美少年戦士2

第4話

「誰が都を誘拐したんだ」

「都の友達、豊君」

直道の言葉に晶がそう答えると直道は驚きで言葉を失った。

「なぜ豊君が」

「晶、直道、豊という少年は黒い気に身体を奪われて黒天使に変身した」

「悪の黒天使ジュンを倒したのに」

「晶、都を助けに行こう」

「紙には俺、1人で学校に来いって書いてある」

紙を掴んだまま晶が口にすると直道と人間の白猫が口を開いた。

「1人で行くなんて危険すぎる」

「直道の言う通りだ」

「俺1人で行かないと都の命がないんだ」

「危険すぎる」

直道が頭を抱えると晶は直道の顔を見つめながら口を開いた。

「俺と都の帰りをここで待ってて」

「晶、君にもしものことがあったら俺は生きていけない」

「俺は死なないから心配しないで」

そう言って晶と直道は見つめ合った。

「……」

「……」

晶と直道は唇を重ねた。

その後、晶は白と黒の髪に白と黒の羽に白と黒のスーツに白と黒のマントを羽織った姿に変身し学校に向かった。

「……」

人間の白猫は直道に築かれないように白猫に変身し晶のあとを追いかけていった。

ー誰もいない学校ー

誰もいない教室で都は机で仰向けのまま眠っていた。

「うう…」

目を覚ますと都は身体を起こし机からおりた。

そこへ豊が現れた。

都と豊は見つめ合った。

「豊」

「白と黒の水晶、頂いたよ」

都に近づきながら豊が白と黒の水晶のネックレスを都に見せると都は首に触れ驚いた顔で豊を見つめた。

「母さんから貰った大事なものなんだ、返せ」

「……」

奪い取ろうとする都の手首を掴み豊は都を突き放した。

「豊様」

ミョウとセイが姿を見せると豊が口を開いた。

「ミョウ、セイ、都を体育館に連れていき黒い気に閉じ込めておけ」

「かしこまりました」

そう言ってミョウとセイが都を連れて教室を出ていくと豊は机に座り白と黒の水晶を見つめた。

「綺麗な水晶だ」

「豊君、どこにいるんだ、豊君」

「……」

晶の声が聞こえ豊は机に座りながら「ここです」と返事をした。

白と黒の髪に白と黒の羽に白と黒のスーツに白と黒のマントを羽織った姿の晶が現れ教室の中に入った。

「豊君、都はどこにいるんだ」

「その姿、この水晶の力ですか？」

そう言って豊が白と黒の水晶のネックレスを見せると晶は驚いた。

「それは俺が都に渡した水晶、都から奪ったのか」

「……」

机からおり豊は晶に近づいた。

そして豊は晶の顎を掴み口を開いた。

「あなたは素敵だ」

そう言って豊は晶の顎を掴んだまま唇を重ねた。

晶は豊を離れさせ強く豊の頬を叩いた。

豊は笑みを浮かべ口を開いた。

「晶さん、お休みなさい」

「え…」

ふらつき晶はうつ伏せで倒れた。

「晶！」

白猫が現れると豊が口を開いた。

「猫が何のようだい」

「そのネックレスは都のものだろ都をどうした、晶に何をした」

怒った口調で白猫が口にすると睨みつけながら豊が口を開いた。

「うるさい猫だ」

そう言って豊が手で光線を放つと白猫は光線を受け倒れた。

豊は晶の身体を仰向けに向けお姫様抱っこし教室を出ていった。

白猫は傷だらけの身体を起こし立ち上がると教室の窓から白い羽を広げ飛ぶと直道の元に向かった。

ー保健室ー

ベッドに仰向けで寝ている晶の顔を見つめると豊は白と黒の水晶のネックレスを晶の首に身につけ唇を重ねた。

その後、豊は保健室を出ていき体育館に向かった。

ー体育館ー

黒い気の中で都は身体が倒れたまま宙に浮いていた。

「……」

「……」

ミョウとセイが見つめていると豊が現れた。

「ミョウ、セイ、晶さんの身内を始末しろ」

「かしこまりました」

ミョウとセイが体育館から姿を消すと豊は黒い気の中の都の姿をじっと見つめた。