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決戦(11)
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「恐竜まで生んどいてっ。まだこれかっ!?」
叩き付けて来る様な単眼竜の頭の動きに対して、その横っ面を叩き斬る動きで引っぱたいたジャンヌは、そんな愚痴を吐いた。
転倒こそしたが、翼を一打ち。
即座に体勢を戻す巨体に、傷らしい傷はない。
いや、ついていたとしてもすぐに回復している可能性もあるが。
どちらにせよ、である。
「って言うか、何か動き良くなってないっ!? 気のせい!?」
親友の言も尤もだ。
先程までよりも、明らかに動きにキレがあった。
「――!」
何かを察した声に眉根を顰めたが、答えはすぐ隣から上がる。
「ジャンヌ姉! 恐竜が消えてる!」
「っ……そういう事かっ」
ならば、向こうは果たした。
次はジャンヌ達の番である。
「せぇー、っの!」
掛け声と共に、ミランヌが凄まじい速度で突っ走り、足へと打撃を与えた。
衝撃音だけでその威力の程は知れようと言うものである。
あまり意に介していない感じの所へ、一拍遅れの大剣をブチ込み、斬り落とす。
即座に、とまでは行かないものの、回復はしていく。
――埒は明く。んだけれどもっ。攻撃の手が無さ過ぎるのも問題だねっ。
現状、単眼竜相手に真面に攻撃を通せるのはジャンヌとミランヌのみであった。
そもそも、全長が三十メトルを越える巨体である。
正直、人間が正面切って戦う存在ではない。
本来であれば、それこそ弾道弾を雨霰の様に叩き込む、対国家戦だろう。
「周囲が大体掃討されてきたのだけが唯一の救いっ」
これに関してはアラン達のお陰もあるが、と言うより、単眼竜との戦闘が多少広がったのもあって、ついでとでも言う様に潰されて行っている、と表現した方が近い。
それでいて尚も数は居るのだから、ため息を吐く間も無かった。
「魔法使え魔法っ」
「きちんと出来ればやってる、ってーのっ! 文句言うなら投げるよっ!?」
巨体が引っ込んだ。
代わりに、義妹が袖口で汗を拭いながら隣に並ぶ。
「もーう。かなり斬ってるとは思うんだけど……っ」
「それね。でも、こんなの相手に立ち回れるの、私達位しか居ないし。にしても、時間掛けて削らなきゃならないのに、こっちは時間無いから早めにケリつけたいしで。酷い矛盾だわホント」
二人して顔を顰める。
ここまでの時間を正確に計っている訳ではないが、少なくとも数時間は経つ。
ジャンヌ達とて体力は無限ではない。そして、それ以上に他の者達の数値は低く、それでいて疲労度合いが大きい為、物理的な限界が近かった。
早期決着が望ましいのだが、
――出来れば苦労はしてないのよっ。
「――!!」
歯噛みしながら、単眼竜と打ち合いを再開。
基本は巨体を活かした、こちらを押し潰す様な体当たりにも近い攻撃。
女傑二人は、その終わり際に合わせて前足や胸辺りへ通していく形。
だが、
「ちぃっ」
そこへ逆に合わせて、上半身を持ち上げる事で回避行動を入れてくる。
後ろの二本足のみで身体を固定し、そのまま右の一歩。
「ジャンヌ姉っ!」
から、身体を一回転させた。
飛んでくるのは、鞭の様に撓った尻尾の一撃。
「っ!」
迎撃は、下段からの一太刀。
斬り飛ばした。
止まらない。
剣身を水平に持っていけば、微かな重みが追加されるが、それを意に介する事なく一回転。
「行ってこいっ!」
さきの親友よろしく、今度は義妹を撃ち出した。
「尻尾を相手の顔面に……シュート!!」
空中での驚異的な身体操作により、彼女は消えて行く尻尾を言葉通りに射出。
「超! 爽快刺激的!」
寸分違わぬ箇所へ弾着させた。
派手な衝撃音が戦場に響く。
頭が大きく上へ伸び上がった以上、無傷とは思いたくない。
「『轟け轟け。雷鳴よ。走れ走れ。稲妻よ。神の如き自然の理をここに顕現せよ』」
詠唱開始。
「『幾重幾層、雷を束ね、形を成すは白き槍。天へと逆巻き貫き穿て。我が雷槍。ただただ打ち抜く最速の矛なり』」
両手の間に言葉通りの物が構成されていく。
「『今こそ来たりて、あらゆる敵を撃滅せんっ』」
大きく一歩を踏み込んだ。
続けて、胸を反っていく。
左投げの投擲体勢。
目標はただ一点。
「『雷撃槍っ』」
開いた左手で、押し出す様に発射。
地上から空へ向けて、一筋の白が走った。
数瞬遅れて、轟音。
瞬き以下で確かに頭部を直撃する道程を辿った筈だった。
が、
「くそっ。外れたっ!」
踏鞴を踏み、大きく崩れた巨体。
それによって振られる事をも想定した上での一撃。
しかし、偶然かどうかはさておいて、体勢を整える為か、本来の可動域以上に広がった翼を紙切れ同然に突き破ったその先に目標物は無い。
とはいえ、首を掠めて幾ばくかを消し飛ばしたので、全くの無駄打ちではないだろう。
単眼竜が更に追加で大きくよろめいたのが良い証拠だった。
「――」
男女の声が入り交じった、喋り掛ける様な声色。
最も、言葉も分からない上、友好的なものでもないのは明らかではある。
――でも、今ので確実に警戒度は上がったかも。
思いつつ、落下地点に入って数秒待機すれば、丁度義妹が腕に収まった。
「どうぞお嬢さん」
「……あざす……」
丁寧に地面へと下ろし、突き立てていた愛剣を引き抜けば、両手を広げていた親友と目が合う。
「さて、どうにかして今のレベルを頭にぶち当てるか叩き斬るかなんだけど」
無視して先に進めた。
「って言うか、今のを当てれば勝てたのでは……?」
「はいはいノーコンでしたー。ごめんなさいねー」
ものの、痛い所を突かれたのもあり、ため息混じりに追い出していく。
「二度は無さそうねぇ」
ミランヌの暢気な指摘の間にも、既に敵は動き始めている。
頭も、完全にこちらを見定めており、生半可な攻撃では直撃も厳しそうだ。
「――!」
咆哮一つ。
「何か案はあるか、軍師殿」
「えっ? いや、えぇ? いきなり言われても……っ」
一歩、二歩と竜が動く。
反応は早くなっているが、身体が大きい事に変わりは無い。
鈍重、とは行かないまでも、しっかりとした足取り。
「え。えぇと。えぇと?」
三歩目。
「……あっ! アレはっ!? 巨大魚を二つにしたアレっ!」
「バララムート戦のアレか……」
四歩目。
――詠唱自体は……なんとかいけるか……っ。
逡巡。
その時の熱はある。が、時間も確保する為にジャンヌは叫んだ。
「とりあえず数十秒位はヘイト集めろ! さっきので迂闊に集中してたらやられそうだ!」
五歩目。
両前足が地を離れ、身体が伸び上がる。
「ジャンヌお守り隊だな! 任せろ!」
「名前ダッサ!!」
勢い良く落ちた足と、その後の衝撃を縫う様にしてジャンヌも前に出た。
見上げれば、その視線だけは後を追って来ている。
――執着か怒りかは読めない所だけれど。
「――、―!?」
途中で、ほんの僅か体勢が崩れた。
「私だけ見てたって仕方ないでしょうにっ!」
疾走から飛び込み、後ろ足に取り付いての切断。
一瞬遅れた反応を見せつつも降ってきた尻尾の先端を輪切りに。
そのまま、動き回って斬撃を叩き込んでいく。
身体が向いてくる中で回復もされていくが、構わない。
「っ!」
一息吐いたこちらに合わせて、前の方から響いてくる衝撃音に、単眼が迷った仕草を見せた。
数段増した威力に、さしもの竜も無視する訳にはいかなったらしい。
――ホント頼りになる二人だことで。
一人は勿論ではあるが、もう一人がどこまで助力出来ているかは少々疑問符ではあるが。
「さて……、っ!?」
記憶を辿ろうとした刹那。
かなり減っていたであろう人型ロキ数体の奇襲に、反応は一拍遅れたが、次の瞬間には霧散し、方々へと空を飛んでいた。
「……此処にも、頼りになる二人が居ましたか」
槍斧を携えた巨漢、クントゥー・ファウス。
飾り気の無い槍を持つ美男子、アラスタンヒル・ランス。
「はっはっ。何、急に走り出したもので、どうしたものかと思いましたが。判断が正しかった様で」
「えぇ。私の方が遅れた位ですよ。リーグォの名は返した方が良いでしょうね」
双方、全くの無傷とはいかないまでも、息もそこそこに五体満足である。
「ジャンヌ殿の策。ここが使いどころ、と言うやつですか?」
いつも通りの口調。
ジャンヌもいつも通りで返す。
「策がなかったらどうする気ですか、って感じですけどっ。残念ながら今がその時なので、お願いしますねっ!」
二人が警護に付いた。
だから、
「今その巨体、たたっ切ってあげるっ!」
ヴァルグを両手で握り、構え、深呼吸を一つ。
告げる。
叩き付けて来る様な単眼竜の頭の動きに対して、その横っ面を叩き斬る動きで引っぱたいたジャンヌは、そんな愚痴を吐いた。
転倒こそしたが、翼を一打ち。
即座に体勢を戻す巨体に、傷らしい傷はない。
いや、ついていたとしてもすぐに回復している可能性もあるが。
どちらにせよ、である。
「って言うか、何か動き良くなってないっ!? 気のせい!?」
親友の言も尤もだ。
先程までよりも、明らかに動きにキレがあった。
「――!」
何かを察した声に眉根を顰めたが、答えはすぐ隣から上がる。
「ジャンヌ姉! 恐竜が消えてる!」
「っ……そういう事かっ」
ならば、向こうは果たした。
次はジャンヌ達の番である。
「せぇー、っの!」
掛け声と共に、ミランヌが凄まじい速度で突っ走り、足へと打撃を与えた。
衝撃音だけでその威力の程は知れようと言うものである。
あまり意に介していない感じの所へ、一拍遅れの大剣をブチ込み、斬り落とす。
即座に、とまでは行かないものの、回復はしていく。
――埒は明く。んだけれどもっ。攻撃の手が無さ過ぎるのも問題だねっ。
現状、単眼竜相手に真面に攻撃を通せるのはジャンヌとミランヌのみであった。
そもそも、全長が三十メトルを越える巨体である。
正直、人間が正面切って戦う存在ではない。
本来であれば、それこそ弾道弾を雨霰の様に叩き込む、対国家戦だろう。
「周囲が大体掃討されてきたのだけが唯一の救いっ」
これに関してはアラン達のお陰もあるが、と言うより、単眼竜との戦闘が多少広がったのもあって、ついでとでも言う様に潰されて行っている、と表現した方が近い。
それでいて尚も数は居るのだから、ため息を吐く間も無かった。
「魔法使え魔法っ」
「きちんと出来ればやってる、ってーのっ! 文句言うなら投げるよっ!?」
巨体が引っ込んだ。
代わりに、義妹が袖口で汗を拭いながら隣に並ぶ。
「もーう。かなり斬ってるとは思うんだけど……っ」
「それね。でも、こんなの相手に立ち回れるの、私達位しか居ないし。にしても、時間掛けて削らなきゃならないのに、こっちは時間無いから早めにケリつけたいしで。酷い矛盾だわホント」
二人して顔を顰める。
ここまでの時間を正確に計っている訳ではないが、少なくとも数時間は経つ。
ジャンヌ達とて体力は無限ではない。そして、それ以上に他の者達の数値は低く、それでいて疲労度合いが大きい為、物理的な限界が近かった。
早期決着が望ましいのだが、
――出来れば苦労はしてないのよっ。
「――!!」
歯噛みしながら、単眼竜と打ち合いを再開。
基本は巨体を活かした、こちらを押し潰す様な体当たりにも近い攻撃。
女傑二人は、その終わり際に合わせて前足や胸辺りへ通していく形。
だが、
「ちぃっ」
そこへ逆に合わせて、上半身を持ち上げる事で回避行動を入れてくる。
後ろの二本足のみで身体を固定し、そのまま右の一歩。
「ジャンヌ姉っ!」
から、身体を一回転させた。
飛んでくるのは、鞭の様に撓った尻尾の一撃。
「っ!」
迎撃は、下段からの一太刀。
斬り飛ばした。
止まらない。
剣身を水平に持っていけば、微かな重みが追加されるが、それを意に介する事なく一回転。
「行ってこいっ!」
さきの親友よろしく、今度は義妹を撃ち出した。
「尻尾を相手の顔面に……シュート!!」
空中での驚異的な身体操作により、彼女は消えて行く尻尾を言葉通りに射出。
「超! 爽快刺激的!」
寸分違わぬ箇所へ弾着させた。
派手な衝撃音が戦場に響く。
頭が大きく上へ伸び上がった以上、無傷とは思いたくない。
「『轟け轟け。雷鳴よ。走れ走れ。稲妻よ。神の如き自然の理をここに顕現せよ』」
詠唱開始。
「『幾重幾層、雷を束ね、形を成すは白き槍。天へと逆巻き貫き穿て。我が雷槍。ただただ打ち抜く最速の矛なり』」
両手の間に言葉通りの物が構成されていく。
「『今こそ来たりて、あらゆる敵を撃滅せんっ』」
大きく一歩を踏み込んだ。
続けて、胸を反っていく。
左投げの投擲体勢。
目標はただ一点。
「『雷撃槍っ』」
開いた左手で、押し出す様に発射。
地上から空へ向けて、一筋の白が走った。
数瞬遅れて、轟音。
瞬き以下で確かに頭部を直撃する道程を辿った筈だった。
が、
「くそっ。外れたっ!」
踏鞴を踏み、大きく崩れた巨体。
それによって振られる事をも想定した上での一撃。
しかし、偶然かどうかはさておいて、体勢を整える為か、本来の可動域以上に広がった翼を紙切れ同然に突き破ったその先に目標物は無い。
とはいえ、首を掠めて幾ばくかを消し飛ばしたので、全くの無駄打ちではないだろう。
単眼竜が更に追加で大きくよろめいたのが良い証拠だった。
「――」
男女の声が入り交じった、喋り掛ける様な声色。
最も、言葉も分からない上、友好的なものでもないのは明らかではある。
――でも、今ので確実に警戒度は上がったかも。
思いつつ、落下地点に入って数秒待機すれば、丁度義妹が腕に収まった。
「どうぞお嬢さん」
「……あざす……」
丁寧に地面へと下ろし、突き立てていた愛剣を引き抜けば、両手を広げていた親友と目が合う。
「さて、どうにかして今のレベルを頭にぶち当てるか叩き斬るかなんだけど」
無視して先に進めた。
「って言うか、今のを当てれば勝てたのでは……?」
「はいはいノーコンでしたー。ごめんなさいねー」
ものの、痛い所を突かれたのもあり、ため息混じりに追い出していく。
「二度は無さそうねぇ」
ミランヌの暢気な指摘の間にも、既に敵は動き始めている。
頭も、完全にこちらを見定めており、生半可な攻撃では直撃も厳しそうだ。
「――!」
咆哮一つ。
「何か案はあるか、軍師殿」
「えっ? いや、えぇ? いきなり言われても……っ」
一歩、二歩と竜が動く。
反応は早くなっているが、身体が大きい事に変わりは無い。
鈍重、とは行かないまでも、しっかりとした足取り。
「え。えぇと。えぇと?」
三歩目。
「……あっ! アレはっ!? 巨大魚を二つにしたアレっ!」
「バララムート戦のアレか……」
四歩目。
――詠唱自体は……なんとかいけるか……っ。
逡巡。
その時の熱はある。が、時間も確保する為にジャンヌは叫んだ。
「とりあえず数十秒位はヘイト集めろ! さっきので迂闊に集中してたらやられそうだ!」
五歩目。
両前足が地を離れ、身体が伸び上がる。
「ジャンヌお守り隊だな! 任せろ!」
「名前ダッサ!!」
勢い良く落ちた足と、その後の衝撃を縫う様にしてジャンヌも前に出た。
見上げれば、その視線だけは後を追って来ている。
――執着か怒りかは読めない所だけれど。
「――、―!?」
途中で、ほんの僅か体勢が崩れた。
「私だけ見てたって仕方ないでしょうにっ!」
疾走から飛び込み、後ろ足に取り付いての切断。
一瞬遅れた反応を見せつつも降ってきた尻尾の先端を輪切りに。
そのまま、動き回って斬撃を叩き込んでいく。
身体が向いてくる中で回復もされていくが、構わない。
「っ!」
一息吐いたこちらに合わせて、前の方から響いてくる衝撃音に、単眼が迷った仕草を見せた。
数段増した威力に、さしもの竜も無視する訳にはいかなったらしい。
――ホント頼りになる二人だことで。
一人は勿論ではあるが、もう一人がどこまで助力出来ているかは少々疑問符ではあるが。
「さて……、っ!?」
記憶を辿ろうとした刹那。
かなり減っていたであろう人型ロキ数体の奇襲に、反応は一拍遅れたが、次の瞬間には霧散し、方々へと空を飛んでいた。
「……此処にも、頼りになる二人が居ましたか」
槍斧を携えた巨漢、クントゥー・ファウス。
飾り気の無い槍を持つ美男子、アラスタンヒル・ランス。
「はっはっ。何、急に走り出したもので、どうしたものかと思いましたが。判断が正しかった様で」
「えぇ。私の方が遅れた位ですよ。リーグォの名は返した方が良いでしょうね」
双方、全くの無傷とはいかないまでも、息もそこそこに五体満足である。
「ジャンヌ殿の策。ここが使いどころ、と言うやつですか?」
いつも通りの口調。
ジャンヌもいつも通りで返す。
「策がなかったらどうする気ですか、って感じですけどっ。残念ながら今がその時なので、お願いしますねっ!」
二人が警護に付いた。
だから、
「今その巨体、たたっ切ってあげるっ!」
ヴァルグを両手で握り、構え、深呼吸を一つ。
告げる。
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