【R-18】キスからはじまるエトセトラ【完結】

72、誕生日の夜に (1) ＊

　
　ミシッ………

　という音が聞こえたかと思った。

「あっ……！」
「痛い？」

「ちょっと……でもまだ…大丈夫」
「分かった……ゆっくり進む」

　楓花の中は十分に濡れているし、ゼリーもたっぷり使っている。それでも天馬の先端がツプッと差し入れられた途端、今までに感じたことのない圧迫感を感じて、思わず腰を引いてしまったのだ。

　グッ……と奥に進む感覚。メリッ……

ーーあっ、これ絶対に痛いヤツだ。

　まだそこまでの痛みは無い。だけど本能が警報を鳴らしている。ここから先には激痛が待っている……と。
　思わず太腿に力が入り、グッと身構えた。

「キツいな……力を抜けるか？」
「ん……分からない」
「……そうか」

　天馬はそこから進むのをやめ、楓花の上に覆い被さって唇を重ねてきた。
　唇を割り舌を挿し入れて、楓花のソレと絡め合う。お互いの舌を感じあっていると、唾液が溢れて口角から溢れていった。

「ん……ふっ……」

　キスをしながら天馬の右手が胸をまさぐり、先端を指で細かく揺らす。

　「ふ……あっ……は……」

　重なる唇の間で、楓花の喘ぎ声がくぐもって聞こえた時……

　ズッ……

「あっ！」

　また少し、天馬が先に進んだ。中の壁を無理やりこじ開けられるような感覚。太腿に力が入ると、天馬の動きも止まる。

「怖がるなって言うのは難しいだろうけど……無理には進まないから……」

天馬の呼吸が荒くなっている。中のモノはパンパンに膨れ上がって硬くなっているし、凄く我慢をしてゆっくり進めてくれているのが分かる。

「天にい……もういいよ。いっそひと思いに……」

「ふっ……バカか。まるで心中するみたいに言うな。……言っただろ、一緒に気持ちよくなるんだよ。絶対に……無理矢理にはしない……お前……痛がりだから……」

　まだ浅いところでゆっくり動かして、徐々に慣らそうとしてくれている。
　その気持ちが嬉しくて、胸の奥がほんわりと暖かくなってくる。

「天にい……好き……」
「ん……俺も……先っぽだけでも楓花の中に入ってて感動」

「ふふっ……先っぽ…って……」
「ハハッ、なんだよ、先っぽだろ」

　笑いながら唇を求め合い、再び舌を絡ませ合った。ああ、幸せだな……そう思うと全身の力が解けて、天馬の全てを受け入れたいという気持ちで一杯になった。

ズッ……グッ……

「あ……っ！」

　狭い隘路を押し広げながら、硬くて熱いモノが入って来る。

「んーーっ……あっ……あっ……！」
「奥に入る……深呼吸して」

「あっ、あっ……」

　ズン！

「痛っ！ああーーーっ！」

　まさしく突き破られる痛み。内側から無理矢理引き裂かれこじ開けられたような……

「入ったぞ……」
「はぁ……入った？……全部？……ふぅ……」

「やっぱり痛い？」
「ん……痛い……けど、さっきの瞬間よりは大丈夫」

「そうか……それじゃ、しばらくこのまま動かない方がいいな」

　天馬は楓花をギュウッとキツく抱き締め、額とこめかみにキスを落とす。
　チラッと時計を見てからフワッと微笑んで……。

「楓花……1分過ぎたけど……23歳の誕生日、おめでとう」
「えっ？！」

　楓花はうっとりと閉じていた目を開けて頭を上げると、ベッドサイドの時計を確認する。

「本当だ！もう誕生日になってる！……ってことは……凄い！私たちって誕生日ピッタリに結ばれたんじゃない？！」

「実を言うとさ……俺、狙ってたんだよな」
「えっ、何を？」

　天馬は目を細めてチュッチュと啄むようなキスを落としながら、

「ん……誕生日の貫通式」
「はぁ？」

「どうせ結ばれるなら、楓花と1つでも歳が近い方がいいな……って思ってさ。ほら、俺の誕生日が9月だから、お前が23歳になったら4ヶ月だけ6歳差になれるだろ？」

「ふふっ……乙女だね」
「乙女で悪いかよっ！くそっ、調子に乗ってると奥で突きまくって泣かせるぞ！」

「………いいよ、泣かせても」
「えっ……」

　楓花は天馬の背中に回した手にギュッと力をこめる。

「私はもう大丈夫だから……好きなように動いて、天にい」
「でも……」

「そうして欲しいの。私がそうしたいって思うから……」

　途端に天馬のモノがグンと大きくなり、楓花の中を押し広げた。

「あっ！」
「……いいのか？ 本当に」

　コクリと頷くと同時に、天馬が軽く腰を引き、ズンと打ち付けた。

「ああっ！」
「ヤバっ……はぁ……どうすんだ……こうなったら……もう止められないぞ……」

「いいから……止めないで……ああっ！」
「楓花っ！」

　天馬は上半身を起こすと、楓花の腰に手を添えて、入口近くまで引き抜いたモノを一番奥まで突き挿した。