7 / 55
6.ヒューゴ様の身内について
しおりを挟む
「ガンダー公爵との結婚は完全なる政略結婚で…傍から見ても相性が良いとは言えないお2人だったと」
「そうですね父は何というか単純思考な所がありまして…母はその逆で」
「そ、それはまた」
何とも真逆の2人だ。
それでよく結婚生活を送れたと思う。
いやヒューゴ様の様子から見て夫婦として機能していなかったのはほぼ確実。
「それで…俺は考え方や外見が母上似でして。父はそんな俺が自分の跡継ぎだなんて気に入らなかったんでしょう」
目に光が無くなった。
「確かにヒューゴ様は公爵似ではないとは思っていたがまさかオーウェン様に期待を向けているのは自分に似ているからなのでしょうか」
お父様の言葉にヒューゴ様は頷く。
思い返してみれば確かにヒューゴ様とオーウェン様はそこまで似ていない。
ヒューゴ様は目付きが鋭くて濃い紺色のサラサラした髪。
オーウェン様は少し吊り目で薄い紺色のツンツンした髪。
つまり赤の他人にしては似ているけど兄弟としては似ていない。
「たった…たったそれだけの理由でヒューゴ様にキツく当たっているのですか?実の息子ですよ?」
ついそう言ってしまった。
「たった、それだけの理由…」
ヒューゴ様はそう呟いて黙ってしまう。
「あっも、申し訳ありません」
「…いや君の言葉が気に触った訳ではないんだ」
デザートを食べ終えて彼は足早に自分の部屋へと去ってしまった。
「ど、どうしましょう!?何か気に触ってしまったのでは!?」
「落ち着きなさいイヴァ…きっと1人になりたいんでしょう」
「家で色々あったようだし、今はそっとしておくのがいいんじゃないかな」
何か嫌な事を言ってしまったかと心配している私に両親は落ち着かせてくる。
確かに今は1人で考えたいのかもしれない。
あの様子だとここにくる前にご家族と一悶着あったんだろうとすぐに分かった。
(思い返してみればあのパーティー会場にガンダー公爵いたはずじゃない?王家主催のパーティーだしむしろあの時ヒューゴ様の所にすぐに行かなかったのも)
考えれば考える程ヒューゴ様とガンダー公爵の関係はあまり良くなかったのだろうと感じる。
(…オーウェン様は?)
そうオーウェン様はあの時どこにいたのだろうか。
確か彼はヒューゴ様の3歳年下。
つまり17歳、この国の成人年齢は18歳なので彼はまだ未成年。
そもそもパーティーに参加していなかったのかもしれない。
(あれ?じゃあもしかしてヒューゴ様に起きた事あの日の内に知らなかった可能性も?)
オーウェン様についてもあまり知らない。
家の商会のお客様になる事もない為だ。
しかし商会の情報網を甘く見てもらっては困る。
(やり過ぎると余計なお節介になっちゃうし…少しヒューゴ様の周りの方について知りたいだけですからぁ)
誰に向けてなのか自分でも分からないが心の中で色々言い訳しながらも情報収集の準備をし始めた。
ヒューゴ様に幸せになってほしい。
そう思った以上彼にとって何が1番幸せなのか知る必要がある。
もし何もしない事が幸せならば私は何もかも知らないふりをするし何かしたいのなら出来る限り力を貸したい。
(まずは…ベイリー侯爵夫人からね)
ベイリー侯爵夫人は代々王宮勤めをしているベイリー侯爵家に嫁いだ元伯爵令嬢。
今も尚衰える事のない美貌を持ち頭の回転の速さはピカイチ。
人望も熱く彼女を慕っている上級貴族は多い。
それ故に彼女の所には様々な情報が集まっている事は想像に難くないだろう。
ただ1つ問題があった。
「レイラ様は…どうお考えなのか」
「そうですね父は何というか単純思考な所がありまして…母はその逆で」
「そ、それはまた」
何とも真逆の2人だ。
それでよく結婚生活を送れたと思う。
いやヒューゴ様の様子から見て夫婦として機能していなかったのはほぼ確実。
「それで…俺は考え方や外見が母上似でして。父はそんな俺が自分の跡継ぎだなんて気に入らなかったんでしょう」
目に光が無くなった。
「確かにヒューゴ様は公爵似ではないとは思っていたがまさかオーウェン様に期待を向けているのは自分に似ているからなのでしょうか」
お父様の言葉にヒューゴ様は頷く。
思い返してみれば確かにヒューゴ様とオーウェン様はそこまで似ていない。
ヒューゴ様は目付きが鋭くて濃い紺色のサラサラした髪。
オーウェン様は少し吊り目で薄い紺色のツンツンした髪。
つまり赤の他人にしては似ているけど兄弟としては似ていない。
「たった…たったそれだけの理由でヒューゴ様にキツく当たっているのですか?実の息子ですよ?」
ついそう言ってしまった。
「たった、それだけの理由…」
ヒューゴ様はそう呟いて黙ってしまう。
「あっも、申し訳ありません」
「…いや君の言葉が気に触った訳ではないんだ」
デザートを食べ終えて彼は足早に自分の部屋へと去ってしまった。
「ど、どうしましょう!?何か気に触ってしまったのでは!?」
「落ち着きなさいイヴァ…きっと1人になりたいんでしょう」
「家で色々あったようだし、今はそっとしておくのがいいんじゃないかな」
何か嫌な事を言ってしまったかと心配している私に両親は落ち着かせてくる。
確かに今は1人で考えたいのかもしれない。
あの様子だとここにくる前にご家族と一悶着あったんだろうとすぐに分かった。
(思い返してみればあのパーティー会場にガンダー公爵いたはずじゃない?王家主催のパーティーだしむしろあの時ヒューゴ様の所にすぐに行かなかったのも)
考えれば考える程ヒューゴ様とガンダー公爵の関係はあまり良くなかったのだろうと感じる。
(…オーウェン様は?)
そうオーウェン様はあの時どこにいたのだろうか。
確か彼はヒューゴ様の3歳年下。
つまり17歳、この国の成人年齢は18歳なので彼はまだ未成年。
そもそもパーティーに参加していなかったのかもしれない。
(あれ?じゃあもしかしてヒューゴ様に起きた事あの日の内に知らなかった可能性も?)
オーウェン様についてもあまり知らない。
家の商会のお客様になる事もない為だ。
しかし商会の情報網を甘く見てもらっては困る。
(やり過ぎると余計なお節介になっちゃうし…少しヒューゴ様の周りの方について知りたいだけですからぁ)
誰に向けてなのか自分でも分からないが心の中で色々言い訳しながらも情報収集の準備をし始めた。
ヒューゴ様に幸せになってほしい。
そう思った以上彼にとって何が1番幸せなのか知る必要がある。
もし何もしない事が幸せならば私は何もかも知らないふりをするし何かしたいのなら出来る限り力を貸したい。
(まずは…ベイリー侯爵夫人からね)
ベイリー侯爵夫人は代々王宮勤めをしているベイリー侯爵家に嫁いだ元伯爵令嬢。
今も尚衰える事のない美貌を持ち頭の回転の速さはピカイチ。
人望も熱く彼女を慕っている上級貴族は多い。
それ故に彼女の所には様々な情報が集まっている事は想像に難くないだろう。
ただ1つ問題があった。
「レイラ様は…どうお考えなのか」
385
あなたにおすすめの小説
【完結】すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ
エレインたちの父親 シルベス・オルターナ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女
「お前との婚約はなかったことに」と言われたので、全財産持って逃げました
ほーみ
恋愛
その日、私は生まれて初めて「人間ってここまで自己中心的になれるんだ」と知った。
「レイナ・エルンスト。お前との婚約は、なかったことにしたい」
そう言ったのは、私の婚約者であり王太子であるエドワルド殿下だった。
「……は?」
まぬけな声が出た。無理もない。私は何の前触れもなく、突然、婚約を破棄されたのだから。
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
ほーみ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
婚約破棄されたけど、どうして王子が泣きながら戻ってくるんですか?
ほーみ
恋愛
「――よって、リリアーヌ・アルフェン嬢との婚約は、ここに破棄とする!」
華やかな夜会の真っ最中。
王子の口から堂々と告げられたその言葉に、場は静まり返った。
「……あ、そうなんですね」
私はにこやかにワイングラスを口元に運ぶ。周囲の貴族たちがどよめく中、口をぽかんと開けたままの王子に、私は笑顔でさらに一言添えた。
「で? 次のご予定は?」
「……は?」
悪役令嬢ですが、今日も元婚約者とヒロインにざまぁされました(なお、全員私を溺愛しています)
ほーみ
恋愛
「レティシア・エルフォード! お前との婚約は破棄する!」
王太子アレクシス・ヴォルフェンがそう宣言した瞬間、広間はざわめいた。私は静かに紅茶を口にしながら、その言葉を聞き流す。どうやら、今日もまた「ざまぁ」される日らしい。
ここは王宮の舞踏会場。華やかな装飾と甘い香りが漂う中、私はまたしても断罪劇の主役に据えられていた。目の前では、王太子が優雅に微笑みながら、私に婚約破棄を突きつけている。その隣には、栗色の髪をふわりと揺らした少女――リリア・エヴァンスが涙ぐんでいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる