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中編④
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お父様とキャサリンはお店に当たり前のように居座り文句を言い出した。
「もっと金をかけて店内を豪華にみせないと良い客は来ないぞ」
「わたしはもっとぉ可愛らしいピンクとか白を基調にしたお店がいいわ。わたしに似合う可愛いフリルや小物、宝石を沢山置いてわたしの可愛いさをもっとみんなに見てもらいたいの。やっぱり可愛いわたしがお店に居るだけで可愛い物たちも引き立つと思うの、ねっ?」
満面の笑みで微笑むキャサリン。
ーー何を言いたいのかよくわからないわ。
「あとぉ、お姉様ぁ、早く画家を呼んでちょうだい。わたしの可愛い絵を沢山描いてもらって早く売り出したいの」
甘えた声を出すキャサリン。
ーーどうして自分を描いた絵が売れると思うのかしら?
「おお、それはいい考えだ。うちの可愛いキャサリンの絵ならみんなどんどん買ってくれるだろう」
わたしとハンクスは二人の馬鹿馬鹿しい会話をうんざりしながら黙って聞いていた。
二人のこの面白くもない芝居じみた話を聞いていると頭が痛くなる。ハンクスは初めはニコニコしていたが、お父様を見つめる目は冷たく射殺しそうな視線をお父様に何度も送っていた。もちろん能天気なお父様には全く気づかれていない。
このお店をもらったつもりでご機嫌でいるんだもの。
ハンクスの実家を陥れたのはもちろんこの目の前にいるお父様だった。
元子爵家の領地の農作物が不作で食糧難になり困っていることを知り、快く支援して食糧を安い値段で売ったのがお父様だった。
初めは良好な関係を築いて侯爵である父を信頼していたハンクスの父親。金銭的に余裕がなかった子爵は一応何か担保をと言うことになりハンクスのところで唯一お金になる鉱山を担保にした。
お父様はその鉱山を狙っていた。
食糧の値段を少しずつ値上げしていきもうこれ以上支払いはできないところまで追い詰めて最後は鉱山を手に入れた。
子爵家は全ての財産をお父様に吸い取られ平民になり一家離散。
子爵家の領地は侯爵家のものになってしまった。
子爵は今も行方不明。夫人は精神的にも肉体的にも病んでしまいご実家の田舎に引き取られ今も療養中。年老いた平民の両親は娘を引き取るのが精一杯だったらしい。
娘は行くところがなく孤児院に入れられた。
そして息子のハンクスは13歳で平民になり、苦労しながら色んなところを渡り歩きなんとか仕事をしながら生きてきた。
わたしとハンクスが出会ったのは偶然であり必然だった。
復讐を狙いコックス侯爵の周辺を探っていたハンクスといつかコックス侯爵から逃げ出そうと試行錯誤していたわたし。
アリス商団を作るきっかけになったのもハンクスの商才を目にしたからだった。
祖父母の屋敷で使用人として働いていたハンクスは祖父母に頼まれパトロンになっていた画家や芸術家の世話をしていた。わたしもまた彼らの作品に触れ、これらを輩出するための場所を作り出そうと祖父母と動いていた。
商団を作ること、売り出し方、一人一人の魅力をどうやって売り手に伝えるか、素人のわたし達にアドバイスしてくれたのがハンクス。お金を出したのはもちろん祖父母。
そしてそのオーナーとして代表になったのがわたし。
わたしは商才はないけどお金の管理は得意だった。そして芸術家に触れていたおかげで見極めるのが得意だった。
作品の素晴らしさや目利きだけなら負けない自負がある。自分で創り出せないのだけど。
こうしてハンクスと共にアリス商団を作り上げて大きくしてきた。
祖父母と伯母様の嫁ぎ先の公爵家が後ろ盾になってくれたおかげで。
わたしとハンクスの想いは一つ。
この侯爵家を潰すこと。そして平民になるであろうこの人達がもう二度とわたし達の前に現れないように徹底的に潰すこと。
そのためにこのお店を作った。
今置いてあるものは名もない作品ばかり。
わたしの大切な芸術家の作品は一つもない。
この人たちのためにわたしの大切な人達が汚されるなんて絶対に嫌。だから昨日のうちに入れ替えた。
ここにあるのはサンプル作品。わたしがこんなものが欲しいとわたしが試作品として作ったもので、とてもではないが売り物にはならない物ばかり。
本物は全てアリス商団の印がどこかに押されている。
ここにあるのは偽物。
お父様達にはこのお店のオーナーになってもらい偽物を売ってもらい犯罪者になってもらう。
ふふふっ。
平民落ちくらいではまた何をするかわからない。わたしや祖父母にたかってくるかもしれない。
しっかり犯罪者になってもらって罪を償ってもらわなければ。
ハンクスの実家や他の低位貴族達にした仕打ちも、表面的には犯罪ではない。きちんと正式な書類を交わし合意のもと契約して、騙して奪っている。
罪に問えない。
ならば今度はきちんと罪に問わなければ。
金銭的に追い込まれた侯爵家にチラつかせたお金になりそうな美術品達。(見た目だけは)
わたしから奪うのは当たり前だと思っているこの人達にわたしは抵抗しつつも悲しげに奪われる。
「ここの売り上げはわたしが管理しよう」
お父様がさも当たり前のように言い出した。
「ここはわたしのお店です」
抵抗するわたしに威圧的な態度を取るお父様。
「お前は父親の言うことを聞けないのか?」
ーーわたし、籍を抜かれてあなた達とは戸籍上他人ですよね?
「ですが………」
「ええい!うるさい!退け!」
わたしが何か言い返そうとしたらわたしの腕を掴み椅子から引き摺り、床に叩きつけられた。
「あっ……」
ーー痛っ。
ハンクスが怒りでお父様に掴みかかろうとしたのを見て、首を横に振った。
ーー何があっても手は出さないで!
わたしはハンクスに目で訴えた。ここで手を出されればハンクスが捕まる。
いくら落ちぶれて借金まみれでもまだ侯爵なのだ。こんな人達のために捕まるなんて絶対に嫌!
わたしはこの人達の暴力に慣れている。死ぬことはない。痛みも数日我慢すればいいだけ。
ハンクスには証人になってもらわなければ。
耐えて!わたしが目で訴えると唇を噛み締めて悔しそうに耐えてくれている。
ハンクスには事前に伝えておいた。あの人達はわたしに暴力を振るうだろうけど助けないで欲しいと、死ぬことはないからと。
だけどハンクスはわたしが本当に暴力を振るわれるところを見たことがなかった。だから目の前で叩かれたりする姿にやはり耐えられなかった。
「やめてください!」
お父様がわたしを蹴っているのを見て、わたしに覆い被さった。
「蹴るならわたしにしてください」
「ほう、アリスティアの代わりにお前が蹴られたいのか?いいだろう、思う存分蹴ってやる」
お父様はハンクスを蹴り出した。
それを座って見ていたキャサリンは愉しそうに笑う。
「やめて!ハンクスを蹴らないで!」
わたしが泣きながら懇願するのにお父様はやめてくれない。
借金で首が回らなくなりイライラしていたお父様は、そのストレスをわたしやハンクスを痛めつけることで発散しようとしていた。
わたしが苦しめば苦しむほど喜ぶ。
カランカラン。
玄関の扉についた鈴の音が聞こえた。
お父様は蹴るのをやめた。
「いらっしゃいませ」
お客様にやわらかい声を出して迎えた。
「いらっしゃいませ、何をお求めですかぁ?」
甘ったるい声でキャサリンも接客を始める。
わたしとハンクスはお客様には見えない場所に横たわっていた。
「ハンクス………ごめんなさい。……大丈夫?」
泣きそうな顔でわたしが聞くとハンクスは痛いのを我慢してにこりと笑った。
「よかった、こんな痛い思いをアリスティアがしなくて……」
わたしの頬にそっと手が触れた。
ーー涙?
ハンクスはわたしの涙を優しく拭いてくれた。
もう泣くことなんてないと思っていたのに。まだ涙は枯れていなかった。
「もっと金をかけて店内を豪華にみせないと良い客は来ないぞ」
「わたしはもっとぉ可愛らしいピンクとか白を基調にしたお店がいいわ。わたしに似合う可愛いフリルや小物、宝石を沢山置いてわたしの可愛いさをもっとみんなに見てもらいたいの。やっぱり可愛いわたしがお店に居るだけで可愛い物たちも引き立つと思うの、ねっ?」
満面の笑みで微笑むキャサリン。
ーー何を言いたいのかよくわからないわ。
「あとぉ、お姉様ぁ、早く画家を呼んでちょうだい。わたしの可愛い絵を沢山描いてもらって早く売り出したいの」
甘えた声を出すキャサリン。
ーーどうして自分を描いた絵が売れると思うのかしら?
「おお、それはいい考えだ。うちの可愛いキャサリンの絵ならみんなどんどん買ってくれるだろう」
わたしとハンクスは二人の馬鹿馬鹿しい会話をうんざりしながら黙って聞いていた。
二人のこの面白くもない芝居じみた話を聞いていると頭が痛くなる。ハンクスは初めはニコニコしていたが、お父様を見つめる目は冷たく射殺しそうな視線をお父様に何度も送っていた。もちろん能天気なお父様には全く気づかれていない。
このお店をもらったつもりでご機嫌でいるんだもの。
ハンクスの実家を陥れたのはもちろんこの目の前にいるお父様だった。
元子爵家の領地の農作物が不作で食糧難になり困っていることを知り、快く支援して食糧を安い値段で売ったのがお父様だった。
初めは良好な関係を築いて侯爵である父を信頼していたハンクスの父親。金銭的に余裕がなかった子爵は一応何か担保をと言うことになりハンクスのところで唯一お金になる鉱山を担保にした。
お父様はその鉱山を狙っていた。
食糧の値段を少しずつ値上げしていきもうこれ以上支払いはできないところまで追い詰めて最後は鉱山を手に入れた。
子爵家は全ての財産をお父様に吸い取られ平民になり一家離散。
子爵家の領地は侯爵家のものになってしまった。
子爵は今も行方不明。夫人は精神的にも肉体的にも病んでしまいご実家の田舎に引き取られ今も療養中。年老いた平民の両親は娘を引き取るのが精一杯だったらしい。
娘は行くところがなく孤児院に入れられた。
そして息子のハンクスは13歳で平民になり、苦労しながら色んなところを渡り歩きなんとか仕事をしながら生きてきた。
わたしとハンクスが出会ったのは偶然であり必然だった。
復讐を狙いコックス侯爵の周辺を探っていたハンクスといつかコックス侯爵から逃げ出そうと試行錯誤していたわたし。
アリス商団を作るきっかけになったのもハンクスの商才を目にしたからだった。
祖父母の屋敷で使用人として働いていたハンクスは祖父母に頼まれパトロンになっていた画家や芸術家の世話をしていた。わたしもまた彼らの作品に触れ、これらを輩出するための場所を作り出そうと祖父母と動いていた。
商団を作ること、売り出し方、一人一人の魅力をどうやって売り手に伝えるか、素人のわたし達にアドバイスしてくれたのがハンクス。お金を出したのはもちろん祖父母。
そしてそのオーナーとして代表になったのがわたし。
わたしは商才はないけどお金の管理は得意だった。そして芸術家に触れていたおかげで見極めるのが得意だった。
作品の素晴らしさや目利きだけなら負けない自負がある。自分で創り出せないのだけど。
こうしてハンクスと共にアリス商団を作り上げて大きくしてきた。
祖父母と伯母様の嫁ぎ先の公爵家が後ろ盾になってくれたおかげで。
わたしとハンクスの想いは一つ。
この侯爵家を潰すこと。そして平民になるであろうこの人達がもう二度とわたし達の前に現れないように徹底的に潰すこと。
そのためにこのお店を作った。
今置いてあるものは名もない作品ばかり。
わたしの大切な芸術家の作品は一つもない。
この人たちのためにわたしの大切な人達が汚されるなんて絶対に嫌。だから昨日のうちに入れ替えた。
ここにあるのはサンプル作品。わたしがこんなものが欲しいとわたしが試作品として作ったもので、とてもではないが売り物にはならない物ばかり。
本物は全てアリス商団の印がどこかに押されている。
ここにあるのは偽物。
お父様達にはこのお店のオーナーになってもらい偽物を売ってもらい犯罪者になってもらう。
ふふふっ。
平民落ちくらいではまた何をするかわからない。わたしや祖父母にたかってくるかもしれない。
しっかり犯罪者になってもらって罪を償ってもらわなければ。
ハンクスの実家や他の低位貴族達にした仕打ちも、表面的には犯罪ではない。きちんと正式な書類を交わし合意のもと契約して、騙して奪っている。
罪に問えない。
ならば今度はきちんと罪に問わなければ。
金銭的に追い込まれた侯爵家にチラつかせたお金になりそうな美術品達。(見た目だけは)
わたしから奪うのは当たり前だと思っているこの人達にわたしは抵抗しつつも悲しげに奪われる。
「ここの売り上げはわたしが管理しよう」
お父様がさも当たり前のように言い出した。
「ここはわたしのお店です」
抵抗するわたしに威圧的な態度を取るお父様。
「お前は父親の言うことを聞けないのか?」
ーーわたし、籍を抜かれてあなた達とは戸籍上他人ですよね?
「ですが………」
「ええい!うるさい!退け!」
わたしが何か言い返そうとしたらわたしの腕を掴み椅子から引き摺り、床に叩きつけられた。
「あっ……」
ーー痛っ。
ハンクスが怒りでお父様に掴みかかろうとしたのを見て、首を横に振った。
ーー何があっても手は出さないで!
わたしはハンクスに目で訴えた。ここで手を出されればハンクスが捕まる。
いくら落ちぶれて借金まみれでもまだ侯爵なのだ。こんな人達のために捕まるなんて絶対に嫌!
わたしはこの人達の暴力に慣れている。死ぬことはない。痛みも数日我慢すればいいだけ。
ハンクスには証人になってもらわなければ。
耐えて!わたしが目で訴えると唇を噛み締めて悔しそうに耐えてくれている。
ハンクスには事前に伝えておいた。あの人達はわたしに暴力を振るうだろうけど助けないで欲しいと、死ぬことはないからと。
だけどハンクスはわたしが本当に暴力を振るわれるところを見たことがなかった。だから目の前で叩かれたりする姿にやはり耐えられなかった。
「やめてください!」
お父様がわたしを蹴っているのを見て、わたしに覆い被さった。
「蹴るならわたしにしてください」
「ほう、アリスティアの代わりにお前が蹴られたいのか?いいだろう、思う存分蹴ってやる」
お父様はハンクスを蹴り出した。
それを座って見ていたキャサリンは愉しそうに笑う。
「やめて!ハンクスを蹴らないで!」
わたしが泣きながら懇願するのにお父様はやめてくれない。
借金で首が回らなくなりイライラしていたお父様は、そのストレスをわたしやハンクスを痛めつけることで発散しようとしていた。
わたしが苦しめば苦しむほど喜ぶ。
カランカラン。
玄関の扉についた鈴の音が聞こえた。
お父様は蹴るのをやめた。
「いらっしゃいませ」
お客様にやわらかい声を出して迎えた。
「いらっしゃいませ、何をお求めですかぁ?」
甘ったるい声でキャサリンも接客を始める。
わたしとハンクスはお客様には見えない場所に横たわっていた。
「ハンクス………ごめんなさい。……大丈夫?」
泣きそうな顔でわたしが聞くとハンクスは痛いのを我慢してにこりと笑った。
「よかった、こんな痛い思いをアリスティアがしなくて……」
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