ヘタレ転移者 ~孤児院を救うために冒険者をしていたら何故か領地経営をすることになったので、嫁たちとスローライフを送るためにも頑張ります~

茶山大地

文字の大きさ
163 / 317
第八章 ヘタレパパ

第四十五話 魔導公園

しおりを挟む
 左右にハンナとニコラをくっつけて公園に向かってゆっくり歩いていく。歩幅が全然違うからな。
 もし「おにーちゃんと歩くと早くて嫌!」とか言われたら死ねる。

 てくてくと歩いていくと公園の片隅に婆さんとクリスとシル、職員たちと寮生の集団が見えてくる。
 ほぼ全員揃ってるのかな?
 ひーふーみーと職員と寮生の人数を数えていると、両脇にいたハンナとニコラがぱっと俺から手を放し、寮生の方へ向かって走っていく。
 あっ……と慌てて二人に手を伸ばすが、姉妹はあっという間に俺から離れていく。
 普段大人しいのにすんごいスピードで。あれ魔法使ってないか?


「しまった、歩く速度はあれでも早かったか」

「違うよお兄ちゃん。ハンナとニコラは照れてるんだよ。ほら耳が真っ赤!」

「おお、マジだ。よかった嫌われたわけじゃなかったんだな」

「次はもっと長い時間手をつなげるようにならないとね」

「ま、ゆっくりとだな」

「そうだね!」


 クリス、シルたちと合流し、その場にいる全員に乗り物チケット十枚綴りを渡していく。


「いいかー。乗り物一回につき一枚を係員に渡すんだぞ。使い切ったら今日はおしまいだからな。他のガキんちょから取ったりしないように!」

「「「はーい!」」」

「あと全員に銅貨百枚ずつ小遣いを渡すから、のどが乾いたりしたらあそこの軽食販売所で好きなものを買えよ。ただし昼飯は用意してあるから食い過ぎないように! あとでお釣りは回収するからなー」

「「「はーい!」」」


 ガキんちょ一人一人に、紐に通された銅貨百枚の束を一本ずつ渡していく。必要枚数だけ紐から銅貨を抜いて使用するのだ。
 銅貨一枚で日本円で十円くらいの価値だから銅貨百枚の束で千円くらいか。小遣いとしてはちょっと高額だけどこいつら無駄使いしないでお釣りはちゃんと返してくるからな。店も軽食販売所しかないから構わないだろう。
 ただ、銅貨を束で持ち歩かせてると治安の問題も出てきそうだな。公園の中は魔法で対策されてるから変な奴はいないけど。
 市民登録証とかギルド登録証には銀行機能があったから店単位で直接残高から料金を徴収すればいいんだが、システム改修するのに予算が必要そうだしな。
 個人店で導入するにも端末の価格とかもあるし、そのあたりも考えないと。


「年長組は年少組の面倒をちゃんと見るようにな! 銅貨も落とすなよ! 年少組の銅貨は年長組が管理してやれよ! じゃあ昼飯まで自由行動!」

「「「わーい!」」」


 最後は「はい」じゃないのかよ。兄ちゃん返事にはうるさいぞって何度も言ってるのに。まあ今日は乗り物チケット十枚に小遣い付きの大盤振る舞いだし仕方がないか。

 ガキんちょどもは仲良しグループを形成して各々散っていく。クリスやシルもガキんちょどもに誘われて連れていかれる。ハンナとニコラも女の子の友達と魔導観覧車の方へ向かうようだ。
 仲良しグループに入れない子とかいないよな? 心配しながら注意深く観察してみる。特に婆さんはよくハブられてるから注意しないとと思ったが、みんなちゃんとグループに入れたようだ。よかった、仲間外れになる子なんかいなかったんだよ。と安心して俺の周囲を見ると、誰もいない。
 エマを抱いたエリナもミコトを連れたクレアと一緒に魔導観覧車に向かって歩いている。

 あれ? 俺ハブられた?
 いやいや、俺は引率者だ。ガキんちょのグループに入るわけにはいかないし!
 そう言い訳しながら公園の片隅にある軽食販売所に向かう。


「いらっしゃいませ。ファルケンブルク官営軽食販売所魔導公園支店へようこそ」

「すみません、オレンジジュースください」

「はい。銅貨十枚です……ってお客さん! どうしたんですか? 大丈夫ですか?」


 店員がオレンジジュースを注文した俺の顔を見てびっくりしたように声をかけてくる。


「何でもないです。はいこれ銅貨十枚ね」

「滅茶苦茶泣いてるじゃないですか……」


 コトリとオレンジジュースの入った木製のタンブラーを俺の前に置く。


「どうも」

「飲み終わったタンブラーはこちらへお持ちくださいね」


 近くのベンチに腰掛けて、少ししょっぱいオレンジジュースを飲む。
 この大きめのタンブラーで一杯銅貨十枚、日本円で百円相当ってのはお得だな。官営なんであまり利益追及してないってのもあるんだけど。というか店員は公職の人間なのに俺の顔知らなかったっぽいな。新人かな?
 しかしなんちゅー店名だ、しかも魔導公園って。そういやこの公園って名前決めてなかったな。有名になったらネーミングライツで運営資金の足しにできるかな?

 まあいいやと、ぼけーと空を見ながらオレンジジュースをちびちび飲む。
 軽食販売所の店員がたまに心配そうにこちらの様子をうかがってくるけど気にしない。


「む、空か」


 タンブラーが空になったのに気付くと同時に周囲を見回すと、一号が俺に向かってダッシュしてきていた。


「兄ちゃん! 腹減った!」

「ん? もうそんな時間か? というか俺ベンチに座ってオレンジジュース飲んでただけなんだけど」

「もうすぐ昼の鐘が鳴るぞ兄ちゃん」

「じゃあ広い場所で弁当を食うか」

「おう!」


 タンブラーをほっとした表情の店員に返却して、一号と公園内に設けられたフリースペースに行き、マジックボックスから取り出したむしろをキャンピングシート代わりに大量に広げる。
 そういやダッシュエミュー狩りのときに罠に使うために筵を大量に購入したけどもう使ってないんだよな。俺の風縛でもダッシュエミューを捕まえられるようになったから罠の必要がなくなったし、そもそも最近狩りに行ってない。
 星型要塞の城壁建設が始まったらしいけど、門から出てないから状況もわからん。一度視察に行くべきか。


「よし、こんなもんか」

「じゃあみんなを呼んでくる!」

「別に呼びに行かなくても鐘がなれば集まるだろ」


 呼び止める間もなくダッシュで俺の前からいなくなった一号が、すぐにみんなを連れて戻ってくる。
 素早いな。
 戻ってきた連中に弁当箱を順番に渡していく。


「ありがとうな兄ちゃん!」

「全員揃うまでは勝手に食うなよ」

「おう! 飲み物買ってくる!」


 軽食販売所までダッシュする一号。落ち着きがないなあいつ。一番はしゃいでるんじゃないか?


「お兄ちゃん楽しんでる?」


 エマを抱いたエリナが俺に声をかけてくる。すごく充実した笑顔で。


「空が滅茶苦茶綺麗だったぞ。オレンジジュースも少ししょっぱかったけど美味かったし」

「ふーん」

「聞けよアホ嫁。滅茶苦茶充実した午前中だったんだぞ」

「ベンチに座ってただけなのに?」

「そうだよ! 凄くリフレッシュしたんだからな!」

「じゃあ午後はリフレッシュしたお兄ちゃんと遊んであげるからね!」


 にへらと俺をからかうような笑顔を向けるエリナをスルーしつつ、どんどん弁当を配っていく。
 まだ鐘がなってないのに、いつの間にか全員揃ってるな。


「よし、じゃあ食べていいぞ! 飲み物買ってこなかった、お金を使うのに躊躇したって奴は水を配るから取りに来いよ」

「「「はーい!」」」


 何十枚も広げた筵の上に、各々グループを作り座って弁当を食うガキんちょども。
 俺も適当に座ると、エリナとクレアが側に座ってくる。


「はいお兄ちゃん! あーん!」

「おにぎり突き出されてもな。普通おかずじゃないのか?」

「午前中のお返しかな?」

「意味わからん」


 と言いつつ、あーんとエリナの差し出すおにぎりを一口食べる。全部は無理だからな。


「豚角煮おにぎりっぽかったけど具まで到達できなかったぞ嫁」

「お兄ちゃんめんどくさーい」

「うるさい、もう一回あーんしろ」

「はいはい。お兄ちゃんあーん」


 む、二口目でようやく具の豚角煮にたどり着く。滅茶苦茶上手い。八角が無かったから少し香りが弱いけど十分美味い。


「美味いぞ。エリナも食え」

「あーん!」

「お前もめんどくせー!」


 しょうがねえなとおにぎりを差し出すと、ぱくっと一口食べるエリナ。


「あ、これ鶏マヨだ。美味しいよお兄ちゃん」

「鶏マヨは当たりだよな。ツナじゃなくても十分美味い」

「つなまよってのも食べてみたいな!」

「そのうちな」


 あちこちでワイワイと楽しそうに弁当を食べている。
 遠足っていい思い出が無かったけど、こいつらにとっていい思い出になればいいなと思いながら、エリナのしつこいあーん攻撃で腹を満たすのだった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...