50 / 63
第五章水の精霊
地図
しおりを挟む
別荘と山を購入した私は、早めに宿を探し、受付を済ませておいた。
別荘と山の値段は合わせて白金貨三十枚。
もっとするかと思っていたが、山といっても国境までの半分の範囲であること、別荘が手入れされていないこと、安全面の配慮が特にされていないことなどなど、色々なことを考えて値段引いてもらったらこの価格になった。
ちなみに宿の部屋で数えたのだが、現在私が持っている硬貨は、銀貨六枚、金貨六枚、大金貨九枚、白金貨···五百六十二枚···。
···ヤバくね?
もちろん。白金貨のおかげでお金持ちだーということもあるけど、この白金貨とか私の世界の母国の硬貨、五百円玉とかよりたぶん重いよ?これ百個で一キロぐらいあるんじゃないかな。私そんなものを何普通に運んでるんだよ。嫌だよいつの間にか筋肉ムキムキとかになってたら。
そういえば最近、鞄が硬貨の重さのおかげで悲鳴を上げているように感じなくもない。これはマジックバックに入れるべきだろうか。でもとてもマジックバックがもったいない気がする。なぜならこのマジックバックはジェシーさんがくれたレア中のレアのマジックバックなのだ。
新しい鞄を買うか···でもこの鞄は獣人のブルスさんから頂いたものだ。どうすればいいか···。
···まあ別荘にでも置いとけばいいか。
それより次は何をするんだっけ···あ、地図を貰うんだった。
地図はどこで手に入るのだろう。そう悩んだ時に頼りになるのが冒険者ギルド。冒険者ギルドが迷った人間を助けるというわけではない。冒険者ギルドはいつでも冒険者のサポートを懸命にしている。私も当然助けて貰うのだ。
そういえばこの街に入った時、すぐ近くに冒険者ギルドがあったはずだ。そう思って、宿から出て冒険者ギルドを探せば、見事冒険者ギルドが見つかった!···まあ宿がもともと冒険者ギルドに近かったのだが。
「すみません。地図ってどこで売ってますか?」
受付のお姉さんに尋ねる。ほとんどの冒険者がむさ苦しい男達。そんな男達が冒険者ギルドに大勢居るが、この綺麗な受付のお姉さんはとても癒しだ。そんなことをお姉さんの顔を見ながら考えていると、見過ぎたのかお姉さんは苦笑いをして説明をした。
「冒険者の方ですか?えっと、地図は基本冒険者ギルドや街の役所などにあります。どのような地図をお探しでしょうか。この国と周囲の国の地図、この街の地図、この街の周辺の地図など幅広くあります」
本当に幅広くあるな···。とりあえず今必要な分だけでいいか。
「じゃあ隣国のハイヴェレ王国の地図と、この街周辺の地図を頂けますか?」
「かしこまりました。少々お待ちください。合計で銀貨二枚になります」
私が返事をすると、お姉さんは丁寧にくるまった地図を二つ出した。
だが銀貨二枚は少し高い気がする。なんたって銀貨二枚で宿一泊なのだ。でもこの世界で地図、または紙は結構貴重なのかもしれない。なんだって元の世界と比べたらいけないか。
私は銀貨を出して、地図を受け取った。私の肩幅くらいの長さの地図を広げながらギルドを出る。確かに地図には南の方向に山、そしておそらく国境となる線が描かれていた。確認出来た私は、足早に街を出て、精霊達の所に戻った。戻った私に猛アタックしてきたのは精霊ではなくうーまだ。今回は時間もあまりかからないのでうーまに待ってて貰った。
寂しかったと言いたげな瞳をして見つめてくる。他の精霊達も負けずと甘えて寂しかったアピールをしてくる。甘えたがりで素直な子達だけど、やっぱりそこが可愛い。
「じゃあ、山の別荘に行こっか」
地図を広げながら声をかけると、『おー!』と精霊達の元気のいいかけ声が聞こえてきた。
別荘と山の値段は合わせて白金貨三十枚。
もっとするかと思っていたが、山といっても国境までの半分の範囲であること、別荘が手入れされていないこと、安全面の配慮が特にされていないことなどなど、色々なことを考えて値段引いてもらったらこの価格になった。
ちなみに宿の部屋で数えたのだが、現在私が持っている硬貨は、銀貨六枚、金貨六枚、大金貨九枚、白金貨···五百六十二枚···。
···ヤバくね?
もちろん。白金貨のおかげでお金持ちだーということもあるけど、この白金貨とか私の世界の母国の硬貨、五百円玉とかよりたぶん重いよ?これ百個で一キロぐらいあるんじゃないかな。私そんなものを何普通に運んでるんだよ。嫌だよいつの間にか筋肉ムキムキとかになってたら。
そういえば最近、鞄が硬貨の重さのおかげで悲鳴を上げているように感じなくもない。これはマジックバックに入れるべきだろうか。でもとてもマジックバックがもったいない気がする。なぜならこのマジックバックはジェシーさんがくれたレア中のレアのマジックバックなのだ。
新しい鞄を買うか···でもこの鞄は獣人のブルスさんから頂いたものだ。どうすればいいか···。
···まあ別荘にでも置いとけばいいか。
それより次は何をするんだっけ···あ、地図を貰うんだった。
地図はどこで手に入るのだろう。そう悩んだ時に頼りになるのが冒険者ギルド。冒険者ギルドが迷った人間を助けるというわけではない。冒険者ギルドはいつでも冒険者のサポートを懸命にしている。私も当然助けて貰うのだ。
そういえばこの街に入った時、すぐ近くに冒険者ギルドがあったはずだ。そう思って、宿から出て冒険者ギルドを探せば、見事冒険者ギルドが見つかった!···まあ宿がもともと冒険者ギルドに近かったのだが。
「すみません。地図ってどこで売ってますか?」
受付のお姉さんに尋ねる。ほとんどの冒険者がむさ苦しい男達。そんな男達が冒険者ギルドに大勢居るが、この綺麗な受付のお姉さんはとても癒しだ。そんなことをお姉さんの顔を見ながら考えていると、見過ぎたのかお姉さんは苦笑いをして説明をした。
「冒険者の方ですか?えっと、地図は基本冒険者ギルドや街の役所などにあります。どのような地図をお探しでしょうか。この国と周囲の国の地図、この街の地図、この街の周辺の地図など幅広くあります」
本当に幅広くあるな···。とりあえず今必要な分だけでいいか。
「じゃあ隣国のハイヴェレ王国の地図と、この街周辺の地図を頂けますか?」
「かしこまりました。少々お待ちください。合計で銀貨二枚になります」
私が返事をすると、お姉さんは丁寧にくるまった地図を二つ出した。
だが銀貨二枚は少し高い気がする。なんたって銀貨二枚で宿一泊なのだ。でもこの世界で地図、または紙は結構貴重なのかもしれない。なんだって元の世界と比べたらいけないか。
私は銀貨を出して、地図を受け取った。私の肩幅くらいの長さの地図を広げながらギルドを出る。確かに地図には南の方向に山、そしておそらく国境となる線が描かれていた。確認出来た私は、足早に街を出て、精霊達の所に戻った。戻った私に猛アタックしてきたのは精霊ではなくうーまだ。今回は時間もあまりかからないのでうーまに待ってて貰った。
寂しかったと言いたげな瞳をして見つめてくる。他の精霊達も負けずと甘えて寂しかったアピールをしてくる。甘えたがりで素直な子達だけど、やっぱりそこが可愛い。
「じゃあ、山の別荘に行こっか」
地図を広げながら声をかけると、『おー!』と精霊達の元気のいいかけ声が聞こえてきた。
26
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【状態異常無効】の俺、呪われた秘境に捨てられたけど、毒沼はただの温泉だし、呪いの果実は極上の美味でした
夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ルインは【状態異常無効】という地味なスキルしか持たないことから、パーティを追放され、生きては帰れない『魔瘴の森』に捨てられてしまう。
しかし、彼にとってそこは楽園だった!致死性の毒沼は極上の温泉に、呪いの果実は栄養満点の美味に。唯一無二のスキルで死の土地を快適な拠点に変え、自由気ままなスローライフを満喫する。
やがて呪いで石化したエルフの少女を救い、もふもふの神獣を仲間に加え、彼の楽園はさらに賑やかになっていく。
一方、ルインを捨てた元パーティは崩壊寸前で……。
これは、追放された青年が、意図せず世界を救う拠点を作り上げてしまう、勘違い無自覚スローライフ・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる