179 / 188
第179話 蟲のダンジョン 上層ボス戦
しおりを挟む
俺はその鬱憤を晴らすように、23~30層のボス部屋前まで魔物を一掃して進んだ。
宝箱からは“ストレングスリングS“や"デクスティティリングS“などが大量に出たが、既に装備限界の十個を超えたので不要だ。
『はぁ…超激レア装備欲しかったな…』
ないものねだりしても仕方がない。
30層、31層のボス戦で良いものを獲得できることを期待しよう。
『…油断して挑んだら死ぬかもしれない。気を取り直して挑もう。』
俺はボス部屋の扉に触れ、死の魔力を注ぎ込んだ。
今回もそれなりの吸収速度と吸収量だったが、せいぜいグレイの半分くらいのステータス値だろう。
MP回復ポーションを飲んでMPを全快させ、全てのバフをかけた。
攻略本によると30層と31層が連戦になるということなので、自身の周りに結界魔法“絶対不可侵結界“を数十枚展開しておいた。
「すぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁ…よし!」
深呼吸して落ち着き、ゆっくりと扉を開けた。
目の前には破壊不能オブジェクトであるダンジョンの壁に囲われた、非常に広い空間が広がった。
そして最奥の天井に直径50mほどの巨大な巣が出来ており、その巣の中からブンブンと羽音を立てながら体長5mほどの蜂の魔物が大量に出てきた。
『うわ気持ちわる…!!』
22層の時と同様に、近づいて攻撃してきたところを限界突破魔法で一掃してしまおう。
俺は右手に火属性魔法限界突破Lv.1“業火球“をストックした。
『よし、来い!…って、は!?!?』
蜂の魔物達が先程から巨大な針をこちらに向けており、威嚇しているのだと思っていた。
しかし、今改めて見てみると針の先端に何やら魔法陣が浮かんでいた。
『魔法使うのかよ…!!あ、そうだ。』
“魔法分解“を実践で使う良い機会なので、俺は通常の十倍のMPを消費して“魔法分解“を遠距離で行使した。
すると、巨大な魔力波が蜂魔物の方へ飛んでいった。
そしてその魔力波が魔法陣に当たった瞬間、次々魔法陣が砕けて魔力に霧散していった。
『おぉ…!成功だ!!』
魔法が行使できなくなったことに動揺したのか、巣の中からひと回り大きい蜂が出てきた。
そしてそいつは魔法が行使できなかった蜂達と何やら交信のようなものを始めた。
おそらくこいつが女王蜂だろう。
『そうと分かれば…食らえ!!』
俺は“業火球“を蜂の巣の目の前に“転移“し、直撃させた。
ユニークスキルで防がれた可能性を考慮し、“レーダー“で生体反応を見た。
すると普通の蜂魔物は消滅しており、残ったのは女王蜂とその取り巻きの蜂だけのようだ。
『あと六匹…このまま仕留める!!』
俺は“業火球“の火が消える前に水属性魔法限界突破Lv.1“止水球“を行使し、本来よりは小規模だが大爆発を引き起こした。
『これでどうだ…?』
爆発が収まり、もくもくと煙が立つ中に一つの影が見えた。
そして煙が完全に晴れると、警護の蜂は倒れたが、女王蜂は怪我さえ負っていなかった。
『なっ…!?!?無傷だと…!?!?』
急いで女王蜂を“鑑定“すると、“ダメージ転嫁“というユニークスキルを持っていた。
効果は自身へのダメージを全て配下に転嫁するというものだった。
『くっ…!でもたかが警護の蜂五匹で負えるダメージ量じゃなかった筈だ…!!』
再度“鑑定“すると、女王蜂はもう一つユニークスキルを習得していた。
そのスキルは“絶対防御“という名で、効果はMPの続く限りあらゆる攻撃を防御し無効化するというものだった。
『は…?それはチートだろ…』
しかし“MPの続く限り“ということなので、MPを全て削ってしまえば良いだけの話だ。
女王蜂の残りMPは最大値の1/3程度だった。
『限界突破魔法一つを完全に無効化するのにMP1/3か…ならこれで終わりだな!!』
俺は右手で火属性魔法限界突破Lv.1“業火球“を、左手で風属性魔法限界突破Lv.1“暴風球“を行使し、女王蜂目掛けて放った。
女王蜂は回避を試み、避けられそうになったが“魔力念操作“で直撃させた。
数分後
“業火球“と“暴風球“の爆発が収まり、前を見ると焦げた女王蜂の死体が地面に転がっていた。
『あれ食らって原型止めるのかよ…上層のボスなだけあったってことだな…』
予想外の事態が起きて戸惑ったが、無事討伐完了できてよかった。
俺は女王蜂の死体を“鑑定“し、“ダメージ転嫁“と“絶対防御“のスキルを"略奪“した。
ドロップは“賢者のブレスレットSS“という腕輪で、効果は“最大MP60%上昇“というものだ。
『よっしゃ!!当たりだ…!!』
女王蜂のステータス値でMPだけが異様に高かったのは、この腕輪をつけていたことが原因だったのだろう。
『…なんだ?』
魔王候補者になったことでステータス値が大幅に上がり、最近鳴らなかった“危険察知“がかすかに警鐘を鳴らしている。
おそらく31層のラスボスとの連戦が始まるのだろう。
俺は不意の攻撃に備え、自身の周りに結界魔法“絶対不可侵結界“を数十枚展開し、さらに“絶対防御“も行使した。
『さぁ…どこからでも来い!!』
宝箱からは“ストレングスリングS“や"デクスティティリングS“などが大量に出たが、既に装備限界の十個を超えたので不要だ。
『はぁ…超激レア装備欲しかったな…』
ないものねだりしても仕方がない。
30層、31層のボス戦で良いものを獲得できることを期待しよう。
『…油断して挑んだら死ぬかもしれない。気を取り直して挑もう。』
俺はボス部屋の扉に触れ、死の魔力を注ぎ込んだ。
今回もそれなりの吸収速度と吸収量だったが、せいぜいグレイの半分くらいのステータス値だろう。
MP回復ポーションを飲んでMPを全快させ、全てのバフをかけた。
攻略本によると30層と31層が連戦になるということなので、自身の周りに結界魔法“絶対不可侵結界“を数十枚展開しておいた。
「すぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁ…よし!」
深呼吸して落ち着き、ゆっくりと扉を開けた。
目の前には破壊不能オブジェクトであるダンジョンの壁に囲われた、非常に広い空間が広がった。
そして最奥の天井に直径50mほどの巨大な巣が出来ており、その巣の中からブンブンと羽音を立てながら体長5mほどの蜂の魔物が大量に出てきた。
『うわ気持ちわる…!!』
22層の時と同様に、近づいて攻撃してきたところを限界突破魔法で一掃してしまおう。
俺は右手に火属性魔法限界突破Lv.1“業火球“をストックした。
『よし、来い!…って、は!?!?』
蜂の魔物達が先程から巨大な針をこちらに向けており、威嚇しているのだと思っていた。
しかし、今改めて見てみると針の先端に何やら魔法陣が浮かんでいた。
『魔法使うのかよ…!!あ、そうだ。』
“魔法分解“を実践で使う良い機会なので、俺は通常の十倍のMPを消費して“魔法分解“を遠距離で行使した。
すると、巨大な魔力波が蜂魔物の方へ飛んでいった。
そしてその魔力波が魔法陣に当たった瞬間、次々魔法陣が砕けて魔力に霧散していった。
『おぉ…!成功だ!!』
魔法が行使できなくなったことに動揺したのか、巣の中からひと回り大きい蜂が出てきた。
そしてそいつは魔法が行使できなかった蜂達と何やら交信のようなものを始めた。
おそらくこいつが女王蜂だろう。
『そうと分かれば…食らえ!!』
俺は“業火球“を蜂の巣の目の前に“転移“し、直撃させた。
ユニークスキルで防がれた可能性を考慮し、“レーダー“で生体反応を見た。
すると普通の蜂魔物は消滅しており、残ったのは女王蜂とその取り巻きの蜂だけのようだ。
『あと六匹…このまま仕留める!!』
俺は“業火球“の火が消える前に水属性魔法限界突破Lv.1“止水球“を行使し、本来よりは小規模だが大爆発を引き起こした。
『これでどうだ…?』
爆発が収まり、もくもくと煙が立つ中に一つの影が見えた。
そして煙が完全に晴れると、警護の蜂は倒れたが、女王蜂は怪我さえ負っていなかった。
『なっ…!?!?無傷だと…!?!?』
急いで女王蜂を“鑑定“すると、“ダメージ転嫁“というユニークスキルを持っていた。
効果は自身へのダメージを全て配下に転嫁するというものだった。
『くっ…!でもたかが警護の蜂五匹で負えるダメージ量じゃなかった筈だ…!!』
再度“鑑定“すると、女王蜂はもう一つユニークスキルを習得していた。
そのスキルは“絶対防御“という名で、効果はMPの続く限りあらゆる攻撃を防御し無効化するというものだった。
『は…?それはチートだろ…』
しかし“MPの続く限り“ということなので、MPを全て削ってしまえば良いだけの話だ。
女王蜂の残りMPは最大値の1/3程度だった。
『限界突破魔法一つを完全に無効化するのにMP1/3か…ならこれで終わりだな!!』
俺は右手で火属性魔法限界突破Lv.1“業火球“を、左手で風属性魔法限界突破Lv.1“暴風球“を行使し、女王蜂目掛けて放った。
女王蜂は回避を試み、避けられそうになったが“魔力念操作“で直撃させた。
数分後
“業火球“と“暴風球“の爆発が収まり、前を見ると焦げた女王蜂の死体が地面に転がっていた。
『あれ食らって原型止めるのかよ…上層のボスなだけあったってことだな…』
予想外の事態が起きて戸惑ったが、無事討伐完了できてよかった。
俺は女王蜂の死体を“鑑定“し、“ダメージ転嫁“と“絶対防御“のスキルを"略奪“した。
ドロップは“賢者のブレスレットSS“という腕輪で、効果は“最大MP60%上昇“というものだ。
『よっしゃ!!当たりだ…!!』
女王蜂のステータス値でMPだけが異様に高かったのは、この腕輪をつけていたことが原因だったのだろう。
『…なんだ?』
魔王候補者になったことでステータス値が大幅に上がり、最近鳴らなかった“危険察知“がかすかに警鐘を鳴らしている。
おそらく31層のラスボスとの連戦が始まるのだろう。
俺は不意の攻撃に備え、自身の周りに結界魔法“絶対不可侵結界“を数十枚展開し、さらに“絶対防御“も行使した。
『さぁ…どこからでも来い!!』
0
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる