ミオロスソラ

飛行船。そこは現実逃避の為の場所で、現実を見つめる為に必要な場所――。


「俺を特別な存在にしてくれませんか?」
彼――セツナが被る赤いキャップの下、収まりの悪そうな長い前髪の奥から気持ちに応えて欲しいと訴えてくる彼の目を見上げたまま、わたしは動けなくなった。
わたしに縁の無さ過ぎる言葉に、一瞬頭の中が真っ白になった。
「ほ、保留で」
取り敢えず何か、と咄嗟に口をついたのがそれだった。
グルグル回る思考を尻目に、澄み切った青空を、飛行船が呑気に泳いでいた。


図書館勤めのわたし『紬』が、『セツナ』からの告白によって飛行船でティーマスターをしている『本処さん』への憧れの気持ちを恋心に昇華して、招いた結果とは。

全12回。


☆メモ☆
2015年1月 二次創作で頒布
2017年9月 一次創作に直してpixiv掲載
2018年8月 それを更に修正してカクヨム掲載
2019年   更にこちらで公開
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