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第一章 波乱と契約婚の花嫁生活幕開け
死と希望(1)
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目を開けると、可愛らしい男の子が目の前にいた。2歳から3歳ぐらいだろうか。色とりどりの花を両手にいっぱい抱えている。
「リジーはお母様にお花を摘んできたの」
――リジー?
――お母様?
私はため息をついた。
私は刺されて死んだはずだ。周囲を見たところ豪華な宮殿のようだ。私はここで何をしているのだろう?
「お父様を探しているんでしょう?あっちで見ました」
リジーと言う男の子は両手が花でふさがっているので、首を振って教えてくれた。
「ありがとう。お花、素敵ね」
私は感謝して受け取った。リジー付きと思われるお付きの侍女が慌てて走ってきた。
「王妃様、リジー様がお花をお母様に摘んであげたいとおっしゃるのでお庭で一緒に摘んでいたのですが、申し訳ありません」
私はじっと男の子を見つめた。
――男の子に見えるけれど、この子は女の子ね?
――ここがどこだか分かったわ!20年もしないうちにこの子は女王になるお方かしら。ゾフィー令嬢を救おうとして刺された私は、ジットウィンド枢機卿に罠に嵌められて処刑された王妃になったと言うことかしら。
衝撃のあまりに私は体が震えた。
そして、私は状況を素早く理解した。今よりずっと若かりし頃、ジットウィンド枢機卿は王妃を冤罪で処刑した。
私が何をすべきか?
私はすぐに理解した。生前の父が言っていたのだ。女王を嵌めた証拠の手紙が存在すると。ジットウィンド枢機卿を破滅させれるほどの威力のある証拠があると。
父がその証拠を使わなかったのは、家族を守るためだろう。私と母を守るために父は法廷弁護士の仕事を諦めた。
私は素早く身を翻した。
「大丈夫よ、お花をありがとう」ともう一度振り返って男の子に見える小さな女の子に伝えた。可憐な黄色い花とピンクの花が私の手元にある。ガーベラだ。
花言葉は「希望」だ。
私の夫は浮気をしているはずだ。私は知っている。次の王妃は、処刑された元王妃の侍女になる。今の私は、私の夫の死期も夫の弱点も夫の性癖も知っている。全部知っている事は強みだ。
私は、これから夫に処刑される王妃の身だ。破滅は確定しているが、それでも数十年後に覆せる証拠の存在が、私の心を奮い立たせた。夫を嵌める必要はない。彼は病で死ぬ。次から次に妻を変えたとて、彼は幸せではなかったはずだ。ならばもう、知らない。
私は愛しいスティーブン王子のことを思った。また会えるだろうのだろうか。希望を捨てなければ、恋焦がれたあの方に再会できるかもしれない。
私は夫の第三の執務室と言われる、公にされていない秘密の部屋がある一角を目指した。これは今は知られてなくても、後世ではバレバレの不倫部屋だ。夫に見つかったら激怒されるが、そもそも夫は私の侍女をくどくのにお忙しいはずだ。
スキルが発動できるのか、試しに手の中でスッと炎を出した。ちゃんと炎がゆらめいた。私は安心して、一瞬で消した。
――パンを焼くぐらいはできそうだわ。あとであの女の子にパンを焼いてあげよう。
私はそう思うとウキウキしてきた。刺されて死んだが、ラッキなーことにジットウィンド枢機卿を追い詰められる証拠を手にできそうだ。
第一聖女だったヴィラほどの力はないが、私にもスキルは少しは使える。やってやれないことはない。父も陥れられ、私も嵌められそうになった。
ジットウィンド枢機卿が聖女である私を完全に嵌めるために、ブルク家を裏切ってゾフィー令嬢の殺害を命じていたのだろう。私はゾフィー令嬢に擬態したタイミングで殺されたのだから。
権力に取り憑かれて、法を盾に何でもありとするジットウィンド枢機卿を自由にさせて良いわけがない!
そっと王である夫の部屋に忍び込んだ。すぐ隣に置いてある天蓋つきベッドから獣のような声が聞こえる。夫とその愛人の侍女の声。
はぁっん……ダメっ……イぃぁあっんっ……イっちゃう……
――思いっきりお楽しみ中のようですね。
王妃に100通を超える手紙をよこしたと言われる王は、ターゲットが見つかると手に入れるまでは決して諦めない男だ。
私は後でチャンスがあれば、夫である王に平手打ちをくらわそうと思った。こういう男は女性の敵だからだ。
私はそのままそっと執務机に近寄り、机の上に置かれた手紙一式を集めた。そして、そばに置いてあった空っぽの皮袋に素早く詰め込んだ。
スキルを発動して、机の引き出しの中のありとあらゆる羊皮紙を入れた。これを証拠として隠す場所だが、ニーズベリー城にしよう。少なくとも私はその構造を少なからず知っている。普段は人が滅多に訪れず、訪れるとしても限られた人間しか知らない場所を、私は知っている。そこにスキルで隠そう。
今私がいるのは、おそらく夫である王が大法官から巻き上げた城で、増築と大改修を決行したヴィダー城だ。ここからニーズベリー城までは馬車で行ける。
夫の浮気に激怒した妻を演じて、荷物をまとめてさっさとニーズベリー城に移動しよう。可愛いリジーも連れて、そこでパンを焼いてあげるのだ。
私はこの計画にワクワクした。
窓を開け放って、皮袋の口をしっかりと縛り、窓から外に放り投げた。庭の楡の木のてっぺんに皮袋が引っかかったのを見とどけると、私は天蓋ベッドで身動きを止めた二人に近づいた。
「あら、あなた。お尻丸出しで、あなたの粗末なモノも丸出しですね。いかがなされましたでしょうか。あーら、ジェーン?私の侍女ですのに、私の夫に足を開いているとは、信じがたいほとはしたないことですこと。二人とも覚悟なさいっ!」
私は振り向いた夫を張り倒した。渾身の力で。
ビシッ!
私の手も痛かったので、赤く腫れ上がった夫の頬はもっと痛かっただろう。
「もしかして、ぶたれたのは初めて?この性懲りも無く女性をとっかえひっかえする性悪男。あなたは頭が悪いから、あなたのモノに問題があることに一生気付かないわ」
凍りついたように私を見つめる夫に私はにっこりと優雅に微笑んだ。夫が愛してやまなかったその笑顔を振る舞ったのだ。
「男子が生まれない?子供が授からない?それは全て王にしがみつくあなた側の問題だから。あなたのモノに問題があるのよ」
私は唖然として私を見つめる素っ裸の夫に宣言した。
「後世にあなたの成り下がった下劣な振る舞いは残るわよ。きっちり歴史に刻まれて残るからご安心なさい。あなたは歴史に名を刻む。不名誉でつまらないおつむの足りない一人の哀れな男としてね。法で縛ることを考えたのはいいわ。でも法をいいように利用して、女性を虐げるあなたに待っているのは、哀れな末路です」
どうせ私が乗り移った王妃は処刑される身だ。怖いものなどない。
「出て行きます!」
私は毅然とした態度で部屋を出て行きかけた。
「あぁ、ジェーン?あなたも死ぬわ。間違いないわ、可哀想なジェーン」
私は気品溢れる笑顔を最後に浮かべて、秘密の執務室を後にした。
リジーの手をとり、荷物をまとめて数名の侍女と共に馬車に乗り込んだ。当然、庭の木から例の皮袋を持ってくるのを忘れなかった。
どうやって戻るのか。そんなことは考えつかなかった。私は死んだようだ。でも、こうしてジットウィンド枢機卿を陥れることができる証拠を手に入れたのだ。ならば、まだ期待はできると思った。
「リジーはお母様にお花を摘んできたの」
――リジー?
――お母様?
私はため息をついた。
私は刺されて死んだはずだ。周囲を見たところ豪華な宮殿のようだ。私はここで何をしているのだろう?
「お父様を探しているんでしょう?あっちで見ました」
リジーと言う男の子は両手が花でふさがっているので、首を振って教えてくれた。
「ありがとう。お花、素敵ね」
私は感謝して受け取った。リジー付きと思われるお付きの侍女が慌てて走ってきた。
「王妃様、リジー様がお花をお母様に摘んであげたいとおっしゃるのでお庭で一緒に摘んでいたのですが、申し訳ありません」
私はじっと男の子を見つめた。
――男の子に見えるけれど、この子は女の子ね?
――ここがどこだか分かったわ!20年もしないうちにこの子は女王になるお方かしら。ゾフィー令嬢を救おうとして刺された私は、ジットウィンド枢機卿に罠に嵌められて処刑された王妃になったと言うことかしら。
衝撃のあまりに私は体が震えた。
そして、私は状況を素早く理解した。今よりずっと若かりし頃、ジットウィンド枢機卿は王妃を冤罪で処刑した。
私が何をすべきか?
私はすぐに理解した。生前の父が言っていたのだ。女王を嵌めた証拠の手紙が存在すると。ジットウィンド枢機卿を破滅させれるほどの威力のある証拠があると。
父がその証拠を使わなかったのは、家族を守るためだろう。私と母を守るために父は法廷弁護士の仕事を諦めた。
私は素早く身を翻した。
「大丈夫よ、お花をありがとう」ともう一度振り返って男の子に見える小さな女の子に伝えた。可憐な黄色い花とピンクの花が私の手元にある。ガーベラだ。
花言葉は「希望」だ。
私の夫は浮気をしているはずだ。私は知っている。次の王妃は、処刑された元王妃の侍女になる。今の私は、私の夫の死期も夫の弱点も夫の性癖も知っている。全部知っている事は強みだ。
私は、これから夫に処刑される王妃の身だ。破滅は確定しているが、それでも数十年後に覆せる証拠の存在が、私の心を奮い立たせた。夫を嵌める必要はない。彼は病で死ぬ。次から次に妻を変えたとて、彼は幸せではなかったはずだ。ならばもう、知らない。
私は愛しいスティーブン王子のことを思った。また会えるだろうのだろうか。希望を捨てなければ、恋焦がれたあの方に再会できるかもしれない。
私は夫の第三の執務室と言われる、公にされていない秘密の部屋がある一角を目指した。これは今は知られてなくても、後世ではバレバレの不倫部屋だ。夫に見つかったら激怒されるが、そもそも夫は私の侍女をくどくのにお忙しいはずだ。
スキルが発動できるのか、試しに手の中でスッと炎を出した。ちゃんと炎がゆらめいた。私は安心して、一瞬で消した。
――パンを焼くぐらいはできそうだわ。あとであの女の子にパンを焼いてあげよう。
私はそう思うとウキウキしてきた。刺されて死んだが、ラッキなーことにジットウィンド枢機卿を追い詰められる証拠を手にできそうだ。
第一聖女だったヴィラほどの力はないが、私にもスキルは少しは使える。やってやれないことはない。父も陥れられ、私も嵌められそうになった。
ジットウィンド枢機卿が聖女である私を完全に嵌めるために、ブルク家を裏切ってゾフィー令嬢の殺害を命じていたのだろう。私はゾフィー令嬢に擬態したタイミングで殺されたのだから。
権力に取り憑かれて、法を盾に何でもありとするジットウィンド枢機卿を自由にさせて良いわけがない!
そっと王である夫の部屋に忍び込んだ。すぐ隣に置いてある天蓋つきベッドから獣のような声が聞こえる。夫とその愛人の侍女の声。
はぁっん……ダメっ……イぃぁあっんっ……イっちゃう……
――思いっきりお楽しみ中のようですね。
王妃に100通を超える手紙をよこしたと言われる王は、ターゲットが見つかると手に入れるまでは決して諦めない男だ。
私は後でチャンスがあれば、夫である王に平手打ちをくらわそうと思った。こういう男は女性の敵だからだ。
私はそのままそっと執務机に近寄り、机の上に置かれた手紙一式を集めた。そして、そばに置いてあった空っぽの皮袋に素早く詰め込んだ。
スキルを発動して、机の引き出しの中のありとあらゆる羊皮紙を入れた。これを証拠として隠す場所だが、ニーズベリー城にしよう。少なくとも私はその構造を少なからず知っている。普段は人が滅多に訪れず、訪れるとしても限られた人間しか知らない場所を、私は知っている。そこにスキルで隠そう。
今私がいるのは、おそらく夫である王が大法官から巻き上げた城で、増築と大改修を決行したヴィダー城だ。ここからニーズベリー城までは馬車で行ける。
夫の浮気に激怒した妻を演じて、荷物をまとめてさっさとニーズベリー城に移動しよう。可愛いリジーも連れて、そこでパンを焼いてあげるのだ。
私はこの計画にワクワクした。
窓を開け放って、皮袋の口をしっかりと縛り、窓から外に放り投げた。庭の楡の木のてっぺんに皮袋が引っかかったのを見とどけると、私は天蓋ベッドで身動きを止めた二人に近づいた。
「あら、あなた。お尻丸出しで、あなたの粗末なモノも丸出しですね。いかがなされましたでしょうか。あーら、ジェーン?私の侍女ですのに、私の夫に足を開いているとは、信じがたいほとはしたないことですこと。二人とも覚悟なさいっ!」
私は振り向いた夫を張り倒した。渾身の力で。
ビシッ!
私の手も痛かったので、赤く腫れ上がった夫の頬はもっと痛かっただろう。
「もしかして、ぶたれたのは初めて?この性懲りも無く女性をとっかえひっかえする性悪男。あなたは頭が悪いから、あなたのモノに問題があることに一生気付かないわ」
凍りついたように私を見つめる夫に私はにっこりと優雅に微笑んだ。夫が愛してやまなかったその笑顔を振る舞ったのだ。
「男子が生まれない?子供が授からない?それは全て王にしがみつくあなた側の問題だから。あなたのモノに問題があるのよ」
私は唖然として私を見つめる素っ裸の夫に宣言した。
「後世にあなたの成り下がった下劣な振る舞いは残るわよ。きっちり歴史に刻まれて残るからご安心なさい。あなたは歴史に名を刻む。不名誉でつまらないおつむの足りない一人の哀れな男としてね。法で縛ることを考えたのはいいわ。でも法をいいように利用して、女性を虐げるあなたに待っているのは、哀れな末路です」
どうせ私が乗り移った王妃は処刑される身だ。怖いものなどない。
「出て行きます!」
私は毅然とした態度で部屋を出て行きかけた。
「あぁ、ジェーン?あなたも死ぬわ。間違いないわ、可哀想なジェーン」
私は気品溢れる笑顔を最後に浮かべて、秘密の執務室を後にした。
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