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第一部: 終わりと始まりの日 - 第三章: 二人で踏む雪原にて
第八話: それは錘の一刺
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エクササイズ用のバランスボールを一回り大きくした程度――直径八十センチほどの粘体怪物・バルバスの落とし子は、未だに十体近くも数を残す。
僕を取り囲んだそいつらが、飽きることなく触手による槍衾を繰り出していた。
それらをギリギリで躱せば、別方向より腐食液を浴びせかけられる。
飛び散った飛沫だけでもクマの毛皮に穴を空け、場合によっては皮膚にも激しい損傷を及ぼす厄介極まりない攻撃だ。
「ハッ! こんなもの、直撃したら只じゃ済まないだろうな。火の精霊に我は請う……」
一つのミスも許されない綱渡りのような立ち回りの中、隙を衝いて火の精霊術で反撃を試みる。
幸い、奴らの回避脳力は拙く、請願する間さえあれば一度に一体ずつ焼き尽くしていける。
火の精霊術による火種を粘体内の奥深くへ撃ち込み、全火力を以て芯から燃やす。
それが最も有効な攻撃だと判明し、ようやく戦いの流れもこちらに傾いてきたかと思われた。
『火種を埋め込んで点火するまで、至近距離でやらないといけないのが骨なんだけど、ね』
また一体、体内に生じた猛火でバルバスの落とし子が燃え弾ける。
僕は小さく息を吐きつつ、次のチャンスに向け、ちらりと周囲の様子を窺った。
そのときだ。高波の如く美須磨を飲み込まんとする親バルバスの姿を視界の端に捉えたのは。
「月子くん! くっ、邪魔だ! どけえ!」
我知らず一切の余裕が失われる。
風の精霊術【高飛び】で落とし子の群れを飛び越し、眼下を埋め尽くさんばかりに蠢く巨大な黒団子を一片も残さず吹き飛ばしてやるつもりで全力の請願を詠じ始める。
「風の精霊に我は請う、たつま――」
――ドゴオオオオオッッッ!!
しかし、僕の声を遮るかのように、突如として親バルバスの粘体が内側より弾け飛んだ。
唸りを上げながら遙か上空へ向かって大きな何かが飛んでいく。
後に残るは直径二メートルの真円形にぽっかり空いた穴……その向こうに美須磨の姿はあった。
「放しなさい」
バルバスの巨体に空いた大穴は、驚異的な再生力により見る見るうちに塞がっていくが――。
――ドゴオオオッ!!
再度、射出された物体――円錐形の石杭によって再生した以上の体積を抉り取られてしまう。
「それを、返してください」
おそらく人の言葉など解しはしないだろう不定形生物は、当然ながら彼女の言葉を無視し――。
――ドゴオッ!!
三度、身を抉られる怪物……されど、前の二発とは異なり、遠くへと飛び去ってゆくことなく、その場に留まったまま高速で回転し続ける岩の大杭は、傷を塞ごうとして押し寄せる粘液組織を絡め取り、引きちぎり、もはや再生など許さない。
それはドリル……いや、紡錘――糸紡ぎに用いられる錘のようにも見えた。
「それは大切なもの……返してもらいます!」
美須磨が放った怒気に呼応するかのように回転速度を上げ、命じてもいないだろうに少しずつ大きさをも増していく錘が、次第に甲高い音を発し、大気との摩擦により赤熱し始めた頃……。
――て……ぇり……。り……。
磔を逃れようと四方へ広がり、触手を忙しそうに伸び縮みさせていたバルバスは、びくん!と全体を一つ跳ねさせたのを最後にその蠕動を止める。
やがて、表面がどろっとした液体と化し、雪面へと流れ出し始めた。
同時に、まだ五六体ばかり残っていた落とし子らもすべて雪上の液溜まりへと変わってゆく。
「地の精霊に我は請う――」
美しく透き通った少女の声が響くと、回転し続けていた錘はゆっくりと動きを止め、先端からバラバラの石片となって崩れ……気付けば、雪上に敷き詰められた一面の石畳を成している。
もう聞こえてくるのは吹きすさぶ風雪の音ばかり。
あきらかに異質な、硬い足音をカツンカツンと鳴らしながら少女は歩を進める。
石畳の外れ、そこにそれは転がっていた。
虹色に光る黒い沼――バルバスの死骸に半ば浸かっていてさえ雪よりも白く……。
優美な純白の刃を持つ短刀である。
拾い上げて汚れを拭い、刀身の状態を確かめると、美須磨はほっと小さな息を漏らす。
そうして、両手で胸元に抱き締めた。
「それを取り戻したくて、戦うことに拘ったのかい?」
落とし子どもの全滅を見届け、彼女の下へと歩み寄った僕は、そう問いかける。
「はい、松悟さんが私にくださった大切な物ですから」
心なしか、いつもよりも深く柔らかい微笑みと共に、そんな言葉が返ってきた。
まさか、そんなに気に入ってくれていたとは……不意打ちの表情に見惚れかけたせいもあって不思議な感動が込み上げてきてしまう。
僕は、無性に熱くて堪らない顔を少しでも冷まそうと、かじかんだ指で頬を掻くのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
帰途については、怖れていた吹雪の影響もなく、真っ直ぐ拠点へと辿り着くことができた。
ただし、それでも【環境維持(個人用)】の効果が切れそうなギリギリとなってしまったのは、今後に向けて重く受け止めなければならないだろう。
正直に言えば、三時間という制限時間は余りにも心許ない。
今日のように予定外の出来事があれば、すぐに足が出てしまうこととなる。
もちろん、余裕を持って帰還できるよう、これまで十分に気を付けてきたつもりだ。
が、今回は呼吸困難、頭痛、吐き気……等、高山病の兆候を二人揃って強く感じるところまで追い詰められており、まだまだ見込みが甘かったと認めざるを得ない。
特に、戦闘で風の精霊術を多用してしまったのは明らかな失敗と言える。
『現在の僕たちにとって必須だってのに、移り気で付き合いづらいんだよな、風の精霊は』
そんなこんなで今回の顛末だ。
激しい戦闘による疲労と緊張に加え、前述の軽い高山病が併さった僕と美須磨は体調を崩し、翌日を丸々、静養だけに充てなければならなくなった。
お蔭で次の朝にはすっかり快復し、結果的には良い骨休めと言えなくもないが。
ちなみに、あの団子野郎を倒して得られた物は何一つなかった。
……もしも次に出くわすことがあったら絶対に相手せず、即行で逃げるとしよう。
僕を取り囲んだそいつらが、飽きることなく触手による槍衾を繰り出していた。
それらをギリギリで躱せば、別方向より腐食液を浴びせかけられる。
飛び散った飛沫だけでもクマの毛皮に穴を空け、場合によっては皮膚にも激しい損傷を及ぼす厄介極まりない攻撃だ。
「ハッ! こんなもの、直撃したら只じゃ済まないだろうな。火の精霊に我は請う……」
一つのミスも許されない綱渡りのような立ち回りの中、隙を衝いて火の精霊術で反撃を試みる。
幸い、奴らの回避脳力は拙く、請願する間さえあれば一度に一体ずつ焼き尽くしていける。
火の精霊術による火種を粘体内の奥深くへ撃ち込み、全火力を以て芯から燃やす。
それが最も有効な攻撃だと判明し、ようやく戦いの流れもこちらに傾いてきたかと思われた。
『火種を埋め込んで点火するまで、至近距離でやらないといけないのが骨なんだけど、ね』
また一体、体内に生じた猛火でバルバスの落とし子が燃え弾ける。
僕は小さく息を吐きつつ、次のチャンスに向け、ちらりと周囲の様子を窺った。
そのときだ。高波の如く美須磨を飲み込まんとする親バルバスの姿を視界の端に捉えたのは。
「月子くん! くっ、邪魔だ! どけえ!」
我知らず一切の余裕が失われる。
風の精霊術【高飛び】で落とし子の群れを飛び越し、眼下を埋め尽くさんばかりに蠢く巨大な黒団子を一片も残さず吹き飛ばしてやるつもりで全力の請願を詠じ始める。
「風の精霊に我は請う、たつま――」
――ドゴオオオオオッッッ!!
しかし、僕の声を遮るかのように、突如として親バルバスの粘体が内側より弾け飛んだ。
唸りを上げながら遙か上空へ向かって大きな何かが飛んでいく。
後に残るは直径二メートルの真円形にぽっかり空いた穴……その向こうに美須磨の姿はあった。
「放しなさい」
バルバスの巨体に空いた大穴は、驚異的な再生力により見る見るうちに塞がっていくが――。
――ドゴオオオッ!!
再度、射出された物体――円錐形の石杭によって再生した以上の体積を抉り取られてしまう。
「それを、返してください」
おそらく人の言葉など解しはしないだろう不定形生物は、当然ながら彼女の言葉を無視し――。
――ドゴオッ!!
三度、身を抉られる怪物……されど、前の二発とは異なり、遠くへと飛び去ってゆくことなく、その場に留まったまま高速で回転し続ける岩の大杭は、傷を塞ごうとして押し寄せる粘液組織を絡め取り、引きちぎり、もはや再生など許さない。
それはドリル……いや、紡錘――糸紡ぎに用いられる錘のようにも見えた。
「それは大切なもの……返してもらいます!」
美須磨が放った怒気に呼応するかのように回転速度を上げ、命じてもいないだろうに少しずつ大きさをも増していく錘が、次第に甲高い音を発し、大気との摩擦により赤熱し始めた頃……。
――て……ぇり……。り……。
磔を逃れようと四方へ広がり、触手を忙しそうに伸び縮みさせていたバルバスは、びくん!と全体を一つ跳ねさせたのを最後にその蠕動を止める。
やがて、表面がどろっとした液体と化し、雪面へと流れ出し始めた。
同時に、まだ五六体ばかり残っていた落とし子らもすべて雪上の液溜まりへと変わってゆく。
「地の精霊に我は請う――」
美しく透き通った少女の声が響くと、回転し続けていた錘はゆっくりと動きを止め、先端からバラバラの石片となって崩れ……気付けば、雪上に敷き詰められた一面の石畳を成している。
もう聞こえてくるのは吹きすさぶ風雪の音ばかり。
あきらかに異質な、硬い足音をカツンカツンと鳴らしながら少女は歩を進める。
石畳の外れ、そこにそれは転がっていた。
虹色に光る黒い沼――バルバスの死骸に半ば浸かっていてさえ雪よりも白く……。
優美な純白の刃を持つ短刀である。
拾い上げて汚れを拭い、刀身の状態を確かめると、美須磨はほっと小さな息を漏らす。
そうして、両手で胸元に抱き締めた。
「それを取り戻したくて、戦うことに拘ったのかい?」
落とし子どもの全滅を見届け、彼女の下へと歩み寄った僕は、そう問いかける。
「はい、松悟さんが私にくださった大切な物ですから」
心なしか、いつもよりも深く柔らかい微笑みと共に、そんな言葉が返ってきた。
まさか、そんなに気に入ってくれていたとは……不意打ちの表情に見惚れかけたせいもあって不思議な感動が込み上げてきてしまう。
僕は、無性に熱くて堪らない顔を少しでも冷まそうと、かじかんだ指で頬を掻くのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
帰途については、怖れていた吹雪の影響もなく、真っ直ぐ拠点へと辿り着くことができた。
ただし、それでも【環境維持(個人用)】の効果が切れそうなギリギリとなってしまったのは、今後に向けて重く受け止めなければならないだろう。
正直に言えば、三時間という制限時間は余りにも心許ない。
今日のように予定外の出来事があれば、すぐに足が出てしまうこととなる。
もちろん、余裕を持って帰還できるよう、これまで十分に気を付けてきたつもりだ。
が、今回は呼吸困難、頭痛、吐き気……等、高山病の兆候を二人揃って強く感じるところまで追い詰められており、まだまだ見込みが甘かったと認めざるを得ない。
特に、戦闘で風の精霊術を多用してしまったのは明らかな失敗と言える。
『現在の僕たちにとって必須だってのに、移り気で付き合いづらいんだよな、風の精霊は』
そんなこんなで今回の顛末だ。
激しい戦闘による疲労と緊張に加え、前述の軽い高山病が併さった僕と美須磨は体調を崩し、翌日を丸々、静養だけに充てなければならなくなった。
お蔭で次の朝にはすっかり快復し、結果的には良い骨休めと言えなくもないが。
ちなみに、あの団子野郎を倒して得られた物は何一つなかった。
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ありがとうございます!
新作、どうぞ頑張ってください!
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松悟が過ちを犯さなくてよかった😂後でごにょごにょなんだから。
それにしても見知った名前を拝見すると嬉しくなります。かごのぼっちさんもアルファポリスにいらしたんだ!わーい!
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特に右も左も分からないデビュー直後はもう本当に!