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約束
約束 1
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そして、ヒイロとホムラは、三人の被害者を連れて獣人の町グオルクに帰ることになった。
チイの側を離れるのは寂しいが、仕事として来ているのだから、帰らなければいけない。
明日、帰る。と、なったその日、急にチイの仕事が午後から無くなり、レギに送り出されて港町にいた。
二人は無言で尽かす離れずの距離を保ちながら、のんびりと砂浜を歩いていた。
波打の音が響く。
何を話せば良いのか分からず、ずっと歩いている。
不意にチイが立ち止まり、金色の髪が揺れ、ヒイロの方を向いた。
「次はいつ来るの?」
「…まだ分からない。今回の報告書と、連れて帰る者達の対処次第だ」
「そう…」
再びチイは歩き出す。
しばらく逢えないのだ。
「チイ」
ヒイロはチイの腕を掴み、抱き寄せる。
「お前を連れて帰りたい」
「…ダメよ」
始めから答えは分かっていた。
この温もりを手離したくはない。
「…獣人の町に興味はあるし、いつかは行ってみたいけど、今じゃない…」
そう、今ではないのだ。
きっとレギに、俺の一族の事情を聞いているはず…。
今、連れて帰るわけにはいかない。
だから俺はグオルクに帰り、チイを連れて帰るための行動に出る。
「…誰にも触れられないよう、…俺のモノだと…痕を付けて良いか?」
「いいよ。…でも私は…痕を付けないよ…」
「ああ、分かってる」
互いに噛み痕をつけ合い、お互いが自分のモノだと印を付けたとき、生涯の番なれる。
だが、それにも幾つもの条件があり、特にヒイロの一族は魔素の強い『聖域』が、関わってくるから簡単にはいかない。
お互いにその事は口にしなくとも分かっている。
二人は見つめ会い、口付けする。
ヒイロは魔方陣で二人を包み『移動』をした。
後に残るのは、静かな波打の音だけ…。
『移動』した先は、町から離れた部屋の中だった。
ヒイロ達が借りている…発情期になったチイを介抱した部屋だった。
チイは移動先の部屋を見て頬を染める。
「…この部屋…。あの時の…」
ヒイロはチイに軽く口付ける。
「そうだ。…あの時は介抱しただけだからな…。最後まで我慢した俺を誉めてくれ…」
チイは真っ赤になってうつ向く。
「…時間はまだある。今日はゆっくりと…触れさせてくれ…」
ヒイロはそう言って、うつ向くチイの頬に触れ上を向かせ、唇に触れて舌を絡まらせる。
「…んっ…」
「…はぁ…」
角度を変えながら貪るように口付けを堪能し、火照り始めた身体から甘い匂いが漂ってくる。
ヒイロは舌を絡まらせながら、チイのシャツのボタンを外し脱がしていった。
唇を離すとチイが熱っぽい視線で見上げて、息を荒くし、すがり付いてくる。
ヒイロはチイを抱き抱え、ベッドの上に押し倒した。
「…ゆっくり触るのは、また今度だ。チイを堪能したい…」
そう言ってチイの首筋に口付けた。
チイの側を離れるのは寂しいが、仕事として来ているのだから、帰らなければいけない。
明日、帰る。と、なったその日、急にチイの仕事が午後から無くなり、レギに送り出されて港町にいた。
二人は無言で尽かす離れずの距離を保ちながら、のんびりと砂浜を歩いていた。
波打の音が響く。
何を話せば良いのか分からず、ずっと歩いている。
不意にチイが立ち止まり、金色の髪が揺れ、ヒイロの方を向いた。
「次はいつ来るの?」
「…まだ分からない。今回の報告書と、連れて帰る者達の対処次第だ」
「そう…」
再びチイは歩き出す。
しばらく逢えないのだ。
「チイ」
ヒイロはチイの腕を掴み、抱き寄せる。
「お前を連れて帰りたい」
「…ダメよ」
始めから答えは分かっていた。
この温もりを手離したくはない。
「…獣人の町に興味はあるし、いつかは行ってみたいけど、今じゃない…」
そう、今ではないのだ。
きっとレギに、俺の一族の事情を聞いているはず…。
今、連れて帰るわけにはいかない。
だから俺はグオルクに帰り、チイを連れて帰るための行動に出る。
「…誰にも触れられないよう、…俺のモノだと…痕を付けて良いか?」
「いいよ。…でも私は…痕を付けないよ…」
「ああ、分かってる」
互いに噛み痕をつけ合い、お互いが自分のモノだと印を付けたとき、生涯の番なれる。
だが、それにも幾つもの条件があり、特にヒイロの一族は魔素の強い『聖域』が、関わってくるから簡単にはいかない。
お互いにその事は口にしなくとも分かっている。
二人は見つめ会い、口付けする。
ヒイロは魔方陣で二人を包み『移動』をした。
後に残るのは、静かな波打の音だけ…。
『移動』した先は、町から離れた部屋の中だった。
ヒイロ達が借りている…発情期になったチイを介抱した部屋だった。
チイは移動先の部屋を見て頬を染める。
「…この部屋…。あの時の…」
ヒイロはチイに軽く口付ける。
「そうだ。…あの時は介抱しただけだからな…。最後まで我慢した俺を誉めてくれ…」
チイは真っ赤になってうつ向く。
「…時間はまだある。今日はゆっくりと…触れさせてくれ…」
ヒイロはそう言って、うつ向くチイの頬に触れ上を向かせ、唇に触れて舌を絡まらせる。
「…んっ…」
「…はぁ…」
角度を変えながら貪るように口付けを堪能し、火照り始めた身体から甘い匂いが漂ってくる。
ヒイロは舌を絡まらせながら、チイのシャツのボタンを外し脱がしていった。
唇を離すとチイが熱っぽい視線で見上げて、息を荒くし、すがり付いてくる。
ヒイロはチイを抱き抱え、ベッドの上に押し倒した。
「…ゆっくり触るのは、また今度だ。チイを堪能したい…」
そう言ってチイの首筋に口付けた。
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