言うところの霊層の違い、というものだったのだろう。
そんな精霊の恩恵で出来ている建物の中を、ニヂロを除いた屋根裏部屋の三人とイシグルが歩いていく。
右の扉の階段を下りてすぐの部屋が、寮母でもあるラエギーの部屋だ。
「ラエギー先生、四年のイシグルです。霊量器の返却と、少しご相談があり一年生を連れてきました」
四回扉をノックし、イシグルが訪問を告げる。
そのまま少し待つと、扉が開いた──勝手に。少なくとも、キロヒにはそう感じた。何故なら、扉を開けた人は誰もいなかったからだ。
キロヒは初めて来たので驚いたが、イシグルとイミルルセは気にすることなく、中へと歩みを進める。勿論、サーポクも別の意味で気にすることはないようで、意気揚々と足を踏み出している。
霊量器を、簡単に手に入れられると思っているのだろうか。思っているのだろう。
寮母室の最初の部屋は、応接室だった。テーブルと皮張りの長ソファが設置されている。奥に二つほど扉があり、そちらが私室なのだろうと想像できた。
「二人、代表で掛けるといい」
ラエギーは、既に長ソファの真ん中に腰掛けていた。そしてその長細い指で向かいの席を指す。服装はいつもの黒のハイネックワンピースだ。
「じゃあ、ボクとサーポクだね」
イシグルの判断は明確だ。担当指導の立場の自身と、ラエギーと交渉したいと考えている島の少女。キロヒにも否やはない。イミルルセと二人、彼らのソファの後方に立つことにした。
十四歳と十歳がソファに座ると、座面の左右に少し余裕がある。座る時はザブンを背負わせることが多いが、今回はひじ掛けとにサーポクの間に立てることにした。ひじ掛けが高くなくても、ザブンが倒れることはない。白い箱の上に乗せた時と同じで、そこにそうあれ、とサーポクが願えばそうなる。
「まずは、霊量器をお返しします。確認お願いします」
テーブルの上で差し出される白い箱。それをサーポクが「あああー」、と目と手で追いかけようとした。ラエギーはそんな彼女を気にすることなく受け取り、流れるように消した。おそらくイシグルがしたように指輪にしまったのだろう。
「ああ、確かに受け取った。相談の前に、計量結果の報告を」
「はい、四ページです」
他の三人を空気にしたまま、指輪から白い雲を出すラエギー。同じく白い雲を出すイシグル。即座に大きさを整え、イシグルは文字の書かれた白雲を片手で持つと、少し身を乗り出して教師の白雲に文字の面を押し付けた。
白雲のページを変え、それを四回繰り返す。それで終わりとばかりに、二人はすぐに雲を丸めて片付けた。
「ご苦労。イシグルは相談に直接関係がないのなら、帰ってもいいが?」
「いえ、せっかくなので結論まで付き合います」
改めてソファ座り直し、イシグルが涼しい顔でそう言った。何が「せっかく」なのかは、キロヒには分からなかったが。
そして全員の視線がサーポクに向く。彼女は消えた白い箱を見失って、伸ばした手を所在なげに揺らし続けていた。
「さ、さっきの白か箱が欲しかとよー。ビニニ、五まで出すとよ」
その両手が、四角い箱を現すように大雑把にその形を描く。
「……キロヒ、説明しろ」
「ふぁいっ!?」
キロヒは、心の底から他人事のつもりでここにいた。勿論、サーポクがラエギーの怒りを買うのではないか、という心配はしていた。しかし白い箱については、あくまでもサーポクの希望であり、自分は無関係だと思っていたのだ。
なのに、ここにきて突然サーポクの日常担当の仕事回がって来た。いや、これは言葉に関することだから、担当はイミルルセではないのだろうか。図書室の許可まで取っているのだから。
しかし、そんなことはラエギーは百も承知だろう。承知の上で、キロヒを指名した。逃れることは出来ない。たとえ、教師が特級の圧を使っていなかったとしても。
「えっと……サーポクがその白い箱に、ザブンを乗せた時……海が、そう、海や砂浜の景色が浮かんで、それが故郷に似ているので、いつでも見られるように……その箱が欲しいと、多分、そういうことだと思います」
「島そのまんまとよ。欲しかとよー」
つっかえつっかえしゃべり、語尾もだんだん頼りなくなっていくキロヒの言葉の最後には、大きく身を乗り出してサーポクが自身の欲望を補強する。
ラエギーはキロヒとイミルルセを見て、それからサーポクを見て──イシグルを見た。この教師もまた、イシグルがこの件を後押ししていることに気づいているはずだ。普通に考えたら、学校の備品を個人のものにしようなんて話を、教師の元まで持ってくる必要はないのだから。
ラエギーは、視線をもう一度サーポクへと戻した。
「……分かった」
その答えは、キロヒに自分の耳を疑わせた。
「私が同じものを持っているから、それでよければ在学の間、貸してやろう……」
続けられた内容は、もう疑う余地もない肯定だった。
「嬉しかとよー」
サーポクは何ひとつ疑うことなく、大喜びで両手を上に上げて喜んだ。
そんな都合がいいはずがないと、キロヒは目の前で揺れる褐色の手の向こうにいる、ラエギーの真意を推しはかろうとした。
商人の娘としての感覚が、この取引はあまりにもおかしいと悲鳴をあげているのだ。
だから──
「ただし……条件がある」
沈黙の後にラエギーがそう言った時、キロヒは自分でも驚くほどほっとしたのだった。
初めてこの建物に入った時、キロヒが階段を上る前に開けられるか確認した扉のひとつだ。
しかし、今日初めてこの扉をくぐったわけではない。こちらの扉から階段を降りると、食堂や清潔室など、寮生活に必要な部屋が集まっている。
ちなみに階段の左の扉は、授業を受けている教室や職員室などの学校の施設になっている。
これは初日に、イシグルが施設案内で回って、ひととおり使い方などを教えてくれた。
その時、
「この建物、どう考えても外見から見た容積と一致してませんわね。それに、イシグル先輩の寮の部屋は、どちらですの?」
と、イミルルセが誰もが当然考える疑問を口にした。
「ボクも、ここに住んでいるよ。一年生から五年生までみんな一緒さ」
「でも部屋の数が合いませんわ。一年の女子だけで約百人と伺っておりました。部屋の数は二階が十二、三階が十二、屋根裏部屋が一。合計二十五。全て四人部屋で、ちょうど百ですわ」
「まあ授業で習うからそのうち分かるだろうけど、同じ場所でも霊層が違うんだよ。ボクも屋根裏部屋に住んでるけど、君たちと同じ場所でありながら違う場所になる。はは、面白いよね。広さは霊密の違いだよ。詳細は授業で習って」
専門用語を使った難しい説明だが、精霊の秩序の上に成り立っていることは、キロヒにもうっすら分かった。
初日に、キツネ色の髪をした狩人のような少年と建物の内部でかち合わなかったのは、イシグルが言うところの霊層の違い、というものだったのだろう。
そんな精霊の恩恵で出来ている建物の中を、ニヂロを除いた屋根裏部屋の三人とイシグルが歩いていく。
右の扉の階段を下りてすぐの部屋が、寮母でもあるラエギーの部屋だ。
「ラエギー先生、四年のイシグルです。霊量器の返却と、少しご相談があり一年生を連れてきました」
四回扉をノックし、イシグルが訪問を告げる。
そのまま少し待つと、扉が開いた──勝手に。少なくとも、キロヒにはそう感じた。何故なら、扉を開けた人は誰もいなかったからだ。
キロヒは初めて来たので驚いたが、イシグルとイミルルセは気にすることなく、中へと歩みを進める。勿論、サーポクも別の意味で気にすることはないようで、意気揚々と足を踏み出している。
霊量器を、簡単に手に入れられると思っているのだろうか。思っているのだろう。
寮母室の最初の部屋は、応接室だった。テーブルと皮張りの長ソファが設置されている。奥に二つほど扉があり、そちらが私室なのだろうと想像できた。
「二人、代表で掛けるといい」
ラエギーは、既に長ソファの真ん中に腰掛けていた。そしてその長細い指で向かいの席を指す。服装はいつもの黒のハイネックワンピースだ。
「じゃあ、ボクとサーポクだね」
イシグルの判断は明確だ。担当指導の立場の自身と、ラエギーと交渉したいと考えている島の少女。キロヒにも否やはない。イミルルセと二人、彼らのソファの後方に立つことにした。
十四歳と十歳がソファに座ると、座面の左右に少し余裕がある。座る時はザブンを背負わせることが多いが、今回はひじ掛けとにサーポクの間に立てることにした。ひじ掛けが高くなくても、ザブンが倒れることはない。白い箱の上に乗せた時と同じで、そこにそうあれ、とサーポクが願えばそうなる。
「まずは、霊量器をお返しします。確認お願いします」
テーブルの上で差し出される白い箱。それをサーポクが「あああー」、と目と手で追いかけようとした。ラエギーはそんな彼女を気にすることなく受け取り、流れるように消した。おそらくイシグルがしたように指輪にしまったのだろう。
「ああ、確かに受け取った。相談の前に、計量結果の報告を」
「はい、四ページです」
他の三人を空気にしたまま、指輪から白い雲を出すラエギー。同じく白い雲を出すイシグル。即座に大きさを整え、イシグルは文字の書かれた白雲を片手で持つと、少し身を乗り出して教師の白雲に文字の面を押し付けた。
白雲のページを変え、それを四回繰り返す。それで終わりとばかりに、二人はすぐに雲を丸めて片付けた。
「ご苦労。イシグルは相談に直接関係がないのなら、帰ってもいいが?」
「いえ、せっかくなので結論まで付き合います」
改めてソファ座り直し、イシグルが涼しい顔でそう言った。何が「せっかく」なのかは、キロヒには分からなかったが。
そして全員の視線がサーポクに向く。彼女は消えた白い箱を見失って、伸ばした手を所在なげに揺らし続けていた。
「さ、さっきの白か箱が欲しかとよー。ビニニ、五まで出すとよ」
その両手が、四角い箱を現すように大雑把にその形を描く。
「……キロヒ、説明しろ」
「ふぁいっ!?」
キロヒは、心の底から他人事のつもりでここにいた。勿論、サーポクがラエギーの怒りを買うのではないか、という心配はしていた。しかし白い箱については、あくまでもサーポクの希望であり、自分は無関係だと思っていたのだ。
なのに、ここにきて突然サーポクの日常担当の仕事回がって来た。いや、これは言葉に関することだから、担当はイミルルセではないのだろうか。図書室の許可まで取っているのだから。
しかし、そんなことはラエギーは百も承知だろう。承知の上で、キロヒを指名した。逃れることは出来ない。たとえ、教師が特級の圧を使っていなかったとしても。
「えっと……サーポクがその白い箱に、ザブンを乗せた時……海が、そう、海や砂浜の景色が浮かんで、それが故郷に似ているので、いつでも見られるように……その箱が欲しいと、多分、そういうことだと思います」
「島そのまんまとよ。欲しかとよー」
つっかえつっかえしゃべり、語尾もだんだん頼りなくなっていくキロヒの言葉の最後には、大きく身を乗り出してサーポクが自身の欲望を補強する。
ラエギーはキロヒとイミルルセを見て、それからサーポクを見て──イシグルを見た。この教師もまた、イシグルがこの件を後押ししていることに気づいているはずだ。普通に考えたら、学校の備品を個人のものにしようなんて話を、教師の元まで持ってくる必要はないのだから。
ラエギーは、視線をもう一度サーポクへと戻した。
「……分かった」
その答えは、キロヒに自分の耳を疑わせた。
「私が同じものを持っているから、それでよければ在学の間、貸してやろう……」
続けられた内容は、もう疑う余地もない肯定だった。
「嬉しかとよー」
サーポクは何ひとつ疑うことなく、大喜びで両手を上に上げて喜んだ。
そんな都合がいいはずがないと、キロヒは目の前で揺れる褐色の手の向こうにいる、ラエギーの真意を推しはかろうとした。
商人の娘としての感覚が、この取引はあまりにもおかしいと悲鳴をあげているのだ。
だから──
「ただし……条件がある」
沈黙の後にラエギーがそう言った時、キロヒは自分でも驚くほどほっとしたのだった。
12
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
ファンタジー
生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
魔法が使えなくても、何かできる事はあるはず。
人生を変え、自分にできることを探すため、カテリーナの挑戦が始まる。
そして、カテリーナの行動により、周囲の認識は彼女を聖女へと変えていくのだった。
物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
オタクな母娘が異世界転生しちゃいました
yanako
ファンタジー
中学生のオタクな娘とアラフィフオタク母が異世界転生しちゃいました。
二人合わせて読んだ異世界転生小説は一体何冊なのか!転生しちゃった世界は一体どの話なのか!
ごく普通の一般日本人が転生したら、どうなる?どうする?
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?
Gai
ファンタジー
鉄柱が頭にぶつかって死んでしまった少年は神様からもう異世界へ転生させて貰う。
貴族の四男として生まれ変わった少年、ライルは属性魔法の適性が全くなかった。
貴族として生まれた子にとっては珍しいケースであり、ラガスは周りから憐みの目で見られる事が多かった。
ただ、ライルには属性魔法なんて比べものにならない魔法を持っていた。
「はぁーー・・・・・・属性魔法を持っている、それってそんなに凄い事なのか?」
基本気だるげなライルは基本目立ちたくはないが、売られた値段は良い値で買う男。
さてさて、プライドをへし折られる犠牲者はどれだけ出るのか・・・・・・
タイトルに書いてあるパートナーは序盤にはあまり出てきません。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる