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第三部 青年編
第五十二回
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シベリウスがいう「トールキンみたいなのを」というのはなかなかにふっかけた提案であった。
(トールキンはこのサーガの少年編に出て来た、サート銀山開発に貢献したドワーフである。)
トールキン=ローリンソン。
イワッミー産まれのドワーフだが、国の北部海側に暮すオーティア部族に属していた。この部族は鉱山や冶金を生業とする者よりも漁師や海運に従事する者が多い。ツワーノ部族と仲が良く、彼等が造った製品を船に運ぶ仕事を担っていた。
地理書を読めばわかるが、イワッミーはサイゴーク大陸の北西の端っこにある小さな国である。平地は少なく沿岸部をなぞる程度しか無い。内陸部での平らな土地は、盆地か一部の高原のみである。三方をぐるりと海に囲まれ、海産物が良く獲れるので食い物には困らない。
鉱山が多く、宝石のたぐいもよく採れたから豊かな国とも言えた。とはいえ人口はヒッジランドよりも少なく、この当時で50万いくかいかないかであった。そのうちの10万人ほどが、純血のドワーフであったと言い伝えられている。
【サイゴークの学者による注:現在では純血のドワーフは12万人ほど。半ドワーフの人口はその3倍ほど。サーガより200年以上たった現在、イワッミー国の人口は90万人近くに迫っております。】
トールキンは教主コーザにも一目置かれる人物だった。ホーデンエーネンとの戦いで活躍し、エチウ本国の亜人傭兵団で重鎮たる地位にあった。
彼はお気に入りの信徒の太っちょ女・エッダばかりを愛していたが、教主に請われて他の女信徒に『あいのこ』を授ける役目を与えられていた。
エチウ女は巨乳で安産型の大きな尻をしていたから、ドワーフ男の荒っぽいトンネル工事に耐えられる体力があったのだ。トールキンは多くの女達の膣を掘削し、幾十人、いや、百人以上もこしらえたそうである。
つまりかのドワーフは、パラッツォ教団において多大な武功や勲功をあげた勇者であるわけだ。その猛者に対抗できるような豪傑が欲しい。それがジャン=シベリウスの頼みであった。大軍はともかく、聖騎士イズヴァルトはせめて食い止めたい。
「無理じゃ! ダレンとウィリアム以上のはもうおらんけえ!」
「いや、ダレンとウィリアムは良い戦士にはなれないと……」
「欲に目がくらまない、品のいいというのが良い戦士だという意味だったんじゃ!」
イワッミーのドワーフ族の『良き猛者』の定義。財に疎く義に厚く、それでいて女あるいは男色家を、ちんぽで存分に楽しませるというのがそれである。ダレンとウィリアムはその定義に適っていた。もちろん、猛者としても申し分無かった。
「大体、金とかおめこですぐに釣られる様なのを雇えば、役に立たぬじゃろう?」
「……では、この50人に見合った数の戦士をお願いいたします」
族長はうなずいた。クリスチネの沼みたくとろけたヴァギナからペニスを引き抜いた。勃起は上向いていた。もう1人味見がしたい。
唾を飲み込んでドワーフのちんちんを見ている女信徒らに、ジャンは目くばせした。膣がよだれを垂らし続ける『法悦』が約束されるだろう。喜んで抱かれろ。数名が前に出て服を脱ぎ始めた。
豚のような熊のような、色白の豊かな肉塊が衣をはぐのを見て族長はうれしそうにする。女達が囲い込んできて彼の身体を己の柔らかいところでくすぐり始めると、彼は脂肪の海に溺れ始めた。
□ □ □ □ □
シベリウスがサートの鉱山町に戻ったのは3日のち。たった1人。族長が新たにつけてくれた20名のドワーフを伴ってだ。
彼は返り旅路の間、必ず誰かに背負われていた。近道だからと崖から50メートル下に飛び降り、秘密の地下通路を埃にむせて突き進んだ。直線距離で100キロの行程を、ドワーフらは72時間ほどで突っ切った。
だが、背負われただけのシベリウスは、かなり疲れてしまっていた。ドワーフ里でのごちそうや、効能ある温泉で得た鋭気はすっかり失せていた。長い休息が欲しかった。
「ううう。1ヶ月ほど休みたい」
「情けないのう。これしきでへばっては、イズヴァルトさんに勝つことはできんじゃろう」
「わしらは元気ぴんぴんじゃ! けど腹減った。ちんぽもいらいらしてたまらんわい!」
彼等は早速、飯と風呂と今夜の同衾相手をねだってきた。ある者はズボンを脱ぎ、ビッキビキにそそり立っている陰茎を丸出しにして、はやくやらせろと急かし立てた。
へとへとのシベリウスは彼らの底なしの体力に呆れてしまった。代わりに街の長であるオリバーが手配をした。山に築かれた鉱山町の一番高いところにある、総督府であり、オリバーとシベリウスの家でもある屋敷にて、歓迎会が執り行われた。
シベリウスは参加しなかった。風呂に入って眠りたかったからだ。饗応役のオリバーは喜々としていた。彼らには食欲と性欲を同時に満たしてもらおうと、大量のごちそうを並べ、街で一番彼らの好みに合いそうな美女たちを呼んだ。
女らは皆、でかい尻とでかい腹の、太っちょだ。柔らかな肌肉を手早く堪能してもらおうと、素っ裸になっている。彼女たちの『豚美人』ぶりに陰嚢の我慢ができなくなったドワーフたちは、飯を手づかみで食らいながら女たちを組み敷いて喘がせた。
オリバーもまた同じく、素っ裸の背の低い小娘を右脇に抱き、そのまんこをいじくりながら、飽食と性交に狂うドワーフたちを眺め見た。
「うれしいのううれしいのう。こうした場で皆さんと再びお会いできるなんて、思ってもみなかったのう」
「こちらもそう思いますけえ」
「美味い飯に肉付きのええきれいどころ。パラッツォ教は本当にええ教えですのう」
この宴に出たドワーフらは皆、オリバーの顔なじみであった。彼がタッケハールの守備隊に属していた頃、ドワーフの期間兵や大工として街をよく訪れていたのだ。
このドワーフの戦士の中でも太っちょだったジョージ=マクドナルドは、後背位で突いていた女と一緒にオリバーの側にやってきた。エチウ諸島のパラッツォ教徒がいる前で、堂々とこんなことを言い放った。
「で、内応の準備は整っておるかのう、オリバーさん?」
宴の手伝いのエチウ人らがどよめいた。
「そんなことを考えていたんですか、市長さま?」
裏切りを考えていたなんて。ドワーフ達に「あへえ♡」と悶えせられていた女信徒たちも不服だった。
「ぼくら、折角仲良くなったのに、また敵になるなんてひどい仕打ちじゃないですか!」
「……まあまあ。そんなことは考えておらんよ。マクドナルドさんの早とちりじゃけえ」
マクドナルドらドワーフ達はしょげてしまった。エチウ人達に笑いながら言い訳するオリバーを残念に思った。もう少し気骨ある人だと思っていたのに。たるんじまったのう。
とはいえオリバーが内応を考えていないのも理由があった。解放軍の中に触手姫と聖騎士イズヴァルトがいることを、聞かされていなかったのだ。
パラッツォ教団は情報を締めていた。ウラスコー出身の者達に聞き届けられぬよう、彼等の存在を秘密にしていたのだ。
「……仕方ねえ。どうにかして食い止めるしかねえんじゃのう」
マクドナルドらは嘆いて飯を喰らい、風呂で暖まり、宴の時から交わっていた信徒の女らを失神するまで抱いた。女らは皆、彼らの子を孕んだ。
飯と風呂と女を楽しんで鋭気を養った翌日、マクドナルドら20名は、新たな援軍として最前線へ向かう。そこに彼等の戦場があった。
前線の最大の要衝、三の砦である。
□ □ □ □ □
三の砦は崖道の上にあった。柵と木の板を張り巡らせただけの、簡素な造りではないかと外からは見える。
そもそもは少数の兵士が駐屯する、警備用の砦であった。地形としては守るに最適な場所にあったが、イワッミー国がここまで攻めて来るという事は無かったから、ヒッジランド国は改修など思いつかなかった。
しかしそいつをパラッツォ教団は、ひそかに改造していた。最小かつ最強の牙城と見なしていたのだ。目をつけてたのはジャン=シベリウス。この砦を大工仕事が得意なドワーフ達に頼み、大幅に強化させていたのだ。
この砦がなかなかに抜けない。そんな話を聞きエレクトラとエルフのミレイユは、どういう備えをしているのか見極めようと、密かに崖をよじ登って確かめた。結論から言えば、大軍を通す為にここを落とすのは、大層骨が折れそうだ。
坂道のそこかしこには土塁で囲った陣地があったし、登り切ったさらにその先には、柵の奥に隠された塹壕が張り巡らされていたのだ。
エレクトラは弁当代わりのヒッジランド特産の山羊のチーズをナイフで削りながら、そのかけらをミレイユに手渡した。
「道理で力押しじゃあ、どうにもならねえってわけですねぇ?」
ミレイユはうなずいた。チーズを一口かじった後、砦の周りにいくつもある、こんもりとした築山みたいなもの指さした。
「トーチカだ。エレクトラ、お前もホーデンエーネンを旅していたのならわかるだろう?」
「前世で散々見て来た代物ですよ。隠れ穴から連弩や鉄砲が潜んでて、進んでくる敵を狙い撃ちするのでしょう?」
「そんなところだ。この砦を抜くのは挟み撃ちが良いだろう。迂回路を探して背後から襲わせる、精鋭部隊の編成が必要だ」
「その役目はイズヴァルトさんと、エルフの皆さんの専売特許になりますかね?」
「……本当は抜け目ないお前に、その部隊の指揮を頼みたいのだがな」
もう一欠片寄越せと言って、ミレイユは手のひらを出した。
「エルフは呑気なところがある。ついつい罠を見過ごしてしまうことがあるからな。イズヴァルトさんもどうもぼんやりしているところがあるのは、承知しているだろう?」
それは難しい相談だ。エレクトラは今、連合軍の実質的な総指揮官となっていた。特にチンゼー軍のである。
ピピン王子を含めたチンゼーの武将らは勇猛だが、どうにも正攻法で押し切る癖がある。しかもせっかちだ。昨日の戦いで馬鹿正直に坂を登って戦ったから、武将が2人死んだ。
それだから2人は偵察を買って出たのだ。但しエレクトラはこの後、忍びの真似事のような自由行動はできない。閨でピピン王子を励まさねばならないし、武将達に作戦を提案しなければならないのだ。
やはり白兵戦で落とすしかない。攻城兵器は坂道では重荷になるから役に立たない。エルフやゴブリンによる魔法の遠距離射撃は、一の砦と二の砦の戦いで無意味だとわかっていた。崖が低ければ雲梯車で登るという作戦もとれたが、この崖はあいにく、通常の城壁の倍近くの高さであった。
「これはどうでしょうね。正面攻撃をけしかける場合、飛翔魔法が使える者を先んじて回り込ませるというのは?」
「有翼人がいればその策には乗りたかったが……今からカントニアに戻って募集をかけると戦争が長引いてしまう。多少の犠牲を払っても早期にサート銀山を落としたいのが、ショージュ=オーウェンの思いだからな」
ヒッジランドでの戦いは苦戦続きだ。思いのほか、物資の消耗が激しかった。
山がちな国土というのが戦いを難しくしているのだが、パラッツォ教軍が本腰を入れ、守りを厚くしているのがそれに拍車をかけていた。
そして教団の最重要地域である、サート銀山方面はもっとがちがちだった。当初の目論見ならとっくの昔に、サート銀山で決戦があったはずなのだが。
「なかなかうまく行かないものだな。戻るぞ、元・魔法少女」
「そう来ましたか……天才はつけないんですかい?」
「小賢しい、だったらつけてやる」
エレクトラとミレイユは本陣に戻り、ピピンらにこういう作戦を提案した。
「総攻撃の前にいくつかある迂回路を確保し、他の砦からの救援の連絡を断って背後から攻撃を仕掛けよう」
敵がその対応に追われている時に、総攻撃で圧しつぶすのだ。三の砦を無視する方法もあったが、どの道も険しいけものみちばかりだった。輸送部隊を行き交いするには難儀になる。ピピン王子と武将らはエレクトラ達の意見を聞き入れた。
かくして2つの迂回部隊が進発。イズヴァルトは南西から登りあがる部隊を率いる事になった。もう1方はパオレッタとマリアに任せた。
迂回路は本当に細くて足場が悪い。起伏がありすぎて馬はなかなか走れない。しかも鬱蒼とした森の中に入り、視界は閉ざされてしまった。さらに奥に進むと、道とわかるものが途切れてどこに進めばいいのかがわからなくなった。
「ううむ。ここを通るのはなかなかに難儀でござるな……」
馬上で酒を呑んでいたウォルターが、雪の上に痰を吐き捨てた。
「こんな道、地元の奴らだって通らないさ」
しかし三の砦の防備を、あそこまで厚くしていたのは想定外だ。
「このあたりの森はなんなのでござろう? ブランカどのが棲んでいた森とは違うそうでござるが?」
「俺にもわからん。まあ、姫騎士エリザベス時代にはここでゲリラをやっていた連中もいた、とは聞いたな」
「げりら……遊撃部隊のことでござるか。ありそうでござるな」
小腹が空いて来た。一旦小休止だ。イズヴァルトは鞄の中から弁当の包みを取った。木に登って物見をしていたオルタンスがやって来た。
「木のてっぺんから伺えたでござるか?」
「わっかんねえズラ。この森、びっしりと茂ってて道が見えねえ」
「精霊に声をかける方法はいかがでござろう?」
「声をかけたけど、泊っていきなよとか、こっちをだめにしてくる返事ばかりしてくるズラ。あいつら、このへんにたっくさんの人達がやって来たの、数百年ぶりとか喜んでたズラな」
精霊たちの性格はのんびり屋でフレンドリーだ。数百年前といえば、暗黒卿と戦っていたヒッジランド人が滞在していたそうだ。おおよそ半年ほど、この森に住み着いていたらしい。
やはりウォルターが言うゲリラ部隊が、この辺にキャンプを置いていたようである。イズヴァルトは本当にそうしてやろうかと言ってみた。
「遊びに来たんじゃねえだろう?」
「冗談でござるよ」
「……真夏なら良かったけどな。この辺、蚊はいないみたいだからな」
食事を終えた。再び騎乗。森の中を慎重に進む。どうにもこの森は妙な気配が漂っていた。訪れた者を受け入れるが、捕えて離さないという魔力のようなものを漂っているように思えた。居心地の良さと薄気味悪さが同居していた。
夕方になりつつあった。今日はここでテントを張ろうと呼びかける者が出て来た。オルタンスや他の亜人たちもそのほうがいいとイズヴァルトに提案した。仕方ないと思い、今夜はここで夜を過ごす事に決めた。
魔法でかがり火を燃やし、照明石をつけっぱなしにして寝る様にイズヴァルトは指示した。食事を終えて自分のテントに入り込むと、案の定、オルタンスが一緒について来た。
「明日は早くに出発するでござるよ?」
「つれないことを言わないでズラ。ほらほら。はじめるズラよ?」
オルタンスは小柄な体を寝そべるイズヴァルトに預けた。手で股間をまさぐりながら、髭が覆い始めた顎に頬をこすりつける。
「ほらほら。もうおっきしているズラよ?」
「オルタンスどの……」
「オリガに弟か妹の顔を見せてあげたいズラよ。協力して欲しいズラぁ……」
オルタンスはまだ少女の頃のエルフである。けれども表情はとっくに子を次々と生んで育てようとする、母親としての女の顔が現れていた。
彼女はイズヴァルトに絡みついてズボンを脱がすと、己が穿いているものも脱いだ。
そそり立つそれを手でしごく。それから口に入れ、硬くさせようと動かした。
「おおっ……」
昨晩はパオレッタにこってりと絞られたが、射精欲はその程度では鈍らなかった。愛らしい舌が這い、可憐なエルフが淫らに口を動かすのに欲情をきたし、イズヴァルトの陰茎は大いに精を放った。
「んぐっ。でちゃった、ズラぁね?」
オルタンスの口の中が豊かな風味に満たされる。この最初の一射は聖騎士とまぐわう女の催淫剤となった。蜜壺は濡れていた。オルタンスが乗りあがろうとするとイズヴァルトは押し倒した。
存分に濡れたエルフの陰肉をしゃぶり、彼女の身体を熱くした。オルタンスはもっと深く楽しもうと、太ももで彼の首を挟んだ。イズヴァルトの舌は、彼女が絶頂したのを確かめた。それでも止めなかった。それから2度も、彼女の子宮口が収縮するまで動き続けた。
オルタンスは太ももをすりすりと動かして、イズヴァルトに合図した。前戯はもういい。
「で、できあがっちゃったズラあよ。はやく、挿れてほしいズラ……」
イズヴァルトは彼女を抱き上げた。横になるとオルタンスに勃起しているのを示した。彼女は腰を浮きあげて、大きく太いものを招き入れた。奥まで入ると、圧迫からの快感が彼女を襲った。
「はうう……♡」
切ない声で啼きながら、オルタンスは腰を動かした。小ぶりな尻が貪欲に揺れて快楽を求め続ける。イズヴァルトも彼女の柔膣のせいで喘いだ。
「お、オルタンスどの!」
本気になってしまったイズヴァルトはオルタンスの尻を掴み、下から突き上げ始める。彼女は悦びに震えた。もっと硬直を楽しもうと自分の腰を、右に、左にと揺り動かし、肛門を広げながら堪能した。
「お、オラにまたあかちゃんを……」
イズヴァルトは唸った。締め付けの厳しい膣が彼の精を吸い取った。2人して果てたのでオルタンスは、満足げな笑みを浮かべながら倒れかかった、つながったままイズヴァルトの顎に口づけした。
「お、オルタンスどの……」
「なあに?」
「も、もう一回よいでござるか?」
「うふふ。まだ、寝かせるつもりはないズラよ♡」
恋女房みたくオルタンスはイズヴァルトの首にしがみつく。それからまだまだ硬いままのそれを、より潤った己の中で悩ませ始めた。一晩に7回や8回の射精はざら、のイズヴァルトは息を弾ませて奉仕を受け続けた。
明け方になった。精液のにおいでむわっとするテントの中で起き抜けの交合を為していたイズヴァルトとオルタンスは、彼等の為に水桶を持ってきたという声を聞いた。
「すまぬでござる……ん?」
どうにもその声がここにいるはずの無い人物のものだった。普通なら、オルタンスの小さな女体のご相伴に預かろうとするウォルターが持って来るはずだと思ったのだが、彼の声ではなかった。
違和感を感じたイズヴァルトはオルタンスを抱きかかえたまま、テントの外に顔を出した。そして驚いた。
「そ、そなたは! どうしてここにおられるでござるか!」
さて、イズヴァルトが目にした人物とは何者だったのか?
その続きについてはまた、次回にて。
(トールキンはこのサーガの少年編に出て来た、サート銀山開発に貢献したドワーフである。)
トールキン=ローリンソン。
イワッミー産まれのドワーフだが、国の北部海側に暮すオーティア部族に属していた。この部族は鉱山や冶金を生業とする者よりも漁師や海運に従事する者が多い。ツワーノ部族と仲が良く、彼等が造った製品を船に運ぶ仕事を担っていた。
地理書を読めばわかるが、イワッミーはサイゴーク大陸の北西の端っこにある小さな国である。平地は少なく沿岸部をなぞる程度しか無い。内陸部での平らな土地は、盆地か一部の高原のみである。三方をぐるりと海に囲まれ、海産物が良く獲れるので食い物には困らない。
鉱山が多く、宝石のたぐいもよく採れたから豊かな国とも言えた。とはいえ人口はヒッジランドよりも少なく、この当時で50万いくかいかないかであった。そのうちの10万人ほどが、純血のドワーフであったと言い伝えられている。
【サイゴークの学者による注:現在では純血のドワーフは12万人ほど。半ドワーフの人口はその3倍ほど。サーガより200年以上たった現在、イワッミー国の人口は90万人近くに迫っております。】
トールキンは教主コーザにも一目置かれる人物だった。ホーデンエーネンとの戦いで活躍し、エチウ本国の亜人傭兵団で重鎮たる地位にあった。
彼はお気に入りの信徒の太っちょ女・エッダばかりを愛していたが、教主に請われて他の女信徒に『あいのこ』を授ける役目を与えられていた。
エチウ女は巨乳で安産型の大きな尻をしていたから、ドワーフ男の荒っぽいトンネル工事に耐えられる体力があったのだ。トールキンは多くの女達の膣を掘削し、幾十人、いや、百人以上もこしらえたそうである。
つまりかのドワーフは、パラッツォ教団において多大な武功や勲功をあげた勇者であるわけだ。その猛者に対抗できるような豪傑が欲しい。それがジャン=シベリウスの頼みであった。大軍はともかく、聖騎士イズヴァルトはせめて食い止めたい。
「無理じゃ! ダレンとウィリアム以上のはもうおらんけえ!」
「いや、ダレンとウィリアムは良い戦士にはなれないと……」
「欲に目がくらまない、品のいいというのが良い戦士だという意味だったんじゃ!」
イワッミーのドワーフ族の『良き猛者』の定義。財に疎く義に厚く、それでいて女あるいは男色家を、ちんぽで存分に楽しませるというのがそれである。ダレンとウィリアムはその定義に適っていた。もちろん、猛者としても申し分無かった。
「大体、金とかおめこですぐに釣られる様なのを雇えば、役に立たぬじゃろう?」
「……では、この50人に見合った数の戦士をお願いいたします」
族長はうなずいた。クリスチネの沼みたくとろけたヴァギナからペニスを引き抜いた。勃起は上向いていた。もう1人味見がしたい。
唾を飲み込んでドワーフのちんちんを見ている女信徒らに、ジャンは目くばせした。膣がよだれを垂らし続ける『法悦』が約束されるだろう。喜んで抱かれろ。数名が前に出て服を脱ぎ始めた。
豚のような熊のような、色白の豊かな肉塊が衣をはぐのを見て族長はうれしそうにする。女達が囲い込んできて彼の身体を己の柔らかいところでくすぐり始めると、彼は脂肪の海に溺れ始めた。
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シベリウスがサートの鉱山町に戻ったのは3日のち。たった1人。族長が新たにつけてくれた20名のドワーフを伴ってだ。
彼は返り旅路の間、必ず誰かに背負われていた。近道だからと崖から50メートル下に飛び降り、秘密の地下通路を埃にむせて突き進んだ。直線距離で100キロの行程を、ドワーフらは72時間ほどで突っ切った。
だが、背負われただけのシベリウスは、かなり疲れてしまっていた。ドワーフ里でのごちそうや、効能ある温泉で得た鋭気はすっかり失せていた。長い休息が欲しかった。
「ううう。1ヶ月ほど休みたい」
「情けないのう。これしきでへばっては、イズヴァルトさんに勝つことはできんじゃろう」
「わしらは元気ぴんぴんじゃ! けど腹減った。ちんぽもいらいらしてたまらんわい!」
彼等は早速、飯と風呂と今夜の同衾相手をねだってきた。ある者はズボンを脱ぎ、ビッキビキにそそり立っている陰茎を丸出しにして、はやくやらせろと急かし立てた。
へとへとのシベリウスは彼らの底なしの体力に呆れてしまった。代わりに街の長であるオリバーが手配をした。山に築かれた鉱山町の一番高いところにある、総督府であり、オリバーとシベリウスの家でもある屋敷にて、歓迎会が執り行われた。
シベリウスは参加しなかった。風呂に入って眠りたかったからだ。饗応役のオリバーは喜々としていた。彼らには食欲と性欲を同時に満たしてもらおうと、大量のごちそうを並べ、街で一番彼らの好みに合いそうな美女たちを呼んだ。
女らは皆、でかい尻とでかい腹の、太っちょだ。柔らかな肌肉を手早く堪能してもらおうと、素っ裸になっている。彼女たちの『豚美人』ぶりに陰嚢の我慢ができなくなったドワーフたちは、飯を手づかみで食らいながら女たちを組み敷いて喘がせた。
オリバーもまた同じく、素っ裸の背の低い小娘を右脇に抱き、そのまんこをいじくりながら、飽食と性交に狂うドワーフたちを眺め見た。
「うれしいのううれしいのう。こうした場で皆さんと再びお会いできるなんて、思ってもみなかったのう」
「こちらもそう思いますけえ」
「美味い飯に肉付きのええきれいどころ。パラッツォ教は本当にええ教えですのう」
この宴に出たドワーフらは皆、オリバーの顔なじみであった。彼がタッケハールの守備隊に属していた頃、ドワーフの期間兵や大工として街をよく訪れていたのだ。
このドワーフの戦士の中でも太っちょだったジョージ=マクドナルドは、後背位で突いていた女と一緒にオリバーの側にやってきた。エチウ諸島のパラッツォ教徒がいる前で、堂々とこんなことを言い放った。
「で、内応の準備は整っておるかのう、オリバーさん?」
宴の手伝いのエチウ人らがどよめいた。
「そんなことを考えていたんですか、市長さま?」
裏切りを考えていたなんて。ドワーフ達に「あへえ♡」と悶えせられていた女信徒たちも不服だった。
「ぼくら、折角仲良くなったのに、また敵になるなんてひどい仕打ちじゃないですか!」
「……まあまあ。そんなことは考えておらんよ。マクドナルドさんの早とちりじゃけえ」
マクドナルドらドワーフ達はしょげてしまった。エチウ人達に笑いながら言い訳するオリバーを残念に思った。もう少し気骨ある人だと思っていたのに。たるんじまったのう。
とはいえオリバーが内応を考えていないのも理由があった。解放軍の中に触手姫と聖騎士イズヴァルトがいることを、聞かされていなかったのだ。
パラッツォ教団は情報を締めていた。ウラスコー出身の者達に聞き届けられぬよう、彼等の存在を秘密にしていたのだ。
「……仕方ねえ。どうにかして食い止めるしかねえんじゃのう」
マクドナルドらは嘆いて飯を喰らい、風呂で暖まり、宴の時から交わっていた信徒の女らを失神するまで抱いた。女らは皆、彼らの子を孕んだ。
飯と風呂と女を楽しんで鋭気を養った翌日、マクドナルドら20名は、新たな援軍として最前線へ向かう。そこに彼等の戦場があった。
前線の最大の要衝、三の砦である。
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三の砦は崖道の上にあった。柵と木の板を張り巡らせただけの、簡素な造りではないかと外からは見える。
そもそもは少数の兵士が駐屯する、警備用の砦であった。地形としては守るに最適な場所にあったが、イワッミー国がここまで攻めて来るという事は無かったから、ヒッジランド国は改修など思いつかなかった。
しかしそいつをパラッツォ教団は、ひそかに改造していた。最小かつ最強の牙城と見なしていたのだ。目をつけてたのはジャン=シベリウス。この砦を大工仕事が得意なドワーフ達に頼み、大幅に強化させていたのだ。
この砦がなかなかに抜けない。そんな話を聞きエレクトラとエルフのミレイユは、どういう備えをしているのか見極めようと、密かに崖をよじ登って確かめた。結論から言えば、大軍を通す為にここを落とすのは、大層骨が折れそうだ。
坂道のそこかしこには土塁で囲った陣地があったし、登り切ったさらにその先には、柵の奥に隠された塹壕が張り巡らされていたのだ。
エレクトラは弁当代わりのヒッジランド特産の山羊のチーズをナイフで削りながら、そのかけらをミレイユに手渡した。
「道理で力押しじゃあ、どうにもならねえってわけですねぇ?」
ミレイユはうなずいた。チーズを一口かじった後、砦の周りにいくつもある、こんもりとした築山みたいなもの指さした。
「トーチカだ。エレクトラ、お前もホーデンエーネンを旅していたのならわかるだろう?」
「前世で散々見て来た代物ですよ。隠れ穴から連弩や鉄砲が潜んでて、進んでくる敵を狙い撃ちするのでしょう?」
「そんなところだ。この砦を抜くのは挟み撃ちが良いだろう。迂回路を探して背後から襲わせる、精鋭部隊の編成が必要だ」
「その役目はイズヴァルトさんと、エルフの皆さんの専売特許になりますかね?」
「……本当は抜け目ないお前に、その部隊の指揮を頼みたいのだがな」
もう一欠片寄越せと言って、ミレイユは手のひらを出した。
「エルフは呑気なところがある。ついつい罠を見過ごしてしまうことがあるからな。イズヴァルトさんもどうもぼんやりしているところがあるのは、承知しているだろう?」
それは難しい相談だ。エレクトラは今、連合軍の実質的な総指揮官となっていた。特にチンゼー軍のである。
ピピン王子を含めたチンゼーの武将らは勇猛だが、どうにも正攻法で押し切る癖がある。しかもせっかちだ。昨日の戦いで馬鹿正直に坂を登って戦ったから、武将が2人死んだ。
それだから2人は偵察を買って出たのだ。但しエレクトラはこの後、忍びの真似事のような自由行動はできない。閨でピピン王子を励まさねばならないし、武将達に作戦を提案しなければならないのだ。
やはり白兵戦で落とすしかない。攻城兵器は坂道では重荷になるから役に立たない。エルフやゴブリンによる魔法の遠距離射撃は、一の砦と二の砦の戦いで無意味だとわかっていた。崖が低ければ雲梯車で登るという作戦もとれたが、この崖はあいにく、通常の城壁の倍近くの高さであった。
「これはどうでしょうね。正面攻撃をけしかける場合、飛翔魔法が使える者を先んじて回り込ませるというのは?」
「有翼人がいればその策には乗りたかったが……今からカントニアに戻って募集をかけると戦争が長引いてしまう。多少の犠牲を払っても早期にサート銀山を落としたいのが、ショージュ=オーウェンの思いだからな」
ヒッジランドでの戦いは苦戦続きだ。思いのほか、物資の消耗が激しかった。
山がちな国土というのが戦いを難しくしているのだが、パラッツォ教軍が本腰を入れ、守りを厚くしているのがそれに拍車をかけていた。
そして教団の最重要地域である、サート銀山方面はもっとがちがちだった。当初の目論見ならとっくの昔に、サート銀山で決戦があったはずなのだが。
「なかなかうまく行かないものだな。戻るぞ、元・魔法少女」
「そう来ましたか……天才はつけないんですかい?」
「小賢しい、だったらつけてやる」
エレクトラとミレイユは本陣に戻り、ピピンらにこういう作戦を提案した。
「総攻撃の前にいくつかある迂回路を確保し、他の砦からの救援の連絡を断って背後から攻撃を仕掛けよう」
敵がその対応に追われている時に、総攻撃で圧しつぶすのだ。三の砦を無視する方法もあったが、どの道も険しいけものみちばかりだった。輸送部隊を行き交いするには難儀になる。ピピン王子と武将らはエレクトラ達の意見を聞き入れた。
かくして2つの迂回部隊が進発。イズヴァルトは南西から登りあがる部隊を率いる事になった。もう1方はパオレッタとマリアに任せた。
迂回路は本当に細くて足場が悪い。起伏がありすぎて馬はなかなか走れない。しかも鬱蒼とした森の中に入り、視界は閉ざされてしまった。さらに奥に進むと、道とわかるものが途切れてどこに進めばいいのかがわからなくなった。
「ううむ。ここを通るのはなかなかに難儀でござるな……」
馬上で酒を呑んでいたウォルターが、雪の上に痰を吐き捨てた。
「こんな道、地元の奴らだって通らないさ」
しかし三の砦の防備を、あそこまで厚くしていたのは想定外だ。
「このあたりの森はなんなのでござろう? ブランカどのが棲んでいた森とは違うそうでござるが?」
「俺にもわからん。まあ、姫騎士エリザベス時代にはここでゲリラをやっていた連中もいた、とは聞いたな」
「げりら……遊撃部隊のことでござるか。ありそうでござるな」
小腹が空いて来た。一旦小休止だ。イズヴァルトは鞄の中から弁当の包みを取った。木に登って物見をしていたオルタンスがやって来た。
「木のてっぺんから伺えたでござるか?」
「わっかんねえズラ。この森、びっしりと茂ってて道が見えねえ」
「精霊に声をかける方法はいかがでござろう?」
「声をかけたけど、泊っていきなよとか、こっちをだめにしてくる返事ばかりしてくるズラ。あいつら、このへんにたっくさんの人達がやって来たの、数百年ぶりとか喜んでたズラな」
精霊たちの性格はのんびり屋でフレンドリーだ。数百年前といえば、暗黒卿と戦っていたヒッジランド人が滞在していたそうだ。おおよそ半年ほど、この森に住み着いていたらしい。
やはりウォルターが言うゲリラ部隊が、この辺にキャンプを置いていたようである。イズヴァルトは本当にそうしてやろうかと言ってみた。
「遊びに来たんじゃねえだろう?」
「冗談でござるよ」
「……真夏なら良かったけどな。この辺、蚊はいないみたいだからな」
食事を終えた。再び騎乗。森の中を慎重に進む。どうにもこの森は妙な気配が漂っていた。訪れた者を受け入れるが、捕えて離さないという魔力のようなものを漂っているように思えた。居心地の良さと薄気味悪さが同居していた。
夕方になりつつあった。今日はここでテントを張ろうと呼びかける者が出て来た。オルタンスや他の亜人たちもそのほうがいいとイズヴァルトに提案した。仕方ないと思い、今夜はここで夜を過ごす事に決めた。
魔法でかがり火を燃やし、照明石をつけっぱなしにして寝る様にイズヴァルトは指示した。食事を終えて自分のテントに入り込むと、案の定、オルタンスが一緒について来た。
「明日は早くに出発するでござるよ?」
「つれないことを言わないでズラ。ほらほら。はじめるズラよ?」
オルタンスは小柄な体を寝そべるイズヴァルトに預けた。手で股間をまさぐりながら、髭が覆い始めた顎に頬をこすりつける。
「ほらほら。もうおっきしているズラよ?」
「オルタンスどの……」
「オリガに弟か妹の顔を見せてあげたいズラよ。協力して欲しいズラぁ……」
オルタンスはまだ少女の頃のエルフである。けれども表情はとっくに子を次々と生んで育てようとする、母親としての女の顔が現れていた。
彼女はイズヴァルトに絡みついてズボンを脱がすと、己が穿いているものも脱いだ。
そそり立つそれを手でしごく。それから口に入れ、硬くさせようと動かした。
「おおっ……」
昨晩はパオレッタにこってりと絞られたが、射精欲はその程度では鈍らなかった。愛らしい舌が這い、可憐なエルフが淫らに口を動かすのに欲情をきたし、イズヴァルトの陰茎は大いに精を放った。
「んぐっ。でちゃった、ズラぁね?」
オルタンスの口の中が豊かな風味に満たされる。この最初の一射は聖騎士とまぐわう女の催淫剤となった。蜜壺は濡れていた。オルタンスが乗りあがろうとするとイズヴァルトは押し倒した。
存分に濡れたエルフの陰肉をしゃぶり、彼女の身体を熱くした。オルタンスはもっと深く楽しもうと、太ももで彼の首を挟んだ。イズヴァルトの舌は、彼女が絶頂したのを確かめた。それでも止めなかった。それから2度も、彼女の子宮口が収縮するまで動き続けた。
オルタンスは太ももをすりすりと動かして、イズヴァルトに合図した。前戯はもういい。
「で、できあがっちゃったズラあよ。はやく、挿れてほしいズラ……」
イズヴァルトは彼女を抱き上げた。横になるとオルタンスに勃起しているのを示した。彼女は腰を浮きあげて、大きく太いものを招き入れた。奥まで入ると、圧迫からの快感が彼女を襲った。
「はうう……♡」
切ない声で啼きながら、オルタンスは腰を動かした。小ぶりな尻が貪欲に揺れて快楽を求め続ける。イズヴァルトも彼女の柔膣のせいで喘いだ。
「お、オルタンスどの!」
本気になってしまったイズヴァルトはオルタンスの尻を掴み、下から突き上げ始める。彼女は悦びに震えた。もっと硬直を楽しもうと自分の腰を、右に、左にと揺り動かし、肛門を広げながら堪能した。
「お、オラにまたあかちゃんを……」
イズヴァルトは唸った。締め付けの厳しい膣が彼の精を吸い取った。2人して果てたのでオルタンスは、満足げな笑みを浮かべながら倒れかかった、つながったままイズヴァルトの顎に口づけした。
「お、オルタンスどの……」
「なあに?」
「も、もう一回よいでござるか?」
「うふふ。まだ、寝かせるつもりはないズラよ♡」
恋女房みたくオルタンスはイズヴァルトの首にしがみつく。それからまだまだ硬いままのそれを、より潤った己の中で悩ませ始めた。一晩に7回や8回の射精はざら、のイズヴァルトは息を弾ませて奉仕を受け続けた。
明け方になった。精液のにおいでむわっとするテントの中で起き抜けの交合を為していたイズヴァルトとオルタンスは、彼等の為に水桶を持ってきたという声を聞いた。
「すまぬでござる……ん?」
どうにもその声がここにいるはずの無い人物のものだった。普通なら、オルタンスの小さな女体のご相伴に預かろうとするウォルターが持って来るはずだと思ったのだが、彼の声ではなかった。
違和感を感じたイズヴァルトはオルタンスを抱きかかえたまま、テントの外に顔を出した。そして驚いた。
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さて、イズヴァルトが目にした人物とは何者だったのか?
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