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第四章『葵と結衣』
第三話「小さい喧嘩と、焼肉奉行」★
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「結衣様、顔が真っ赤ですよ? 熱でもあるんですか??」
「葵さんっ、気付いてたんでしょ……っ! この人を止めてくださっ……んっ……!」
助けを求める結衣の顎をくいと上げて、新は乱暴にその唇を奪う。
無防備に開いた口内に侵入して、結衣の舌を絡め取るように動かす。
スカートの中に入っていた手は、ショーツの上から焦らすように同じ場所をなんども擦り上げる。
ちょ、ちょっと……! 止まるどころかどんどんエスカレートしてるし!
「んっ、んん……っ」
顎に当てられていた手を結衣の背中に回され、強く抱き寄せられる。
密着した躰から新の熱い程の体温が流れてくるようで、心臓が脈打ちドキドキとしてしまう結衣。
心地のいい陶酔感。しかし、まだ恥ずかしさが勝り、新から離れようと彼の体を両手で押しだす。
半個室なので気づかれることはないだろうが、開けた空間での行為はそれでも抵抗があった。
その様子に、仕方ないなとばかりに、チュッと小鳥のような触れる程のキスをして新は結衣を解放した。
「はぁ……っ」
完全に惚けてしまった目は焦点が合わず、よろよろと前を向き直す結衣。
撫で回された女の子の部分が、中途半端なまま疼き、我慢できず刺激を求めてジンジンと熱くなる。
未だ焼かれていない肉や野菜が並んでいる掘りごたつの向こう側。
二人をずっと観察していた葵が、意地悪に微笑んだ。
「結衣様! エッロエロですね。発情期のメス犬みたいな顔をしていますよ」
「そ! そういうこと、言わないで下さい……っ!」
真っ赤な林檎のように顔を紅潮させ、俯く結衣。
普段なら気軽にツッコめるが、劣情を抱えた今の状態だと、こんな些細な言葉すらが結衣を責めたてる愛撫の一つに感じてしまう。
「結衣可愛い~……ていうかほんと、小さいね君」
新は自分より随分小柄な彼女の頭を、わしゃわしゃと撫で回した。
「…………あああーーー! 小さくない! 小さくないから! 二人が背高すぎるだけだから!」
結衣の言う通り、新も葵も背が高い。
しかし結衣は結衣で、低すぎるのも事実。
「小さい小さい」
「小さく、ない!」
言い合っている二人を前に、葵は溜め息をついた。
「……仕方ないですね。お二人ともイチャイチャするのに忙しいみたいなので、私が焼肉奉行を致しましょう。これでは一向に肉が焼けません」
言いながら、並べられたまま放置された肉と野菜を焼いていく葵。
葵が勝手に肉を焼き始めたことに、二人は気付いていない。
「結衣は子供のときから小さかったなぁ。出会ったとき小四って言ってたけど、園児かと思った」
「園児……!? 園児って言いました!?」
「今やっと中学生くらい? 大丈夫? お酒飲める? それ以前に買える? 未成年には売れませんって言われない?」
「飲めます!! 買えます!!!!」
子供にするみたいに、頭を優しく撫でてくる新。
結衣はそれを振り払って、精一杯胸を張って姿勢を正す。少しでも大きく見えるように。
ちなみにお酒を買うときは、例え同じ店員でも、毎回身分証を求められるということは、絶対に内緒だ。虐められるに決まっている。
「はい、お二人共。焼けてきたので、食べながらイチャイチャして下さい。焦げます」
二人の喧嘩を止めたのは、焼肉だった。
「あ、こっち側が先ですよ。右からです。もうすでに一回ひっくり返してるのでこれ以上返さないで下さい。返すのは一回だけです。肉をタレに浸しっぱなしにするタレ放置プレイはNGです。せっかく熱々の肉が冷めますからね。さっさと食べて下さい」
焼肉奉行らしく淡々と指示してくる葵に、二人の「小さいこと」に対する熱は一気に冷めた。
「え、あ、うん……」
「い、いただきます……」
おずおずと手を合わせる新と結衣に、満足そうに微笑む葵なのだった。
「葵さんっ、気付いてたんでしょ……っ! この人を止めてくださっ……んっ……!」
助けを求める結衣の顎をくいと上げて、新は乱暴にその唇を奪う。
無防備に開いた口内に侵入して、結衣の舌を絡め取るように動かす。
スカートの中に入っていた手は、ショーツの上から焦らすように同じ場所をなんども擦り上げる。
ちょ、ちょっと……! 止まるどころかどんどんエスカレートしてるし!
「んっ、んん……っ」
顎に当てられていた手を結衣の背中に回され、強く抱き寄せられる。
密着した躰から新の熱い程の体温が流れてくるようで、心臓が脈打ちドキドキとしてしまう結衣。
心地のいい陶酔感。しかし、まだ恥ずかしさが勝り、新から離れようと彼の体を両手で押しだす。
半個室なので気づかれることはないだろうが、開けた空間での行為はそれでも抵抗があった。
その様子に、仕方ないなとばかりに、チュッと小鳥のような触れる程のキスをして新は結衣を解放した。
「はぁ……っ」
完全に惚けてしまった目は焦点が合わず、よろよろと前を向き直す結衣。
撫で回された女の子の部分が、中途半端なまま疼き、我慢できず刺激を求めてジンジンと熱くなる。
未だ焼かれていない肉や野菜が並んでいる掘りごたつの向こう側。
二人をずっと観察していた葵が、意地悪に微笑んだ。
「結衣様! エッロエロですね。発情期のメス犬みたいな顔をしていますよ」
「そ! そういうこと、言わないで下さい……っ!」
真っ赤な林檎のように顔を紅潮させ、俯く結衣。
普段なら気軽にツッコめるが、劣情を抱えた今の状態だと、こんな些細な言葉すらが結衣を責めたてる愛撫の一つに感じてしまう。
「結衣可愛い~……ていうかほんと、小さいね君」
新は自分より随分小柄な彼女の頭を、わしゃわしゃと撫で回した。
「…………あああーーー! 小さくない! 小さくないから! 二人が背高すぎるだけだから!」
結衣の言う通り、新も葵も背が高い。
しかし結衣は結衣で、低すぎるのも事実。
「小さい小さい」
「小さく、ない!」
言い合っている二人を前に、葵は溜め息をついた。
「……仕方ないですね。お二人ともイチャイチャするのに忙しいみたいなので、私が焼肉奉行を致しましょう。これでは一向に肉が焼けません」
言いながら、並べられたまま放置された肉と野菜を焼いていく葵。
葵が勝手に肉を焼き始めたことに、二人は気付いていない。
「結衣は子供のときから小さかったなぁ。出会ったとき小四って言ってたけど、園児かと思った」
「園児……!? 園児って言いました!?」
「今やっと中学生くらい? 大丈夫? お酒飲める? それ以前に買える? 未成年には売れませんって言われない?」
「飲めます!! 買えます!!!!」
子供にするみたいに、頭を優しく撫でてくる新。
結衣はそれを振り払って、精一杯胸を張って姿勢を正す。少しでも大きく見えるように。
ちなみにお酒を買うときは、例え同じ店員でも、毎回身分証を求められるということは、絶対に内緒だ。虐められるに決まっている。
「はい、お二人共。焼けてきたので、食べながらイチャイチャして下さい。焦げます」
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