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告。新入生諸君
2 電算部部長という事象 4
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小華の背中を見送ってから、和彦は一同を見回した。
「まあ、ノルマは冗談だけど。どうしてももう一人使える子がほしいのは確かだな。団体戦は足手まといを抱えて勝てるほど簡単じゃない」
とん。と、机の上の文庫本を指先で叩く。
「……うちがどんな部活か。知らないで入ってくるような子じゃ。危なくて団体戦には出せない」
和彦の言葉に宙が頷いた。宙は電算部がどんな部活なのか知らずに入ったクチだ。と、いうよりも『電算部』という言葉の持つ本来の部活をそのまま想像して入部してきたのだ。
電算部=コンピューター部。
そんな常識は女神川学園特戦学部では通用しない。かの学園の[[rb:戦闘系 > ・・・]]『文化部』は主に戦闘強化を目的としている。中でも、歴史が古い女神川学園高校特殊戦闘学部電算部は、コンピュータで再現された仮想空間における模擬戦闘訓練を主な活動としている。とはいえ、郊外活動も多く、週一回以上の外部実習をこなして運営資金を得る自助型の部活だ。ただ、外部実習が(法律的にグレーゾーンで)活動実績として認められないため殆どの戦闘系『文化部』は日輪祭で実績を稼いでいるのだった。
「説明したら……入ってくれますかね?」
特戦学部は授業で実習がある。もちろん、内容は戦闘訓練だ。難易度は学年によって異なるが、消耗・疲労は確実に貯まる。大抵の学生は授業の実習だけで手いっぱいなのだ。それを、敢えて部活でも戦闘訓練に参加しようというもの好き。いや、最早戦闘狂といえるような生徒は多くはない。
部員の獲得にはどの部活も頭を悩ませていることだろう。
「俺なら……入らなかったよ」
宙がぼそり。と、呟いた。それでも、彼は1年間この電算部で生き残ったのは、格闘戦ではポンコツ極まりないけれど、コンピュータの扱いにかけては学園でも5本の指に入るからだ。
そもそも、電算部は何も知らない何の特技もないうえに何の覚悟もない一般の生徒が入って生き残れる部活ではない。
「私は知らなかったけど?」
きょとん。とした表情で雫が言う。彼女は同じ寮に入っている小華に騙されて連れてこられたらしい。けれど、雫は根っからの戦闘狂だから、問題ない。おそらく、小華は彼女のそんな部分を見抜いていたのだ。
「カナちゃんと燈ちゃんは知ってたんでしょ?」
話を振られて、燈ははっとして雫を見た。
「あ……うん」
言葉を濁す。
燈はもちろん、電算部がどんな部活なのか理解していたし、女神川学園高校に入学する前から、電算部に入ることを決めていた。ただ、別に恥ずかしいわけでも、咎めを受けるような理由だというわけでもないけれど、その理由を現2年生に話したことはなかった。
「1年から実戦のバイトできるって聞いてたからな~」
曖昧に応えた燈とは対照的に、鼎は明るく答えた。
先述した通り、戦闘系『文化部』には外部実習がある。普通のスレイヤーがこなすのとほとんど変わらないけれど、危険度の低い仕事を現役スレイヤーの監督官の指導の下でこなすというものだ。黒すれすれのグレーゾーンの実習だけれど、スレイヤーは常に人員不足で、現場はいつでも手が足りていない。残敵処理や、周囲の警戒などに避ける人手はない。そして、スレイヤーは実戦経験が少ないと使い物にならない。卒業後即戦力として使える人材を確保したいという狙いも相まって、本来は安全を確保したうえでの異形の処理しか認められていない外部実習のはずが、低レベルの異形との戦闘・作戦遂行が学生たちの間で半ば公然とバイトとして成立していた。
もちろん、バイトである以上そこには報酬が発生する。一部は部費として使われているが、殆どは参加した部員に還元される。危険は少ないとはいえ、普通のバイトにくらべれば報酬は安くはないので、それを目的に戦闘系『文化部』に所属するものも少なくない。
結果的に戦闘系『文化部』出身者には良質のスレイヤーが多く、OBたちの多くが魔法庁やギルドにおいて発言力を持っているのも、実習が完全に禁止されない理由となっていた。もちろん、もう一つの理由として、何か事故があったとして、大怪我をしたり、最悪命を落としても、自己責任とするという、暗黙の了解をそれぞれが遵守しているからこそ、その慣習は成り立っていた。
「うち、兄弟多いし」
平凡で戦闘が得意なわけでもない鼎が小華のしごきに耐えられるのは、家族を思ってのことだ。小華だって、本当に鼎ができないことを押し付けたりしない。
やめていった者たちは、ほんの少し、『まとも』だったのだと、燈は思う。その『まとも』な部分が、踏み込むことにブレーキをかける。『まとも』であることは悪いことではないし、『まとも』でないことも日常生活においては問題はない。ただ、スレイヤーとして高い場所を目指すなら、その『まとも』さは、足かせにしかならない。
それを知っているから、小華は篩にかけたのだ。『まとも』なスレイヤーを8人育てるよりも、良質なスレイヤーを4人育てることを選んだ。
それを知っているから、現2年生は電算部が好きだし、続けてこられた。
そして、続けてきたことが、彼らの力。なのだ。
「兄弟って言えば……」
ふと、思い出したように、鼎が言った。
「まあ、ノルマは冗談だけど。どうしてももう一人使える子がほしいのは確かだな。団体戦は足手まといを抱えて勝てるほど簡単じゃない」
とん。と、机の上の文庫本を指先で叩く。
「……うちがどんな部活か。知らないで入ってくるような子じゃ。危なくて団体戦には出せない」
和彦の言葉に宙が頷いた。宙は電算部がどんな部活なのか知らずに入ったクチだ。と、いうよりも『電算部』という言葉の持つ本来の部活をそのまま想像して入部してきたのだ。
電算部=コンピューター部。
そんな常識は女神川学園特戦学部では通用しない。かの学園の[[rb:戦闘系 > ・・・]]『文化部』は主に戦闘強化を目的としている。中でも、歴史が古い女神川学園高校特殊戦闘学部電算部は、コンピュータで再現された仮想空間における模擬戦闘訓練を主な活動としている。とはいえ、郊外活動も多く、週一回以上の外部実習をこなして運営資金を得る自助型の部活だ。ただ、外部実習が(法律的にグレーゾーンで)活動実績として認められないため殆どの戦闘系『文化部』は日輪祭で実績を稼いでいるのだった。
「説明したら……入ってくれますかね?」
特戦学部は授業で実習がある。もちろん、内容は戦闘訓練だ。難易度は学年によって異なるが、消耗・疲労は確実に貯まる。大抵の学生は授業の実習だけで手いっぱいなのだ。それを、敢えて部活でも戦闘訓練に参加しようというもの好き。いや、最早戦闘狂といえるような生徒は多くはない。
部員の獲得にはどの部活も頭を悩ませていることだろう。
「俺なら……入らなかったよ」
宙がぼそり。と、呟いた。それでも、彼は1年間この電算部で生き残ったのは、格闘戦ではポンコツ極まりないけれど、コンピュータの扱いにかけては学園でも5本の指に入るからだ。
そもそも、電算部は何も知らない何の特技もないうえに何の覚悟もない一般の生徒が入って生き残れる部活ではない。
「私は知らなかったけど?」
きょとん。とした表情で雫が言う。彼女は同じ寮に入っている小華に騙されて連れてこられたらしい。けれど、雫は根っからの戦闘狂だから、問題ない。おそらく、小華は彼女のそんな部分を見抜いていたのだ。
「カナちゃんと燈ちゃんは知ってたんでしょ?」
話を振られて、燈ははっとして雫を見た。
「あ……うん」
言葉を濁す。
燈はもちろん、電算部がどんな部活なのか理解していたし、女神川学園高校に入学する前から、電算部に入ることを決めていた。ただ、別に恥ずかしいわけでも、咎めを受けるような理由だというわけでもないけれど、その理由を現2年生に話したことはなかった。
「1年から実戦のバイトできるって聞いてたからな~」
曖昧に応えた燈とは対照的に、鼎は明るく答えた。
先述した通り、戦闘系『文化部』には外部実習がある。普通のスレイヤーがこなすのとほとんど変わらないけれど、危険度の低い仕事を現役スレイヤーの監督官の指導の下でこなすというものだ。黒すれすれのグレーゾーンの実習だけれど、スレイヤーは常に人員不足で、現場はいつでも手が足りていない。残敵処理や、周囲の警戒などに避ける人手はない。そして、スレイヤーは実戦経験が少ないと使い物にならない。卒業後即戦力として使える人材を確保したいという狙いも相まって、本来は安全を確保したうえでの異形の処理しか認められていない外部実習のはずが、低レベルの異形との戦闘・作戦遂行が学生たちの間で半ば公然とバイトとして成立していた。
もちろん、バイトである以上そこには報酬が発生する。一部は部費として使われているが、殆どは参加した部員に還元される。危険は少ないとはいえ、普通のバイトにくらべれば報酬は安くはないので、それを目的に戦闘系『文化部』に所属するものも少なくない。
結果的に戦闘系『文化部』出身者には良質のスレイヤーが多く、OBたちの多くが魔法庁やギルドにおいて発言力を持っているのも、実習が完全に禁止されない理由となっていた。もちろん、もう一つの理由として、何か事故があったとして、大怪我をしたり、最悪命を落としても、自己責任とするという、暗黙の了解をそれぞれが遵守しているからこそ、その慣習は成り立っていた。
「うち、兄弟多いし」
平凡で戦闘が得意なわけでもない鼎が小華のしごきに耐えられるのは、家族を思ってのことだ。小華だって、本当に鼎ができないことを押し付けたりしない。
やめていった者たちは、ほんの少し、『まとも』だったのだと、燈は思う。その『まとも』な部分が、踏み込むことにブレーキをかける。『まとも』であることは悪いことではないし、『まとも』でないことも日常生活においては問題はない。ただ、スレイヤーとして高い場所を目指すなら、その『まとも』さは、足かせにしかならない。
それを知っているから、小華は篩にかけたのだ。『まとも』なスレイヤーを8人育てるよりも、良質なスレイヤーを4人育てることを選んだ。
それを知っているから、現2年生は電算部が好きだし、続けてこられた。
そして、続けてきたことが、彼らの力。なのだ。
「兄弟って言えば……」
ふと、思い出したように、鼎が言った。
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