R18【同性恋愛】幼馴染み~Thoughts that don't reach me~

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1 想いに気づく時

5 紅の決断【微R】

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 ****Side:青城 紅

 紅は肌を滑る有馬の手に自分の手を重ねた。これ以上はいけないと頭の中で警報が鳴る。自分の懸念は有馬との今後の関係にあるが、恋愛関係でもないのに肉体関係になるのには不安しかない。
 彼が自分から離れていかないというのであれば、身体を差し出すことも厭わないが弄ばれるのは嫌だ。
 有馬は自分の制止をどう受け取ったのだろうか。
「んんッ……」
 紅は有馬に自分自身を握り込まれ、身を捩った。
 拒めないのは彼が好きだからか、それとも依存なのか。
 どちらにせよこのまま先に進んでしまっては後悔すると思った。

「有馬……っ?!」
 自分の思っていることを話そうとした矢先、彼の中指がつぷっと秘部に差し込まれる。入り口にジェルの濡れた感触。
「や……っ……待って……ああああッ」
 奥まで差し込まれた指が引かれ、快感が襲う。
「痛い?」
 優しい瞳がこちらを覗き込む。
 紅はゆっくりと左右に首を振る。
「そうじゃ……なくて」
 ”セフレにされるのは嫌だ”と告げれば驚いた顔。
 自分は有馬には弱いのだ。今回はお試しだと言われても、次に求められれば簡単に足を開くに違いない。しかしそこにあるのは愛ではなく、繋ぎ留めたいという必死な想いだけ。
 それではセフレと何が違うというのだろう?
「紅、俺が求めているのは身体じゃない」
 優しく頬を撫でられ、紅はその手に自分の手を重ねる。

「恋人になろう、紅」
 じっとこちらを見つめる彼の瞳は優しい。
「好きかどうかわからなくてもいい。別れる結末でもいい」
「それは……」
「恋人として過ごして考えたらいい。友達に戻れる。大丈夫だから」
 穏やかな声音が紅の心を揺さぶる。
「本当に?」
「大丈夫」
 きっとその言葉の中には”必ず好きにさせて見せるから”という意味合いが含まれていたのだろうが、紅には分からなかった。

「ん……あッ……やあああッ」
 恋人の承諾をしたばかりの紅に穿たれる彼自身。男として産まれて来た自分は、こんな日が来るなんて想像もしていなかった。
 上気したした有馬を見つめる。自分でこんなに興奮しているのかと思うとなんだか複雑な気持ちになった。
「痛い?」
「痛くはないけど……」
 何度も快感が襲い、おかしくなりそうだ。
「身体を求めているわけじゃないとは言ったけど……俺はずっと紅とこうしたかった」
 有馬の告白に紅は何と答えていいのかわからない。
「ずっと好きだった。誰にも渡したくない」
「有馬……んんッ」
 名前を呼んだその唇を塞がれる。有馬に舌を求められ、紅はおずおずと差し出す。その後何度も求められ、戸惑いながらも紅は応じたのだった。

「俺とこういうことをするのは嫌?」
 一度目の波を迎え、ぐったりする紅に彼は問う。
 嫌も何も、自分は有馬が初めての相手なのだ。比べるものがなければわからない。そのままの気持ちを伝えれば、何故か彼は嬉しそうな顔をした。
 ”そっか”と髪を撫でる彼の手。有馬が自分を好きだというのが嘘ではないと言うのはなんとなく理解はした。しかし、自分はどうなのだろう。
「有馬は俺の気持ちがただの依存でもいいのか?」
「そんなのいいよ」
 彼に抱き寄せられてその胸に顔を埋める。自分が女だったらこんなに悩まずに済んだのだろうか。だが、それも何か違う気がする。背中を撫でる手が温かい。
「有馬は良かった?」
 紅の質問に彼が眉を寄せた。やはり初めての自分では相手としては不足だったのだろうか。
「何言ってんだ。好きな相手としているんだから、最高に決まってるだろ」
「え?」
 不安そうに有馬を見上げていた紅。彼にぎゅっと抱きしめられて戸惑う。

 ──俺はいつか、有馬に同じ好きをあげられるだろうか?

 そんなことを思いながら、彼の背中に手を回す。少なくとも彼は自分に対して愛しさを感じているのだろと思う。では、自分の今の気持ちはなんだろうか。一緒にいるうちにゆっくりと向き合ってくれたらいいと彼は言う。
 焦らずゆっくり行こうと思った。
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