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第一章 追放対策
第三十話
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徹也がクリスに刀夜と話してから一週間程の時が過ぎた。その間に、徹也達は力をつけた。具体的には、魔法を放つことである。
書庫で調べた結果、イメージが重要であることが分かった。そのイメージの仕方も本に載っており、風属性の刀夜と水属性の舞はその本に載っていたイメージの通りにすると、それぞれ風と水を放つことに成功した。
それをコントロールするにはまだまだ研鑽が必要だが、出せるようになっただけでも大きな収穫である。これでまた、対策の幅が広がったからだ。
そんな徹也達であるが、現在クリスの後に続いて歩いている。クリスから、兄が帰ってきたと伝えられたからだ。
その時、徹也はすぐにクリスに面会させてほしいと伝えた。するとクリスは、そう言うと思っていたのですでに伝えてくれていたのだ。
徹也は歩きながら、クリスに改めて感謝を伝えた。
「……クリスさん。その、本当にありがとうございます。ここまでしていただいて……」
「……いえ。大した事はできていないので……。兄との対話も、こうして時間は取ることはできましたが、ここからは私からは兄に何も言えません」
「……クリスさんのお兄さんは、何の大臣なんですか?」
徹也はクリスの答えを聞いた後、クリスにそう問いかけた。クリスの兄と話す上で、何か少しでも知っておきたかったのだ。
「兄は財務大臣です。主にこの国の財政などを担当しています」
「そうなんですか……」
財務大臣と聞いて徹也が初めに思い出したことは、この国が財政難に陥っている事実だった。徹也はこの事実が、財務大臣であるクリスの兄を悩ませているのではないかと思った。
国の財政を担当する財務大臣にとって、財政難は一番辛いと言っても過言ではない。なので徹也は、それに協力できれば力を貸してくれるのではないかと考えた。
(俺に何ができるのかは分からないが、それが交渉材料になる可能性はある。頭に入れておこう)
「……着きました。ここです」
徹也がそんなことを考えていると、クリスが徹也達にそう声をかけた。徹也がその方を見ると、そこには豪華な扉があった。その扉の横には、財務大臣室と書かれた掘られた木がかけられている。
徹也達がそれを見ていると、クリスが前に出て扉をコンコンとノックした。そして、続けてこう言った。
「……兄様。クリスです。申し上げていた人達をお連れしました」
「……入れ」
扉の中から男の声が聞こえて、クリスの言葉に対する返事が返ってきた。クリスはその返事に従い、扉を開いて中に入った。徹也達もクリスの後に続いて財務大臣室の中に入る。
入った先には、男が椅子に座っていた。その姿は貫禄があり、徹也は少したじろいてしまう。そんな徹也達の様子を見ながら、男はクリスに話しかけた。
「……よく来たな。クリス。それで、そちらが?」
「はい。召喚によってこの世界に来られた人達です」
「それは分かっている。名は、ということだ」
男の鋭い声に、徹也だけでなく治伽に舞、刀夜でさえも体を震わせる。顔や体つきを見る限り、男はまだ若い。だが、その若さとは思えない程の威圧感と存在感があった。
そんな状況の中、いち早く持ち直した徹也は、その男に自己紹介をする。
「……才無佐徹也です」
徹也の自己紹介を聞いた治伽に舞、そして刀夜もまた持ち直し、それぞれ男に自己紹介をする。
「……望月治伽です」
「こ、小早川舞……です……」
「……檜前刀夜です。この子達の教師をしています」
一通り自己紹介を終えると、男が椅子から立ち上がった。そして男は、手を差し出して口を開く。
「そうか。私の名はヘンリー・スカーレットだ。よろしく頼む」
その男、ヘンリーはそう名乗り、徹也達に握手を求めた。徹也達は驚きつつも、ヘンリーの握手に応じる。
「……はい。よろしくお願いします」
「「「……よろしくお願いします」」」
徹也、そして治伽と舞と刀夜がヘンリーにそう返事をした。全員がヘンリーと握手を交わすと、ヘンリーはまた椅子に座り直して徹也達に問いかける。
「……それで?私と面会をしたいということらしいが、一体どういった理由で?」
「……ヘンリー財務大臣殿の、力を貸していただきたいのです」
「そう堅くならなくていい。ヘンリーさんで構わない。だが、そうか。私の力を貸してほしい、と……」
ヘンリーは徹也の頼みにそう言うと、ふむと考える素振りを見せた。徹也はヘンリーの答えを、緊張しながら待つ。
少しすると考えが纏まったのか、ヘンリーは考える素振りを止めて徹也に言葉を返した。
「なぜ、私の力を欲するのかは、まだ聞かないでおこう。先に、聞かなければいけないことがある」
ヘンリーは徹也にそう言うと、少し間をつくってからこう言った。
「君、いや、君達は、この国の為に何ができる?」
「……この、国の為……?」
「そうだ。まさか、何も差し出さないで力を貸してもらえるとでも?私の力を君達の為に使うということは即ち、私にも君達の力を使わせろということだ。そしてそれは、君達の力をこのタレン王国の為に使うことと同義。だから問うたのだ。この国の為に何ができるのか、とな」
「っ……!」
徹也はヘンリーのその台詞に、言葉を詰まらせた。徹也はこのような対価を要求されるのは予測していた。そして、その答えを用意していたのだ。
だが、それにも関わらず、徹也はすぐに言葉に出すことができなかった。それだけ、ヘンリーの様子に押されたのである。
「……国の為に何もできない、しないというのなら、その申し出は受け付けない」
「ま、待ってください兄様!それは、あまりにも……!」
ヘンリーがすぐに言葉を返せなかった徹也にそう言うと、クリスがそれに待ったをかけた。しかしヘンリーは、クリスの方に顔を向け、そんなクリスの言葉を否定する。
「非情だとでも?私はそうは思わないが?」
「し、しかし!」
「……止めてくださいクリスさん。ヘンリーさんが言っていることは、何も間違っていません。それに、大丈夫です」
「さ、才無佐君……」
なおもヘンリーに食い下がるクリスに、徹也が手をクリスの前に出して止めに入った。クリスは徹也の言葉と行動によって、次の言葉が遮られる。すると、ヘンリーが徹也に向き直り、口を開いた。
「……ほう。そこまで言うということは、なにかできることがあるとでも?」
徹也はクリスの前に出ていた体をヘンリーの方に向き直し、ヘンリーと向かい合う。そして、一歩前へと出て、ヘンリーに話しかけた。
書庫で調べた結果、イメージが重要であることが分かった。そのイメージの仕方も本に載っており、風属性の刀夜と水属性の舞はその本に載っていたイメージの通りにすると、それぞれ風と水を放つことに成功した。
それをコントロールするにはまだまだ研鑽が必要だが、出せるようになっただけでも大きな収穫である。これでまた、対策の幅が広がったからだ。
そんな徹也達であるが、現在クリスの後に続いて歩いている。クリスから、兄が帰ってきたと伝えられたからだ。
その時、徹也はすぐにクリスに面会させてほしいと伝えた。するとクリスは、そう言うと思っていたのですでに伝えてくれていたのだ。
徹也は歩きながら、クリスに改めて感謝を伝えた。
「……クリスさん。その、本当にありがとうございます。ここまでしていただいて……」
「……いえ。大した事はできていないので……。兄との対話も、こうして時間は取ることはできましたが、ここからは私からは兄に何も言えません」
「……クリスさんのお兄さんは、何の大臣なんですか?」
徹也はクリスの答えを聞いた後、クリスにそう問いかけた。クリスの兄と話す上で、何か少しでも知っておきたかったのだ。
「兄は財務大臣です。主にこの国の財政などを担当しています」
「そうなんですか……」
財務大臣と聞いて徹也が初めに思い出したことは、この国が財政難に陥っている事実だった。徹也はこの事実が、財務大臣であるクリスの兄を悩ませているのではないかと思った。
国の財政を担当する財務大臣にとって、財政難は一番辛いと言っても過言ではない。なので徹也は、それに協力できれば力を貸してくれるのではないかと考えた。
(俺に何ができるのかは分からないが、それが交渉材料になる可能性はある。頭に入れておこう)
「……着きました。ここです」
徹也がそんなことを考えていると、クリスが徹也達にそう声をかけた。徹也がその方を見ると、そこには豪華な扉があった。その扉の横には、財務大臣室と書かれた掘られた木がかけられている。
徹也達がそれを見ていると、クリスが前に出て扉をコンコンとノックした。そして、続けてこう言った。
「……兄様。クリスです。申し上げていた人達をお連れしました」
「……入れ」
扉の中から男の声が聞こえて、クリスの言葉に対する返事が返ってきた。クリスはその返事に従い、扉を開いて中に入った。徹也達もクリスの後に続いて財務大臣室の中に入る。
入った先には、男が椅子に座っていた。その姿は貫禄があり、徹也は少したじろいてしまう。そんな徹也達の様子を見ながら、男はクリスに話しかけた。
「……よく来たな。クリス。それで、そちらが?」
「はい。召喚によってこの世界に来られた人達です」
「それは分かっている。名は、ということだ」
男の鋭い声に、徹也だけでなく治伽に舞、刀夜でさえも体を震わせる。顔や体つきを見る限り、男はまだ若い。だが、その若さとは思えない程の威圧感と存在感があった。
そんな状況の中、いち早く持ち直した徹也は、その男に自己紹介をする。
「……才無佐徹也です」
徹也の自己紹介を聞いた治伽に舞、そして刀夜もまた持ち直し、それぞれ男に自己紹介をする。
「……望月治伽です」
「こ、小早川舞……です……」
「……檜前刀夜です。この子達の教師をしています」
一通り自己紹介を終えると、男が椅子から立ち上がった。そして男は、手を差し出して口を開く。
「そうか。私の名はヘンリー・スカーレットだ。よろしく頼む」
その男、ヘンリーはそう名乗り、徹也達に握手を求めた。徹也達は驚きつつも、ヘンリーの握手に応じる。
「……はい。よろしくお願いします」
「「「……よろしくお願いします」」」
徹也、そして治伽と舞と刀夜がヘンリーにそう返事をした。全員がヘンリーと握手を交わすと、ヘンリーはまた椅子に座り直して徹也達に問いかける。
「……それで?私と面会をしたいということらしいが、一体どういった理由で?」
「……ヘンリー財務大臣殿の、力を貸していただきたいのです」
「そう堅くならなくていい。ヘンリーさんで構わない。だが、そうか。私の力を貸してほしい、と……」
ヘンリーは徹也の頼みにそう言うと、ふむと考える素振りを見せた。徹也はヘンリーの答えを、緊張しながら待つ。
少しすると考えが纏まったのか、ヘンリーは考える素振りを止めて徹也に言葉を返した。
「なぜ、私の力を欲するのかは、まだ聞かないでおこう。先に、聞かなければいけないことがある」
ヘンリーは徹也にそう言うと、少し間をつくってからこう言った。
「君、いや、君達は、この国の為に何ができる?」
「……この、国の為……?」
「そうだ。まさか、何も差し出さないで力を貸してもらえるとでも?私の力を君達の為に使うということは即ち、私にも君達の力を使わせろということだ。そしてそれは、君達の力をこのタレン王国の為に使うことと同義。だから問うたのだ。この国の為に何ができるのか、とな」
「っ……!」
徹也はヘンリーのその台詞に、言葉を詰まらせた。徹也はこのような対価を要求されるのは予測していた。そして、その答えを用意していたのだ。
だが、それにも関わらず、徹也はすぐに言葉に出すことができなかった。それだけ、ヘンリーの様子に押されたのである。
「……国の為に何もできない、しないというのなら、その申し出は受け付けない」
「ま、待ってください兄様!それは、あまりにも……!」
ヘンリーがすぐに言葉を返せなかった徹也にそう言うと、クリスがそれに待ったをかけた。しかしヘンリーは、クリスの方に顔を向け、そんなクリスの言葉を否定する。
「非情だとでも?私はそうは思わないが?」
「し、しかし!」
「……止めてくださいクリスさん。ヘンリーさんが言っていることは、何も間違っていません。それに、大丈夫です」
「さ、才無佐君……」
なおもヘンリーに食い下がるクリスに、徹也が手をクリスの前に出して止めに入った。クリスは徹也の言葉と行動によって、次の言葉が遮られる。すると、ヘンリーが徹也に向き直り、口を開いた。
「……ほう。そこまで言うということは、なにかできることがあるとでも?」
徹也はクリスの前に出ていた体をヘンリーの方に向き直し、ヘンリーと向かい合う。そして、一歩前へと出て、ヘンリーに話しかけた。
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