元ラノベオタクの転生勇者はチートスキルを使わない

辻谷戒斗

文字の大きさ
27 / 36

第二十七話 ローズの兄からの相談

しおりを挟む

「そ、それであの……一体どのようなご用件でしょうか……」

 俺の必死の抵抗も空しく、俺はローズの兄によって生徒指導室の部屋に連行された。
 指導されるようなことは何もしてないと思うんだが……まぁ、十中八九ローズのことだろうけど……。
 正直に言ってしまえばだるい……。

「実は……ミツル・カツラギ。恥を忍んで貴様に相談があってだな……」

「な、なんでしょうか?」

 な、なんて真剣な表情なんだ……。
 もしかして、結構真面目な相談なのか……?

「ローズが……ローズが最近俺に冷たいんだ!!」

 ま、ですよね~。分かってた。分かってたよ。この人が俺に真面目な相談をしてくるわけがないって。
 まぁ、この人からすれば超重要なことかもしれないけどさ~……俺はぶっちゃけどうでもいいんだよな。
 ので、俺は適当に答えることにする!どうか早く終わってくれ!

「き、気のせいじゃないですか?」

「いいや!そんなわけがない!昔はもっとお兄ちゃん、お兄ちゃんって頼ってくれたんだぞ!それが今は、うるさい、邪魔、だぞ!?一体ローズに何があったんだ!」

「あー、それは反抗期じゃないですか?」

「は、反抗期だと!?と、いうことは……ローズが成長しているということか!?」

「そうなんじゃないですか?知らんけど」

「そうかそうか!なら、暖かく見守っているとしよう!助かったぞミツル・カツラギ!」

「いえいえ」

 ローズの兄が握手を求めてきたので、それに応じる。
 よっしゃ!以外と早く話が終わった!
 俺の受け答えうまかったようだな!

「本当に助かった。礼として特別に、ローズと仲良くすることを許そう」

「ええ!?本当ですか!?」

 やったぞ!これでローズと一緒にいても怯えなくて良くなった!
 ローズのお兄さん、以外と優しかったんだな。少し見直した。

「だが、ローズをやるわけではないからな。ローズに手を出した瞬間、貴様の命が尽きると思え」

「わ、分かってますよ。ははは……」

 前言撤回、この人ちっとも優しくない。
 まぁ、ゆるくなっただけマシと考えるべきか……。

「分かっているのならいい。もう戻っていいぞ」

「は、はい。失礼しました」

 ローズの兄にそう告げ、生徒指導の部屋を出る。
 そして、自分の部屋に向かう。
 さて、ボーグンを一発ぶん殴ってやると決めていたものの……どうするか……。
 流石に本気で殴るのはなぁ……。
 よし。話もそんなに長くなかったし、今回はデコピンで勘弁してやるか。
 階段を登り終わり、自分の部屋の前に着いたのでその扉を開ける。

「あ、おかえり。どうだった?有意義な時間になった?僕はその間結構有意義な時間をすごしてたよ」

 そこには、ベッドに寝転んでお菓子らしきものを食べているボーグンの姿があった。
 ……うん。気が変わった。やっぱこいつ本気で殴ろう。そうしよう。

「ボーグンお前歯ぁ食いしばれええええ!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ
ファンタジー
 僕は十年程闘病の末、あの世に。  そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?  幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。   ※画像はAI作成しました。 ※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...