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伯爵家の秘密 2
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二階には廊下の突き当たりに水場もある。手を洗ったり、水を流すための洗面所だ。澪は一輪挿しを手にして洗面所へ赴き、水を入れた。
部屋に戻り、一輪挿しを飾る。琉球硝子の繊細な模様に華麗な薔薇が映えていた。
「それでは……」
失礼します、と言いかけて退出しようとしたら、晃久がすぐ後ろに立っていた。口端を引き上げて薔薇を眺めている。
片方の口端を引き上げるのは、いつも晃久がする癖のようなものだ。御曹司だと思って嫌みだ、と庭師のひとりが呟いていたのを耳にしたことがあるが、澪は子どもの頃から見慣れているためか気にならない。傲慢に見えるその仕草はむしろ、晃久が少なからず喜んでいる現れなので、無表情よりはずっと嬉しい。
「可憐だ。澪の唇と同じ色をしている」
ふわりと背後から抱きしめられて、鼓動が跳ねる。
いつも強引で有無を言わせない晃久だが、今の彼の腕は壊れ物を扱うように澪の体をそっと抱えていた。まるで澪が嫌がれば、解いても良いというように。
澪は、どうして良いのか分からなくなる。
けれど背に密着した晃久の胸が熱くて、すぐ傍に感じる彼の吐息が狂おしいほどに胸をざわめかせる。
「僕の唇はこのような色なんですね……」
「そうだ。紅く、誘うように淫らで、けれど品があり楚々としている。この薔薇の名前は、澪と名づけよう」
薔薇の正式な名はあるのだが、晃久が澪の名を特別なものにしてくれたように思えて、喜びが胸の裡に滲む。
「ありがとうございます」
「それだけか?」
「え」
「名付け親への礼は?」
「お礼……ですか?」
悪戯めいた眸をむけた晃久に腕を引かれて、ソファへ倒れるように身を投げ出す。気づけば澪は、晃久の膝の上に乗り上げて抱きしめられる格好になっていた。
「あ」
いつもの。
近頃はなくなっていた晃久の悪ふざけだ。
とくりと鼓動が鳴り、頬が朱に染まる。
あんな夜を過ごした後でする戯れは、何だかとても恥ずかしくて。
「ほら。顔を見せろ」
俯いていると頤に手をかけられて、上向かせられた。
嬉しそうに微笑んだ晃久が眼前に迫り、耳朶を指先で弄られる。
「柔らかいな。噛んだら欠けてしまいそうだ」
「んっ……若さま……」
甘噛みしようと、晃久が顔を傾けて口を開ける。
首を竦めた澪は衝撃に耐えようと目を瞑った。
突然、無遠慮に部屋の扉が開けられる。
はっとして扉に目をむければ、晃久の母親である藤子が眉根を寄せて立っていた。
「晃久。何をなさっているの」
刺々しい声音は澪を責めるように突き刺さる。
慌てて晃久の膝の上から降りようとしたが、それを許さないかのように強い力で腰を抱かれた。
「ノックくらいしてください。母上」
「あなたがくだらない遊びに耽っているのを見過ごせません。いつまでその使用人を屋敷に入れているの。汚らわしい」
汚物を見るような目で澪を見下した藤子は、ハンカチを口元に宛てて顔を背ける。
澪は居たたまれなくなり、小さく体を丸めた。
藤子は澪の母が健在だった頃からこのような態度で、澪と母を避けていた。それも当然のことだと思う。藤子にとって澪たちは、夫を奪った泥棒猫なのだ。泥棒の分際で屋敷に居座られるのも迷惑なはずだ。
けれど澪は他に行き場がないので、せめて庭師として働いて奉公しようと願っている。
晃久は藤子の言うことを歯牙にもかけず、鼻で嗤い飛ばした。
「俺はもう二六歳です。成人してからも母親に指図を受けるとは、困りましたね」
「お義父さまが知ったらどうします。あなたはこの大須賀伯爵家の当主となる人なのですよ。もっと自覚を持って責任ある行動を取りなさい」
「またその話ですか。やれやれ」
興醒めしたように晃久は腰を上げた。澪は素早く立ち上がり、部屋の隅に控えて頭を下げる。大須賀伯爵家の当主は、伸介が亡くなってからは晃久の祖父である幸之介に戻された。いずれ立派になった晃久に継がせると、幸之介が宣言しているのを澪も聞き及んでいる。
その日が近づいているので、母の藤子も心配なのだ。
若さまは僕と、こんなことをしていてはいけないんだ……。
嘆息した藤子が階下に戻り、靴音が遠ざかる。
晃久は、ぽつりと呟いた。
「責任ある行動か。確かに、責任は取らないといけないな」
これで、澪との戯れも終わりになるのだろうか。永遠に。
寂寥感が込み上げたが、無理やり心の奥に捩じ込む。寂しいなんて思ってはいけない。
「申し訳ありませんでした。僕のせいで奥様に不快な思いをさせてしまいました」
硬い面持ちで謝罪すれば、晃久はなぜか不愉快そうに眉をひそめた。
澪の眼前に歩を進め、立ち塞がるようにして見下ろされる。
そうされると華奢な澪は、晃久の体に隠れるようにすっぽりと収まった。
「澪。おまえの主人は誰なんだ?」
「え……。えっと……大旦那様です」
屋敷の使用人は皆、当主である大須賀幸之介の名で雇われている。あくまでも名義の上での主人ということだが。
澪の返事がたいそう不満だった晃久は、怖い顔をして壁に手を付けた。囲われるように壁に押しつけられ、澪は瞬きをして精悍な面差しを見上げる。
「もう一度聞く。おまえの唇に口づけて、体の奥を濡らしたのは、誰なんだ?」
「そ、それは……!」
「答えろ。誰だ」
「……若さまです。大須賀晃久さまです」
「そうだろう。ならばおまえは俺の言うことを聞いていればいい。澪の主人は、俺だ。他の者の命令など聞く必要はない」
「……はい。分かりました」
そういうわけにもいかないと思うが、ひとまず了承する。
晃久は生まれながらの王のような性質なので、何事も自分の思い通りにならなければ気が済まないのだろう。いずれ晃久が伯爵家を継げば、澪は自動的に晃久の名義で大須賀家の使用人になるのだから、この場で認めさせなくても良いのではと思うのだが。
「中出しの責任は、いずれ取る」
ひとつ言い放ち、晃久は澪を解放した。
咄嗟に何のことを言われたのか分からず茫然とした澪は、直後に顔を赤らめる。
「え、な、なか……」
どうしてその責任を取るという話になるのだ。
恥ずかしい単語を臆面もなく、さらりと口に出す晃久に悪気は見られない。堂々としている彼はむしろ、悪気を突き抜けている。
「し、失礼します!」
また、からかわれている。
澪が困惑するのを見て、晃久は楽しんでいるのだ。本当に意地悪だ。
真っ赤になった顔を隠すように俯いて、澪は書斎を飛び出した。
部屋に戻り、一輪挿しを飾る。琉球硝子の繊細な模様に華麗な薔薇が映えていた。
「それでは……」
失礼します、と言いかけて退出しようとしたら、晃久がすぐ後ろに立っていた。口端を引き上げて薔薇を眺めている。
片方の口端を引き上げるのは、いつも晃久がする癖のようなものだ。御曹司だと思って嫌みだ、と庭師のひとりが呟いていたのを耳にしたことがあるが、澪は子どもの頃から見慣れているためか気にならない。傲慢に見えるその仕草はむしろ、晃久が少なからず喜んでいる現れなので、無表情よりはずっと嬉しい。
「可憐だ。澪の唇と同じ色をしている」
ふわりと背後から抱きしめられて、鼓動が跳ねる。
いつも強引で有無を言わせない晃久だが、今の彼の腕は壊れ物を扱うように澪の体をそっと抱えていた。まるで澪が嫌がれば、解いても良いというように。
澪は、どうして良いのか分からなくなる。
けれど背に密着した晃久の胸が熱くて、すぐ傍に感じる彼の吐息が狂おしいほどに胸をざわめかせる。
「僕の唇はこのような色なんですね……」
「そうだ。紅く、誘うように淫らで、けれど品があり楚々としている。この薔薇の名前は、澪と名づけよう」
薔薇の正式な名はあるのだが、晃久が澪の名を特別なものにしてくれたように思えて、喜びが胸の裡に滲む。
「ありがとうございます」
「それだけか?」
「え」
「名付け親への礼は?」
「お礼……ですか?」
悪戯めいた眸をむけた晃久に腕を引かれて、ソファへ倒れるように身を投げ出す。気づけば澪は、晃久の膝の上に乗り上げて抱きしめられる格好になっていた。
「あ」
いつもの。
近頃はなくなっていた晃久の悪ふざけだ。
とくりと鼓動が鳴り、頬が朱に染まる。
あんな夜を過ごした後でする戯れは、何だかとても恥ずかしくて。
「ほら。顔を見せろ」
俯いていると頤に手をかけられて、上向かせられた。
嬉しそうに微笑んだ晃久が眼前に迫り、耳朶を指先で弄られる。
「柔らかいな。噛んだら欠けてしまいそうだ」
「んっ……若さま……」
甘噛みしようと、晃久が顔を傾けて口を開ける。
首を竦めた澪は衝撃に耐えようと目を瞑った。
突然、無遠慮に部屋の扉が開けられる。
はっとして扉に目をむければ、晃久の母親である藤子が眉根を寄せて立っていた。
「晃久。何をなさっているの」
刺々しい声音は澪を責めるように突き刺さる。
慌てて晃久の膝の上から降りようとしたが、それを許さないかのように強い力で腰を抱かれた。
「ノックくらいしてください。母上」
「あなたがくだらない遊びに耽っているのを見過ごせません。いつまでその使用人を屋敷に入れているの。汚らわしい」
汚物を見るような目で澪を見下した藤子は、ハンカチを口元に宛てて顔を背ける。
澪は居たたまれなくなり、小さく体を丸めた。
藤子は澪の母が健在だった頃からこのような態度で、澪と母を避けていた。それも当然のことだと思う。藤子にとって澪たちは、夫を奪った泥棒猫なのだ。泥棒の分際で屋敷に居座られるのも迷惑なはずだ。
けれど澪は他に行き場がないので、せめて庭師として働いて奉公しようと願っている。
晃久は藤子の言うことを歯牙にもかけず、鼻で嗤い飛ばした。
「俺はもう二六歳です。成人してからも母親に指図を受けるとは、困りましたね」
「お義父さまが知ったらどうします。あなたはこの大須賀伯爵家の当主となる人なのですよ。もっと自覚を持って責任ある行動を取りなさい」
「またその話ですか。やれやれ」
興醒めしたように晃久は腰を上げた。澪は素早く立ち上がり、部屋の隅に控えて頭を下げる。大須賀伯爵家の当主は、伸介が亡くなってからは晃久の祖父である幸之介に戻された。いずれ立派になった晃久に継がせると、幸之介が宣言しているのを澪も聞き及んでいる。
その日が近づいているので、母の藤子も心配なのだ。
若さまは僕と、こんなことをしていてはいけないんだ……。
嘆息した藤子が階下に戻り、靴音が遠ざかる。
晃久は、ぽつりと呟いた。
「責任ある行動か。確かに、責任は取らないといけないな」
これで、澪との戯れも終わりになるのだろうか。永遠に。
寂寥感が込み上げたが、無理やり心の奥に捩じ込む。寂しいなんて思ってはいけない。
「申し訳ありませんでした。僕のせいで奥様に不快な思いをさせてしまいました」
硬い面持ちで謝罪すれば、晃久はなぜか不愉快そうに眉をひそめた。
澪の眼前に歩を進め、立ち塞がるようにして見下ろされる。
そうされると華奢な澪は、晃久の体に隠れるようにすっぽりと収まった。
「澪。おまえの主人は誰なんだ?」
「え……。えっと……大旦那様です」
屋敷の使用人は皆、当主である大須賀幸之介の名で雇われている。あくまでも名義の上での主人ということだが。
澪の返事がたいそう不満だった晃久は、怖い顔をして壁に手を付けた。囲われるように壁に押しつけられ、澪は瞬きをして精悍な面差しを見上げる。
「もう一度聞く。おまえの唇に口づけて、体の奥を濡らしたのは、誰なんだ?」
「そ、それは……!」
「答えろ。誰だ」
「……若さまです。大須賀晃久さまです」
「そうだろう。ならばおまえは俺の言うことを聞いていればいい。澪の主人は、俺だ。他の者の命令など聞く必要はない」
「……はい。分かりました」
そういうわけにもいかないと思うが、ひとまず了承する。
晃久は生まれながらの王のような性質なので、何事も自分の思い通りにならなければ気が済まないのだろう。いずれ晃久が伯爵家を継げば、澪は自動的に晃久の名義で大須賀家の使用人になるのだから、この場で認めさせなくても良いのではと思うのだが。
「中出しの責任は、いずれ取る」
ひとつ言い放ち、晃久は澪を解放した。
咄嗟に何のことを言われたのか分からず茫然とした澪は、直後に顔を赤らめる。
「え、な、なか……」
どうしてその責任を取るという話になるのだ。
恥ずかしい単語を臆面もなく、さらりと口に出す晃久に悪気は見られない。堂々としている彼はむしろ、悪気を突き抜けている。
「し、失礼します!」
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澪が困惑するのを見て、晃久は楽しんでいるのだ。本当に意地悪だ。
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