ヘタレ転移者 ~孤児院を救うために冒険者をしていたら何故か領地経営をすることになったので、嫁たちとスローライフを送るためにも頑張ります~

茶山大地

文字の大きさ
7 / 317
第一章 新しい世界

第六話 装備品を揃えよう

しおりを挟む
 中古本屋と同じようにしっかりとした建物の武器屋の扉を開けてエリナと二人で入る。
 店主だろうか、ジロリとこちらを見てくる。
 店の中は随分と広い。
 登録証を見せる前からすでに塩対応じゃないか、と思いつつも店主らしき男に声を掛ける。


「あー武器を見せてもらいたいんだが」


 親父はアゴでくいっと武器が並べられている場所を示す。
 なんか腹立つけど、別に武器屋はここだけじゃない。
 店を変えるかとも思ったが、すでにエリナは目を輝かせて武器を眺めている。

 武器の良し悪しはわからんが手入れはしっかりされているみたいだな。
 値段の安いものでも刀身に曇りが無い。
 この辺りに並べられてるのは中古品なのか、想像してたよりも安い。
 ロングソードで一番安いのだと一本銀貨五枚だ。


「エリナ、このあたりはどうだ? 持ってみて重すぎず、手に合うようなものがあれば良いんだが」


 エリナは、んーと言いながらナイフなんかを手に持って鞘から抜いて見ている。


「そうだ、魔法を武器に掛けたりするんだから軽くはできるのかな、いやそれだと常に魔力を消費するから効率が悪いか」

「あんたら、魔法を使うのか?」

「ん? そうだが」

「ならちと高いが魔法銀ミスリルの武器を勧めるぞ。鋼鉄と同程度の硬度で、鋼鉄より魔力との親和性が高く、魔力を纏わせるのに効率が良いんだ」

「良く聞くあのミスリルか......高そうだな」

「こっちのケースに入ってるから見てくれ。言ってくれればケースから出す」


 明らかに他の商品とは扱いが違うそのガラスケースの中を見ると、ロングソードで金貨一枚という値段だった。
 研ぎ直し済みと書かれたタグが付いている。


「中古なのか?」

「新品なら金貨三枚ってところだ」

「安いんだろうけど、今はそこまで必要はないんだよな。高難易度依頼とかでその内強力な武器が必要になったら、その時には検討するよ」

「そうか、ま、ゆっくり見て行ってくれ」


 ミスリル製武器が収まっているガラスケースの品を見ていると、新品コーナーに日本刀のような物がある。


「あれ日本刀か?」

「おっ、あんた<転移者>か。そうだ、ニホントウだ。こちらじゃ刀と呼ぶ奴が多いがな」

「造りもちゃんとした日本刀なのか?」

「鉄鉱石じゃなく砂鉄から取った玉鋼で打った本物だ。複数の硬度の鋼を組み合わせてできている」

「おぉ......」

「折れず、曲がらず、良く斬れる最高の武器だ。代わりに手入れや扱い方、切断方法などかなり特殊だがな」

「金貨十枚か」

「俺が打った業物だからな、これを超える武器はもう高レベルの魔法剣くらいしか存在しないだろう」

「魔法剣、存在するんだ」

「魔力で無理やり強度と切れ味を増した邪道の武器だよあれは」

「なるほど」

「鉄鉱石から採取した鉄で打った習作の刀でも金貨一枚はする。気になるなら色々相談に乗れるぞ」


 金になる客と思われたのか日本刀を知ってる<転移者>だからなのか、塩対応から急に饒舌になる。


「そんなに良い腕を持ってるのに、何故王都って所には行かないんだ? ここよりはでかいだろうし、金持ちも多そうだから日本刀にも需要があるんじゃないか?」

「この町の近くに質の良い砂鉄が採れる場所があるんだ」

「十分すぎる理由だな。腕のいい鍛冶師が居てくれて頼もしいよ」

「本業は刀鍛冶なんだがな、趣味で剣を打っているようなもんだ。さっさと刀を買える位稼いで来い」

「追々な。ちなみにこの剣は引き取りに出すとしたらいくらになる?」


 酔っ払いから貰ったロングソードを渡すと、親父は鞘から抜いて刀身を眺める。


「こりゃナマクラだな、銅貨百五十枚ってところか。うちで引き取ったら研ぎなおして銅貨三百枚で売る程度だ」

「随分正直なんだな」

「その方がお前さんにとっても話が早いだろう」

「ならこいつの武器を探してるんだが、見立ててもらえるか。もちろんミスリルじゃなくて普通のもので」


 エリナの背中を押して親父の前に出す。こいつじゃない! エリナ! とか言ってるが無視だ。


「ふむ、手を見せてくれるか」


 はい! と元気よく手を出すエリナ。
 返事は良いんだよな返事は。
 保護者として礼儀がしっかりしてるからちょっと誇らしい。
 ガキっぽいところは難点だが。

 親父がエリナの手をじろりと一瞥した後、カウンターの椅子から立ち上がり、陳列棚からダガーを取って持ってくる。


「細身だが、総鋼鉄造りのダガーだ。持ってみろ」

「おー! しっくりきます! 軽いし!」

「諸刃だが、研ぎ方に差をつければ多用途に向く。他のナイフよりは厚く造っていないから強度は期待できないが、刀身は細く、軽量に造ってある。嬢ちゃんには使いやすいだろう」

「いくらだ?」


 冒険者登録証を提示する。
 もちろん色々いわくつきの銀色だ。


「銀貨一枚と銅貨三百五十枚だ」


 ちらっとダガーの置かれていた棚を見ると銀貨一枚と銅貨五百枚のプライスがついていた。一割引きか。


「わかった、買おう」

「装備を更新する時はうちに来い。下取り価格に色を付けてやる」

「ああ、ありがとう」

 俺の登録証に親父の金色の商業ギルドの登録証をかざすと一瞬光った。
 割引の処理かなんかかな?

 ひょっとしたら割引という名目でクズの冒険者の購入履歴を情報化してるのかもしれん。
 凶器から犯人を捜す時に便利とか。
 考えすぎか。

 親父の金色の商業ギルドの登録証の他に、鉛色の鍛冶ギルドの登録証も一緒に鎖についていたが、鍛冶屋として剣や刀を打って、商人として店舗を構えて販売してるのか。

 鞘に収まったダガーを抱えてご機嫌なエリナを連れて隣の防具屋に行く。
 愛想は悪かったけど実直な感じがして良かったな武器屋の親父。
 見立ても良かったし贔屓にするか。

 隣の同じような建物の防具屋に足を踏み入れると、いらっしゃいとの声が。
 隣とはずいぶん違うなと思いながら声をかけてきた店員に問う。


「すまんが、森に採取に行く程度の用途で、簡単な防具や装備があれば見繕ってもらいたい」

「南の森ですか?」


 南? そういや婆さんと出会ったあの森ってなんて名前だっけか? エリナを見るとうんうんと頷いてる。


「そうみたいだ。そこそこ危険なのか?」

「あそこは魔物はほとんど出ませんけれど、ホーンラビットという魔物が稀に出没するので注意は必要ですね」

「強いのか?」

「野犬より強いので、戦闘経験が無い人だと危険だと思います。ただめったには襲って来ませんが」

「魔法が使えればその辺はどうかな?」

「魔法が使えるのでしたら、初級魔法数発で仕留められるので油断さえしなければ大丈夫ですね」

「なるほど、そうなると過剰な防具は必要ないかな?」

「そうですね、このあたりの魔物相手に万が一を考えるなら値段も安い皮鎧あたりでも十分ですけれど、ホーンラビットの角には効果がありませんので、金属製の胸甲とかどうでしょうか?」

「金属鎧か、高そうだな」

「いえ、心臓を護るための胸部のみの装甲です。治癒魔法があれば心臓さえ無事なら何とかなりますから」

「頭部は?」

「頭部も心臓と同じ位に大事なんですけどね。最終決戦の時くらいしか兜は着けないでしょ?」

「何のことかわからん」

「鉢がねみたいに鉢巻きに鉄片を縫い付けた物なんかはたまに見ますけどね、序盤から頭部を保護してるキャラクターって中々いないんですよね」

「序盤? キャラクター?」

「序盤は装備してなかったり、鉢巻き状の物に飾りがついたりしてる物だったりするんですよね。終盤になると兜になったりしますけど、最終装備でも脳天カチ割られそうな飾り付き鉢巻きだけだったりするケースが多いんですよね、これがまた」

「だからなんの話だ」

「冒険者の話ですよね?」

「冒険者って頭部を保護しちゃダメな理由でもあるのか?」

「さー、周囲の音が聞こえにくくなるとか色々あるんじゃないですかね。適当ですけど」

「適当なのかよ! 大事な事だろ」

「まぁ見た目でしょ見た目。で、どうするんですか? 一応見てみますか?」

「お、おう。一応頭部を保護する防具も見たいんだが」

「兵士以外では使う人がいないので取り扱っていません。この町どころか国中探しても売ってないですよ」

「マジか、恐ろしいなファンタジー世界。でも確かにゲームじゃ頭の防具を売ってるけど、漫画になったりした途端いきなり装備しなくなるな。装備してても鉢巻きっぽいのだけだし」

「では色々見繕って持ってきますね」

「頼む」


 店員はちらっと俺とエリナを見ると、店の奥へと消えていった。


「エリナはあまり重い防具を付けられないよなぁ」

「今はそうかもしれないけど頑張るよ!」


 ふんす! と気合を入れるエリナ。だが数日で体つきが変わるわけじゃないしな。

 店内を見渡すと、皮鎧や金属鎧が並んでいるが、やはり売れ行きが良いからなのか皮の胸当てや胸部装甲といった簡易的なものが多い。
 値段もやっぱり結構するな。
 胸当てだけなら銀貨数枚だが、肩当やら付属品が多いとそれだけ高額になる。
 サイズ調整料も部位が増える分がくんと高くなるし。
 盾なんかも置いてあるがまぁ必要は無いだろう。


「お待たせしました」


 店員が商品を乗せたカートを押して戻ってくる。
 皮鎧と皮の胸当て、胸部装甲のそれぞれサイズ違いだ。


「まずは皮鎧です。全身の各重要部位をとりあえず保護したいというならこれが一般的ですね。肩当と手甲もセットですので、一応の防御力は有ります。値段は調整料別で銀貨八枚です」


 皮鎧を持ってみる。
 肩当も本体についてるせいか結構重いなこれ。
 着ちゃえばあまり気にならないんだろうけど、エリナには厳しいだろう。


「次に皮の胸当てです。心臓、肺を守るだけですね。刃物で切り付けられても相当な手練れでもなければ大丈夫かと思いますが、刺突剣などの防御には向きません。ですのでホーンラビットの攻撃を防ぐのは心許ないですね。腹部は無防備ですので注意が必要です。価格は銀貨三枚です、こちらは調整が簡単なので調整料は無料です」


 これは流石に軽いな。
 厚手の服の上に着れば結構良いかも知れない。
 ただホーンラビットとやらの攻撃が防げないというのはネックだな。


「最後は金属製の胸甲です、防御力は折り紙付きですね。お嬢さんのサイズの物は、軽量に作ってありますので、一般的な金属鎧よりは防御力が落ちますが、ホーンラビットの攻撃では傷がつく程度で済むのでお勧めですよ。こちらの値段はお嬢様用で銀貨八枚、大人用で銀貨十二枚です。調整料はサービスいたします」

「やはり結構するな」

「中古品ならお安いんですけど余りお勧めしません。板金しなおした金属はどうしても脆くなるので」

「なるほど、下取りした時は見た目に問題が無くても素性が分からないもんな」

「そうですね、一応簡易的な検査はするのですがどうしても目に見えない瑕疵がありますので」

「重さも意外と軽いんだな。皮の胸当てよりは重いが」

「こちらは軽量に作られているタイプですので。その分お安いですが、ホーンラビット程度の攻撃なら問題無いですよ」

「そっか、じゃあこれを買うかな。一緒に鎧の下に着る服と頑丈な靴なんかも買いたいんだが可能か? ところどころに皮の補強がしてあるような頑丈な奴があるとありがたいんだが」

「ございますよ。上下で銀貨一枚、皮の長靴は底とつま先が鉄板で保護された物を銀貨一枚でサービスしておきます」

「ではそれぞれ二着ずつと一足ずつで頼む」

「ではその服に合わせて胸甲を調整致しますね」


 店員は奥に向かって声を掛けると店員の奥さんだろうか、おばちゃんが服を数着持って出てくる。


「では早速これを着てみてくださいね。お嬢さんから試着室にどうぞ」

「はい!」

「そういやあいつまだ背が伸びるかもしれないんだが」

「ある程度は調整可能ですよ。服の方も十分余裕を持って調整するようにしておきます」

「助かる」

「お兄ちゃん! 見て! どう? 似合う?」


 試着室から麻で出来たらしい厚手の服を来たエリナが飛び出してくる。
 膝や肘などあちこちに皮の補強が入ってる。
 これで銀貨一枚は安いな。

 長靴というかブーツもしっかりとした作りでサイズも合ってるようだ。


「はいはい似合ってる。胸甲を着けてやって貰えるか?」

「はい」


 おばちゃんがエリナに胸甲を付ける。


「どうだエリナ? 重くないか?」

「ちょっと重い感じはするけど、体に密着してるせいかそれほど気にはならないかな!」


 俺はじっとエリナの胸元を見る。


「サイズが変わる心配はいらないかな?」

「ちょっとお兄ちゃん! どこ見て言ったのそれ! 私すぐにばいんばいんになるもん!」

「女性用はある程度湾曲して作られていて、中に緩衝材を入れてますので、成長されても緩衝材を減らす事で対応できますよ」


 おばちゃんが説明してくれる。
 そうか、女性用って確かに胸の部分が膨らんでるが、着てる人のサイズ次第で緩衝材が入るのか。
 勉強になる。
 役に立つ日が来ることは無さそうなだが。


「じゃあばいんばいんになっても良い様に緩衝材が多く入るタイプで頼む」

「かしこまりました。ただある程度密着しないとズレたり重く感じたりしますので、少し多め程度になりますが」


 おばちゃんの台詞を要約すると、エリナの貧しいサイズに合わせて最大限のパッドは入れてやるけど、やり過ぎると不自然になるし着けてて不具合が出るからあまり期待すんなよってところか。


「そのあたりは任せる」

「なんか馬鹿にされてる感じがする!」

「そんなことないぞ。じゃあ次は俺か」


 試着室に入りおばちゃんから渡された服を着る。
 サイズぴったりだな。
 ちらっと見ただけで良くわかるなあの店員。
 試着室から出て、いつのまにか用意されていたブーツを履き、胸甲を着けてもらう。


「たしかに重さはあまり感じないな」

「もう少し調整の余地がありますので、もっと付け心地は良くなると思いますよ」

「うん。これを買うよ。あと武器を下げるベルトも欲しいんだが」

「はい、それぞれ一本サービスいたしますね」

「すまない、助かるよ」

「いえいえ、今後ともよろしくお願いいたしますね」

「ああ、贔屓にさせてもらう」


 それぞれ胸甲を外し、試着室に入り服を脱いでおばちゃんに渡す。


「では調整致しますので三十分後においでください」

「随分早いな」

「胸甲自体は既存のままで、ベルト調整と緩衝材の調整、あとは服の丈だけですからね」

「そうか、では登録証があるのだが」


 首から下げた銀色の登録証を取り出して店員に見せる。


「ク、冒険者ギルドの登録証ですね。まあ採取の話をしてたのでそうかなあとは思っていたのですが」

「今クズって言いかけなかった?」

「総額銀貨二十六枚ですが割引で銀貨二十三枚と銅貨四百枚ですね。銅貨の分はおまけいたしますので銀貨二十三枚で結構です」

「沢山おまけして貰ってありがたいんだけど、ねえさっきクズって......」


 店員に問い正しながら銀貨二十三枚と一緒に登録証を出すと、俺の登録証を確認しながら店員が呟く。


「お名前もク、いえ随分クズな冒険者らしい名字をお持ちなのですね」

「登録証は確かにクズって名字になってるけど、バイト数の問題で本当はクズリューなんですけど。名前の方で呼んで貰っていい? あと今完全にクズって言ったよ。ねえ」


 店員は自分の首に下げられた商業ギルド登録証をかざす。


 <クズッ♪>

 QRコード決済かよ。しかもクズって......。


「ねえ今クズって音がしたよ、ねえ。さっきの店ではそんな音鳴らなかったよ、ねえ」

「では三十分後にまたご来店ください」

「くっそ、たくさんおまけして貰った良い店だけにまた買い物に来ちゃうんだろうな。悔しい、でもおまけ嬉しい」
 
「お兄ちゃんガンバ!」

「お前もクズの組織に所属してるんだからな」

「お前じゃなくてエリナ! あとクズじゃないもん!」


 冒険者ってほんと評判悪いんだなと思わされる出来事だった。
 あと商業ギルドの登録証の名前欄は何バイトあるんだろうか。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ
ファンタジー
無才・貧乏・底辺高校生の稲生アキラ(イナセアキラ)にゲームの悪役貴族が憑依した。 悪役貴族がアキラに話しかける。 「そうか、お前、魂の片割れだな? はははははは!喜べ!魂が1つになれば強さも、女も、名声も思うがままだ!」 アキラは悪役貴族を警戒するがあらゆる事件を通してお互いの境遇を知り、魂が融合し力を手に入れていく。 ある時はモンスターを無双し、ある時は配信で人気を得て、ヒロインとパーティーを組み、アキラの人生は好転し、自分の人生を切り開いていく。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...