つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

伯爵家の花嫁 ３

　じゅぷじゅぷといやらしい水音が室内に響く。晃久の荒い息遣いが耳に届いた。澪の愛撫で感じてくれている。嬉しくなった澪はいっそう雄芯に舌を絡め、いやらしく唇で扱いて育て上げた。

「っく……、澪……俺を殺すつもりか」
「ん、ん……このまま達してください」
「そうはいくか」

　澪の腿を撫でていた手が、揺れていた花芯に触れる。
　柔らかく揉み込まれ、それだけでも感じてしまうのに、晃久は更に蕾にぬろりと舌を這わせた。

「あっ……ぁん」

　澪からは見えないが、後孔は晃久の眼前に晒されている。
　淡い色の蕾は物欲しそうに目の前で揺れて、触ってほしいとばかりに口をぱくりと開けていた。
　花芯を擦り上げられて、蕾までねっとりと舐られ、甘い愉悦に背を反らせる。そうすると口から雄芯が零れてしまい、澪の口端から銀糸が零れ落ちた。

「あ、あ……だめ、もっと、銜えさせてくださ……んぁ」
「澪こそ、このまま達してもいいんだぞ」

　ぐちゅり、と熱い舌が蕾に挿し込まれた。中を探るように掻き回されて、凝っていた快楽の塊を溶かされるような熱の放出を覚える。

「あっ、やぁっ、だめ、感じて……」

　体勢のためか晃久の舌が奥深くまで届き、ひどく感じすぎてしまう。
　澪は甘い喘ぎ声を零しながら、淫らに腰を揺らめかせた。

「感じろ。好きなだけ」
「だめぇ、晃久さま。今日は、一緒にいかせてください……っ」

　ひとりで先に達するのは寂しい。晃久にも同じように感じて、共に極めてほしい。
　舌を引き抜いた晃久は尻をひと撫でした。

「いいぞ。下の口で銜えるんだ」

　体の位置を変えて、仰向けの晃久と向き合う。身を屈めた澪の濡れた蕾に、猛った雄芯がぴたりと宛がわれた。

「そのまま腰を下ろして呑み込め。ゆっくりとな」
「ん……ん……」

　膝の力を抜けば、ぐちゅ、と濡れた音を立てて切っ先が含まれていく。
　自分で挿入するのは、とても恥ずかしい。
　しかもその様子を、澪の腰を抱えた晃久につぶさに見られているのだ。彼は瞬きもせずに、ふたりがつながるところを凝視している。

「入ってるぞ……。俺が、澪の中に」

　ずくり、ずくりと少しずつ長大な熱杭は細腰に収められていく。
　溶かされていく。身も心も。
　晃久の熱い雄芯が、澪の哀しみも憤りもすべて溶かして、確かな情愛に生まれ変わらせていった。
　やがて晃久の中心の根元までを呑み込み、ずんと衝撃があった。猛る雄芯が腹の内に収められた感触に、澪はぶるりと身を震わせる。

「あっ……あ、晃久さまが、ぜんぶ、入りました」

　そっと結合部に触れてみる。剛直は、みっちりと蕾に嵌め込まれていた。

「動いてみろ。ゆっくり」

　腰を両手で支えた晃久に、ゆるゆると前後に動かされる。

「んっ、ぁ、ん……こうですか？」
「そうだ。上手いぞ。そうやって、澪のいいところに当ててみろ」

　腰を捻り、感じるところを自分で探り当てる。気持ち良いところを見つけ出し、先端で擦りつけるように腰を振り立てた。

「あっ、あっ、あぁ、晃久さま、これ、すごいです」
「どうなってる？　言ってみろ」
「晃久さまの、太くて硬い先端が、僕の奥の感じるところを抉ってます。ぐりっとされると、気持ち良すぎて達してしまいそうです」
「上等だ……。ここが良いのか？」

　腰を遣った晃久は、ぐいと下から突き上げる。身を貫くような快楽に、澪はたまらず顎を仰け反らせた。足のつま先にまで甘い痺れに浸される。

「はぁ、あぁっ、いい、いい……あぁ、晃久さま、いっちゃう……」
「いいぞ。いけ」
「あっ、だめ、晃久さま、だめぇ」

　晃久の腹に手をついて一心に腰を振り、快楽を貪る澪はいやいやと首を振る。細腰を掴んでいた晃久は澪の手を取り、指を絡ませた。

「何がだめなんだ」
「晃久さまと、いっしょに、いきたいです……」

　両手の指と指を絡ませて、ふたりは淫猥に腰を振る。晃久は耐えるように眉根を寄せながら微笑みをむけた。

「分かった。一緒に、いくぞ、澪……」

　激しい突き上げに、濡れた花筒はぐっちゅ、ぐっちゅと擦り上げられる。先端に奥の口を突かれるたびに、澪の唇から甘い嬌声が零れ続けた。