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第一章 入学編
入学編第十一話 一歩
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今日は、竜機操縦士育成学校の生徒たちにとって一週間に一度の休みの日である。
現在、ミリアはラノハの部屋の前にいる。
ヴァルサと話をした日に自分の部屋に入ってから二日、ずっとここから出てきていない。
ラノハはまだ、立ち上がれていなかった。
ミリアはそんなラノハを心配して、ラノハの部屋の前まで来ているというわけだ。
そしてミリアは、ラノハの部屋のドアの前でラノハに声をかけた。
「ラノハ?聞こえてる?」
だが、部屋の中からラノハの声が返ってこない。
メイドさんが朝食を持っていった時には、ちゃんと完食されたお盆が部屋の前に出ていたそうなので、起きていることは間違いないのだが……。
ミリアは、声をかけるだけでなくドアをトントンと叩いた。
「ラノハー?」
だが、それでも全く反応がない。
ミリアはこのままでは埒が明かないと、ラノハの部屋の中に入ることにした。
「ラノハ、入るよー?」
ミリアはそう言い、ラノハの部屋のドアを開けてラノハの部屋に入った。
そこでミリアが見たのは、自分のベットで涙を流しながらうずくまっているラノハの姿だった。
それを見たミリアは驚いて、すぐにラノハの元に駆け寄る。
「どうしたの!?大丈夫!?」
しかし、ラノハはミリアの声に反応せず、ブツブツと独り言を言い続けた。
「俺の……俺のせいで……死んだ……?俺がいなければ……死ななかった……?」
「……ラノハ?」
「……俺が、怖がってる……?逃げている……?一体、何から――」
「ラノハ!」
ミリアはそう声をかけるのと同時に、ラノハの肩を揺らしてこちらを向かせる。
ミリアの方を向いたラノハの顔は、十年間共に暮らしてきたミリアでさえ、見たことがないような泣き顔であり、目に生気がなかった。
そんなラノハの顔を見てギョッとしたミリアであったが、ラノハの声によりすぐに現実に戻された。
「……ミリアか……?」
「っ!うん!そうだよ!」
ミリアがそう返事をした瞬間、ラノハの肩に添えられていたミリアの手が、ラノハの手によって振り払われた。
そしてまたうずくまり、声を出す。
「……出ていってくれ……」
「……え?」
「……今はまだ、一人でいたい……」
「……なんで?」
「……分からないことだらけなんだ……。だから……」
「だから一人にしてほしいって?……はぁ。あのねラノハ。ここ二日ずっと同じことで悩んでるんだったら、もう一人じゃ答えは出ないと思うよ?」
「……だが……」
ミリアはラノハのこの返答を聞いて、またため息を吐いた。
そして、少し悩んだかと思えば、何か思いついた顔を浮かべラノハに話しかけた。
「よし!じゃあデートに行こう!」
「……は?」
ミリアのその突拍子もない言葉に、ラノハは開いた口が塞がらなかった。
無理もない。先程一人でいたいと言ったばかりなのに、デート……外にでかけたいと言うのだから。
「な、何言って……」
「ほらほら。行くよー!」
「ちょっ!」
ミリアは動こうとしないラノハを無理矢理立ち上がらせ、ドアの方に引っ張る。
そしてそのままドア開け、部屋の外に出て、ラノハの足を部屋の外に一歩出させた。
「よし!さあ行こう!」
ミリアがそう言って、ラノハを連れて行こうとした時、いつの間にか近くにいたメイドがミリアに声をかけた。
「ミリアお嬢様。ラノハ坊ちゃまは未だ寝間着です。その格好で外に出られるのは少々……」
「あ……」
……どうやら、外に出るのはもう少しだけ後のことになりそうであった。
現在、ミリアはラノハの部屋の前にいる。
ヴァルサと話をした日に自分の部屋に入ってから二日、ずっとここから出てきていない。
ラノハはまだ、立ち上がれていなかった。
ミリアはそんなラノハを心配して、ラノハの部屋の前まで来ているというわけだ。
そしてミリアは、ラノハの部屋のドアの前でラノハに声をかけた。
「ラノハ?聞こえてる?」
だが、部屋の中からラノハの声が返ってこない。
メイドさんが朝食を持っていった時には、ちゃんと完食されたお盆が部屋の前に出ていたそうなので、起きていることは間違いないのだが……。
ミリアは、声をかけるだけでなくドアをトントンと叩いた。
「ラノハー?」
だが、それでも全く反応がない。
ミリアはこのままでは埒が明かないと、ラノハの部屋の中に入ることにした。
「ラノハ、入るよー?」
ミリアはそう言い、ラノハの部屋のドアを開けてラノハの部屋に入った。
そこでミリアが見たのは、自分のベットで涙を流しながらうずくまっているラノハの姿だった。
それを見たミリアは驚いて、すぐにラノハの元に駆け寄る。
「どうしたの!?大丈夫!?」
しかし、ラノハはミリアの声に反応せず、ブツブツと独り言を言い続けた。
「俺の……俺のせいで……死んだ……?俺がいなければ……死ななかった……?」
「……ラノハ?」
「……俺が、怖がってる……?逃げている……?一体、何から――」
「ラノハ!」
ミリアはそう声をかけるのと同時に、ラノハの肩を揺らしてこちらを向かせる。
ミリアの方を向いたラノハの顔は、十年間共に暮らしてきたミリアでさえ、見たことがないような泣き顔であり、目に生気がなかった。
そんなラノハの顔を見てギョッとしたミリアであったが、ラノハの声によりすぐに現実に戻された。
「……ミリアか……?」
「っ!うん!そうだよ!」
ミリアがそう返事をした瞬間、ラノハの肩に添えられていたミリアの手が、ラノハの手によって振り払われた。
そしてまたうずくまり、声を出す。
「……出ていってくれ……」
「……え?」
「……今はまだ、一人でいたい……」
「……なんで?」
「……分からないことだらけなんだ……。だから……」
「だから一人にしてほしいって?……はぁ。あのねラノハ。ここ二日ずっと同じことで悩んでるんだったら、もう一人じゃ答えは出ないと思うよ?」
「……だが……」
ミリアはラノハのこの返答を聞いて、またため息を吐いた。
そして、少し悩んだかと思えば、何か思いついた顔を浮かべラノハに話しかけた。
「よし!じゃあデートに行こう!」
「……は?」
ミリアのその突拍子もない言葉に、ラノハは開いた口が塞がらなかった。
無理もない。先程一人でいたいと言ったばかりなのに、デート……外にでかけたいと言うのだから。
「な、何言って……」
「ほらほら。行くよー!」
「ちょっ!」
ミリアは動こうとしないラノハを無理矢理立ち上がらせ、ドアの方に引っ張る。
そしてそのままドア開け、部屋の外に出て、ラノハの足を部屋の外に一歩出させた。
「よし!さあ行こう!」
ミリアがそう言って、ラノハを連れて行こうとした時、いつの間にか近くにいたメイドがミリアに声をかけた。
「ミリアお嬢様。ラノハ坊ちゃまは未だ寝間着です。その格好で外に出られるのは少々……」
「あ……」
……どうやら、外に出るのはもう少しだけ後のことになりそうであった。
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