聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜

CHACOとJAGURA

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第四部 聖王編

第五十八回

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 1件だけ来たAクラスのクエストは、ツックイー森林地帯に近いオシノールの郷長からの依頼であった。
 
 標的はまたしても造魔である。但しこれまでとは毛色が違った。古代ムサシノ帝国に従属していた先史時代の造魔であった。その名を古代エルフ語で『モディア=ケレスニ』と言った。地面を這うトカゲのようなドラゴンの造魔であった。
 
 モディア=ケレスニはエルフ王が造らせた。本来は古代ムサシノ帝国からの独立を勝ち取るための戦争に用いる予定だったが、その時機がわからず、南の護りに置いたという。
 
 この造魔は長らくその存在を忘れられていた。オシノールの東の銅鉱山でたまたま見つかった広い空間を探ると、その魔物が長い眠りから醒め、暴れ出した。
 
「そいつが暴れてヤマの衆が数名亡くなっちまったずら。モディア=ケレスニのやつはまたねぐらに戻ったけど、またいつ這い出るかわかんねえ。もしかしたら地上に出て、エルフの郷どころかニンゲンの町までおそっちまうかもしれねえずら」

 つまりは恐ろしく強い。何せ、超魔法科学文明で隆盛を誇っていた、古代ムサシノ帝国との決戦に用いられるはずだった最終兵器でもあったからだ。
 
 普通のドラゴンとは違い、火を吹かなければ氷風も起こさず、雷霆を思いのままに操ることも無い。しかしその爪は厚い鉄板を容易にかき切り、剛い力はミスリルの武器をも曲げることができた。うろこに覆われた皮膚はまさに装甲そのもので、容易に中の肉を貫き通すことはできないという。
 
「そういう魔物だ。だから私も討伐に加わる」

 呼び出されたイズヴァルトはうなずいた。DSから聞いたモディア=ケレスニの特徴を聞けば、強力な味方が要ると思ったからだ。このミレイユの弟の申し出を心強く思った。とはいえ今すぐここで立ち上がって感激を表す握手は出来なかった。
 
「ひゃあっ♡ はうーん♡ おおおうっ♡」
 
 椅子に座っていたイズヴァルトは、ズボンを脱がされ、その上に乗ったギルドの受付嬢に激しく貪られている最中だった。ここに来てから彼女は全く放してくれない。何せこの女は子宮の中までイズヴァルトにぞっこんだったからだ。彼女の腹には命が芽生えていた。
 
「ところで、そのモディア=ケレスニという生き物でござるが」

 スカートを腰の上まで丸め、大きく尻をグラインドさせる受付嬢の息遣いを聞きながら尋ねた。何か弱点は無いだろうか。
 
「文献を漁ってみたが、なかなか見つからない。モディア=ケレスニは魔法や妙な術こそ使えんが、ただひたすらに硬くて強い。そういう造魔らしい」
 
 DSの目に受付嬢の尻が映っていた。イズヴァルトのペニスは大きくてとても長いから、彼女は膝を浮かせて彼の首にしがみついて大きく腰を振っていた。であるから、陰茎によってえぐられている膣口と快感で開け閉めを繰り返すアヌスが丸見えだった。ラヴィアの縁がイズヴァルトの精液にまみれていた。
 
「で、ござるか……ううむ。『獄炎の凱歌』があればよかったでござるが……」
 
 そう言った後イズヴァルトは呻き声をあげた。ぱんぱんに張り詰めていたペニスの裏側が、力強く脈打っていた。受付嬢のヴァギナに精液が送り込まれた。彼女が腰をあげ、すとん、と降ろし込むと、肉と肉との隙間からどろどろと溢れ出た。
 
「そこでだ。ここで使ってみるか、『エルフ狩りの王の弾弓』を?」

 ぐい、と腰を下ろした受付嬢が、イズヴァルトの首を抱え込んで動かなくなった。奥を思い切り衝くこととなったその一振りが、彼女の出来上がった膣奥に深い喜びを与えてしまったからだ。じんじんと来る余韻に浸りながら、彼女はふとましい肉棒の形を感じた。もっと悦楽を得ようと、ぎゅむ、と締まり込み出した。
 
「それがござったな。ではどこに隠されているでござるか?」
「シンプーラ城の奥の宝物庫だ。滅多に出せないが、オクタヴィア姐さんが郷の寄り合いで皆に呼びかけると聞いた。この件でお前に貸せるかどうかをな」
 
 膣肉が肉棒をしっかり咥え込むよう、収縮を果たした後に受付嬢はゆっくりと腰を引き上げた。生暖かい肉洞に亀頭を舐められ、イズヴァルトは尿道に残った精液をぴゅっと放ちこんでしまった。それからまた、彼女の膣奥と鈴口で打ちあった。
 
「とりあえず、討伐は『エルフ狩りの王の弾弓』を目にしてから向かうと致そう。その前に、この娘さんの気持ちを満たさねばならぬでござるよ」

 イズヴァルトは受付嬢の肩に手をやって顔を覗き込んだ。彼女の目は恋でギラギラと光っていた。すっかりぞっこんになってしまったようだとつぶやき、それからため息をついた。
 
「郷に戻っても討伐の依頼は、ひっきりなしでござるよ」
 
 もちろん、この受付嬢の相手をという意味であった。
 
 
□ □ □ □ □
 
 
 2日して話が決まった。『エルフ狩りの王の弾弓』はイズヴァルトに貸すこととなった。イズヴァルトはローラとともに、DSとオクタヴィアにシンプーラ城の奥深くにある宝物庫へ案内された。

 シンプーラ城は大きな山をまるまる使った大城郭だ。北側となるその半分は小石を混ぜたセメント固めの城部分と、防塁を幾層も重ねた総構えで囲まれており、木や雑草に覆われた山の南側は、巧妙に隠された堀や石垣で守りを固めていた。宝物庫があるのはその南側だった。

 宝物庫への道は途中に橋があった。地下河川を挟んでいた。川幅はそれほどでは無かったが、流れはかなり急だった。

「広くて大きいでござるな、シンプーラ城は」

 橋を渡りながらイズヴァルトがつぶやいた。ローラがうなずいた。かなり大きな山ですな、と彼女は言った。
 
「城下町を含めたナントブルグ、いや、マリーヤ王国のシャクラの街ぐらいはありそうですな」

 シャクラはマリーヤ王国北部の大都市だ。北部の領主たちを束ねる府が置かれている。マリーヤでは代天府と呼ばれていた。天、とはマリーヤ王家嫡流のことである。シャクラもまたこの時代、難攻不落の要塞都市として名高かった。

【ギルバート=カツランダルク注:そのシャクラも、この60年後に興ったサダルファス朝エドニア王国にマリーヤを滅ぼされて以降、寂れた古都と化してしまった。】

「ローラどのはシャクラを訪れたことがござったか?」
「ええ。でも防備が丈夫そうなだけで、市場はすごく荒れていましたね。盗品や悪徳商人ばかりでしたよ、あそこは」

 DSもシャクラもとい、マリーヤ王国には近づかないほうがいいとイズヴァルトに忠告した。王族から農民まで、ろくでもないやつらばかりだと嘆いた。あそこの闇商人にろくでもない魔法道具を何度も掴まされたことがあったのだ。

 目的の宝物庫は頑丈な鉄扉で封じられていた。特殊な施錠術式が仕掛けられている、と言ってオクタヴィアが扉の前に立った。

「でもその術式をおらは存じておるずら」
「というと、なぜでござる?」
「言っておらんかったか? おらはスーワシューロに滅ぼされた王の親戚ずらよ?」
「ほう。さようでござるか」

 イズヴァルトは驚きもしなかった。ホーデンエーネンでは「元は王族でした」という貧乏貴族がごまんといたからである。

 しかしそのオクタヴィアはある程度特別な生まれゆえに、扉を開けることができた。果たして奥に『エルフ狩りの王の弾弓』が台座に置かれていた。

「……えらく、ぼろっちいでござるな?」

 ところどころに赤く塗られた塗装が剥がれていた弾弓をイズヴァルトは手に取った。弾を仕掛ける皮布が真ん中に縫いつけられた、二本の弦をはじいてみた。とても硬くて、少ししか弾けなかった。

「も、ものすごく強い弓でござる」
「何せ3000年以上前に作られたものずら。言い伝えによると、99回弦を弾いてから、そこら辺に落ちているような石ころを構えると、普通の弓みてえに引き伸ばせるらしいずら」

 そして弾弓を扱う適性がある者ならば、射る弾ははじかれると共に消え失せ、弓を向けた先に爆風を起こすという。その威力、爆炎弓箭の数百倍から数千倍。ナントブルグの王城を吹き飛ばすほどの範囲であった。

「とりあえず外に出て使ってみるとよいだろう。使いこなせれば、モディア=ケレスニを容易に倒せるはず……私が出る幕が無いだろう」
「それほどにすごいのでござるな! よし! 是非とも拙者が使いこなせるところを、ディミトリウスどのにお見せ致そう!」

 そう意気込んで人っけの無い原っぱに出て試したが、『大地神の戦斧』の時と同じ敗北感を味わった。99回弦を弾き、小石をつがえて弾いたところ、目で追える速さで遠くに飛んでいっただけで爆風を起こさなかったのだ。

「おろろろろ……これは、どういうことでござろうか?」
「イズヴァルト、諦めろ。『エルフ狩りの王』はお前を選ばなかった」

 その弾弓はDSもオクタヴィアも扱えなかった。しかもどうしてもとイズヴァルトがせがんで、ブライアンや『ゆうしゃ』たちにもやらせてみたが、イズヴァルトと同じ結果だった。

 ならばと、エレナとオリガとウーゴ王子に、戦いなんぞ絶対に加わりたくないミツクニュモスにもやらせてみたが、結果は同じだった。

「……まったく、だめでござる」

 しょげるイズヴァルトの背中を叩いて、DSは残念がった。

「この弓だが、エルフでは無理だと思ってくれ。これを扱いこなせたスーワシューロは、普通のニンゲンだった。だからお前たちならと期待したが……」

 これの力を引き出せる者がいれば、モディア=ケレスニを一撃で葬れただろうに。

 こうなれば仕方がない、とDSは造魔退治の作戦会議を持ちかける。しかしオクタヴィアだけはまだだ、と異を唱えた。

「いや、この中でまだ1人、試しておらんやつがおるずらよ!」

 そうして彼女が目を向けた先を皆が一斉に注目したが、さて、その人物とは一体何者であったのか?

 その続きについてはまた、次回にて。
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