つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

耽溺の別荘 ４

　澪はぼんやりとしながら、体が求めるままに呟いた。

「若さまの、硬くて太い肉棒を、僕の中に挿れてください……。疼いてたまらないんです。肉棒で激しく擦ってください……」

　獣のような目をした晃久は前を寛げる。
　澪は自ら晃久を受け入れた。足を大きく開き、ひくつく蕾を晒す。
　ぐじゅ、と硬い切っ先が淫らな音を立てて押し込まれる。熟れた蕾は抵抗なく先端を呑み込み、美味そうにしゃぶった。

「あっ……ああ、いい……」

　渇望した雄芯をようやく迎えることができて、澪の体は歓喜に震える。背を反らし、もっとというように腰を突き出す。
　ずくり、ずくりと腰を推し進められるたびに、濡れた花筒は奥へ奥へと導くように蠕動した。
　ずんと重い衝撃があり、極太の熱杭は細腰にすべて収められる。肉環は押し広げられ、その口いっぱいに雄芯を銜え込んでいた。

「あ、あ……若さまの大きい肉棒が、ぜんぶ僕の中に……入ってます」

　あれほど恥ずかしがっていたのに、体に正直になってしまえば、淫らな台詞は容易く唇から零れ出た。
　澪が喋っているのではなく、体が直接喋っているのだった。
　それほどに発情期が快楽を求める力は強く、体は雄を求めていた。

「俺を銜えた澪の中はどうなっている。言ってみろ」

　腰を遣われて掻き回されるようにされ、濡れた花筒は雄芯にやわやわと絡みつく。

「んぁ、あっ、熱くて濡れていて、きゅうっと締まって……若さまの肉棒を締めつけてます」

　まるで、淫売のようだ。
　澪は待ちきれず、足を晃久の腰に絡ませる。

「若さま……動いて。もう我慢できません。硬い肉棒で僕の中を滅茶苦茶に擦ってください」
「澪……そんなに煽るな。傷つけてしまう」

　晃久はゆっくりと、奥まで挿入した熱杭を引き抜いた。後孔から抜けるぎりぎりのところで止め、また先端をぐちゅりと押し込んでいく。
　焦らすような動きがもどかしくてたまらない。体の熱はまるで熾火が燻るように凝っている。

「あっ、あ……若さま、いじわるしないで……」

　幾度か出し挿れを繰り返して花筒が雄芯に馴染むと、晃久は澪の腰を抱え直す。

「いくぞ。俺を煽ったことを後悔するなよ」

　激しい抽挿を送り込まれ、澪の体は淫猥に揺さぶられる。ずちゅ、ずちゅと抜き差しするたびに淫液が歓喜の水音を上げた。

「ああぁ、あ、ぁん、は、ああ、すごい、若さま、ひあぁっ」

　熱杭は凄まじい勢いで花筒を犯していく。
　淫らな嬌声をひっきりなしに上げ続ける澪の体が衝撃にずり上がり、腕が風呂の湯を掻いた。ぱしゃり、と水が跳ねて、澪の黒髪も湯に浸かり濡れていく。

「あん、あっ、はぁ、あっ、若さまぁ」
「澪……澪、気持ちいいのか」

　大きく足を広げて雄を呑み込む扇情的な姿を晒しながら甘い声を上げ続ける。快楽に塗れた顔を見せる澪は、まさに淫売そのものだった。

「あっ、いい、きもち、いい、あっ、ぁん、あぁん」

　感じすぎて、もう何も考えられなかった。快楽に身を委ね、花筒を擦り上げる楔を愛しく締め上げる。
　澪はオメガの本能で次なる欲を求めた。

「若さま、だして、僕の中にぜんぶ、だしてぇ」
「孕ませてやる……澪」

　ひときわ強く奥を突き上げた楔が、ぶわりと膨れ上がる。花筒にみっちりと押し込まれた雄芯が爆ぜて、欲の証が注ぎ込まれた。その白濁はしっとりと奥を濡らしていく。

「ああ……あ……でてる……いっぱい……」

　晃久の子種が、体の奥深くに注がれている。その感覚は澪にたまらない充溢感を与えた。
　晃久に抱かれているときだけが、幸福を感じることができた。
　半身が湯に浸されていた澪の体は引き上げられて、きつく抱きしめられる。背を流れる温かな湯よりも、中を濡らした晃久の精は熱かった。



　別荘を訪れてからというもの、昼も夜もなく晃久は澪を抱いた。
　会社は部下に任せているので休暇だと告げた晃久は、片時も澪から離れない。天蓋付きのベッドで抱かれ、それが終わると風呂場で洗うと称して隣の風呂場へ連れ込まれてまた抱かれる。合間に食事と睡眠を取るが、それも主寝室の中でだった。
　食事は下男が部屋まで運んでくれるが、晃久は澪と下男が顔を合わせるのを許さず、テーブルに食事を置くときは必ず澪はカーテンの閉められたベッドにいるか、風呂場の扉の向こうにいなければならない。寝るときは同じベッドで晃久に抱きしめられながら眠った。
　いつでも抱かれているので、澪の体からは紅い痕が消えなかった。
　消えそうになると晃久はまた新たな痕を付ける。
　口づけの痕は体中にあるので、とても人に会える体ではない。