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2、異世界で就職活動?!
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ん? うずくまって着ていた膝が痛くない? 何か違和感が。
「コレ、石畳だよな? 全然痛くねえ。って言うかコルク素材みてえ? 何だよこのクッション性は?」
パカポコパカポコパカポコパカポコパカポコッ!
「え?! あの足は馬だよな? 蹄も馬のだし」
本数が多過ぎじゃねえか? なんで八本もあるんだよ?!
「おい! そこのお前! 道の真ん中で何をしている! 端によらないか!」
「は、ハイィ~?!」
八本足の馬に乗った人物(?)に恫喝されて慌てて道のはじに飛びのいた。
すっげーイケメン! 声もイイじゃん。
でも、オレが目を離せないのはそれだけじゃない。
耳が頭の上に生えている!
ケモミミじゃん! 良く見ると馬(?)の背中にフサフサのワンコしっぽがあるじゃん!
このイケメン、ワンコしっぽと犬耳着けてるぅぅ!
すっげーモフりてえ!
ああ~!……。いっちゃったぁ。
「ふわあ~! 良いもん見たぁ~」
「アハハ! あんた良くそんなにのんきな事が言えるわねぇ~!」
うわぁ! 猫じゃん! この耳としっぽは、絶対に猫じゃん!
「騎士団が遠征から帰って来てるんだよ! 危ないから早くこっちに来な!」
「あの、お姉さんはここの人ですか?」
猫のお姉さんも気になったんだけど、それよりも美味しそうな匂いに、猛烈な空腹感を思い出した。
グウウゥゥ~!
やべえ! めっちゃでけえ腹の音がなった!
コレ、絶対に聞こえた筈だよ。
「いやだよぉ~! お姉さんだなんて、こんなおばさんをつかまえて。なんだい? 腹が減ってるのかい?」
「ハア、もうペコペコなんですが、お金が無くて、ここで働かせて貰えませんか?」
「なんだい? こんな子供を働かせるほどうちは困っちゃいないよ! 良いから食べて行きな!」
うわあ! いい人(?)だ! でもオレ、子供じゃねえし。
いくつに見えてるんだ?
でも、今日から住む所もねえし。
どうしたらいいんだ?
「あのう! ここで、住み込みで働かせて貰えませんか?」
「ん? あんた住む所もないのかい?」
どうしよう? 正直に全部話して信じて貰えるか?
オレだったら、絶対に信じねえ自信があるぞ。
ここは田舎から出てきて、スリにでもあった事にしようか?
「は、はいっ! 田舎から出てきて、今日ここに着いたんですけど、置き引きにあったみたいで、荷物もお金も全部なくしてしまって、困っています。ここで働かせて下さい! お願いします!」
就職浪人してアルバイト三昧のオレは、色んな仕事をしてきた。
なんでも小器用にこなせる。
親にまで言われてしまったが《器用貧乏》だよ!
何にでも興味を持つオレは、あらゆる事が出来るようになっていったんだ。
ホントに、なんで就職出来なかったんだよ?!
『君ならばもっと良い仕事に就けるだろう? うちでは持て余すから、君、資格も多いし、うちの給料じゃ見合わないだろう?』
『いえ! 御社がとても魅力的ですので、是非ともここで働かせて下さい!』
って、結局、不採用だったんだよなぁ~。
資格が多過ぎって事の、どこが駄目なんだよ?!
もっと良い仕事ってなんだよ?! オレの何を持て余すんだよ?!
働かせてくれよ!
働きたいんだよ!
ああ~! ここでもオレは雇って貰えないのか?
アルバイトだって、向こうがどんどん勝手に歩合給とかいって、給料を上げていって、結局、払えねえから辞めてくれって言われてたんだよなぁ。
なんで頑張って働いて辞めさせられるんだよ?!
訳が分かんねえよ!
オレ、ブラック企業でもドンと来いなのに、残業し過ぎって言われて辞めさせられたし。
労働局? 労働基準法?監督署って、それがなんだよ?! バイトがサービス残業しても駄目なのかよ?!
業績が上がり過ぎってなんだよ?!
上がったんだから、良いじゃん!
オレはアルバイトだし、どんどん使ってくれよ~!
あ、何か思い出して悲しくなってきた。
「なんだい、そんな、あんた、何も泣かなくても良いじゃないか。子供だけどイイよ、うちで雇ってやるから泣き止みな! さあ、コレ食べて元気出しなよ!」
「スビッ。はいっ! ありがとうございます!」
こうしてオレは異世界で美味いメシと、住む所と仕事を手に入れた。
「コレ、石畳だよな? 全然痛くねえ。って言うかコルク素材みてえ? 何だよこのクッション性は?」
パカポコパカポコパカポコパカポコパカポコッ!
「え?! あの足は馬だよな? 蹄も馬のだし」
本数が多過ぎじゃねえか? なんで八本もあるんだよ?!
「おい! そこのお前! 道の真ん中で何をしている! 端によらないか!」
「は、ハイィ~?!」
八本足の馬に乗った人物(?)に恫喝されて慌てて道のはじに飛びのいた。
すっげーイケメン! 声もイイじゃん。
でも、オレが目を離せないのはそれだけじゃない。
耳が頭の上に生えている!
ケモミミじゃん! 良く見ると馬(?)の背中にフサフサのワンコしっぽがあるじゃん!
このイケメン、ワンコしっぽと犬耳着けてるぅぅ!
すっげーモフりてえ!
ああ~!……。いっちゃったぁ。
「ふわあ~! 良いもん見たぁ~」
「アハハ! あんた良くそんなにのんきな事が言えるわねぇ~!」
うわぁ! 猫じゃん! この耳としっぽは、絶対に猫じゃん!
「騎士団が遠征から帰って来てるんだよ! 危ないから早くこっちに来な!」
「あの、お姉さんはここの人ですか?」
猫のお姉さんも気になったんだけど、それよりも美味しそうな匂いに、猛烈な空腹感を思い出した。
グウウゥゥ~!
やべえ! めっちゃでけえ腹の音がなった!
コレ、絶対に聞こえた筈だよ。
「いやだよぉ~! お姉さんだなんて、こんなおばさんをつかまえて。なんだい? 腹が減ってるのかい?」
「ハア、もうペコペコなんですが、お金が無くて、ここで働かせて貰えませんか?」
「なんだい? こんな子供を働かせるほどうちは困っちゃいないよ! 良いから食べて行きな!」
うわあ! いい人(?)だ! でもオレ、子供じゃねえし。
いくつに見えてるんだ?
でも、今日から住む所もねえし。
どうしたらいいんだ?
「あのう! ここで、住み込みで働かせて貰えませんか?」
「ん? あんた住む所もないのかい?」
どうしよう? 正直に全部話して信じて貰えるか?
オレだったら、絶対に信じねえ自信があるぞ。
ここは田舎から出てきて、スリにでもあった事にしようか?
「は、はいっ! 田舎から出てきて、今日ここに着いたんですけど、置き引きにあったみたいで、荷物もお金も全部なくしてしまって、困っています。ここで働かせて下さい! お願いします!」
就職浪人してアルバイト三昧のオレは、色んな仕事をしてきた。
なんでも小器用にこなせる。
親にまで言われてしまったが《器用貧乏》だよ!
何にでも興味を持つオレは、あらゆる事が出来るようになっていったんだ。
ホントに、なんで就職出来なかったんだよ?!
『君ならばもっと良い仕事に就けるだろう? うちでは持て余すから、君、資格も多いし、うちの給料じゃ見合わないだろう?』
『いえ! 御社がとても魅力的ですので、是非ともここで働かせて下さい!』
って、結局、不採用だったんだよなぁ~。
資格が多過ぎって事の、どこが駄目なんだよ?!
もっと良い仕事ってなんだよ?! オレの何を持て余すんだよ?!
働かせてくれよ!
働きたいんだよ!
ああ~! ここでもオレは雇って貰えないのか?
アルバイトだって、向こうがどんどん勝手に歩合給とかいって、給料を上げていって、結局、払えねえから辞めてくれって言われてたんだよなぁ。
なんで頑張って働いて辞めさせられるんだよ?!
訳が分かんねえよ!
オレ、ブラック企業でもドンと来いなのに、残業し過ぎって言われて辞めさせられたし。
労働局? 労働基準法?監督署って、それがなんだよ?! バイトがサービス残業しても駄目なのかよ?!
業績が上がり過ぎってなんだよ?!
上がったんだから、良いじゃん!
オレはアルバイトだし、どんどん使ってくれよ~!
あ、何か思い出して悲しくなってきた。
「なんだい、そんな、あんた、何も泣かなくても良いじゃないか。子供だけどイイよ、うちで雇ってやるから泣き止みな! さあ、コレ食べて元気出しなよ!」
「スビッ。はいっ! ありがとうございます!」
こうしてオレは異世界で美味いメシと、住む所と仕事を手に入れた。
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