おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ｵﾗｵﾗｵﾗｵﾗ

第21話 いびり倒してやろう

「おいゴミムシども。　我らが皇女陛下であるミサト様が貴様らゴミムシたちを、何故この天空城の周りをうろついているのか、その理由を詳しく聞きたいらしくってよ、生きた状態で連れてこいとの事だ。　俺は面倒くさい事や意味のない事をするのが嫌いなんだ。　だから大人しく俺について来い」

　そしてこれからの俺たちの行動をどうしようかと悩んでいるその時、急に目の前に現れた虎の獣人であろう者から声をかけられるではないか。

　ここでこの者と争うのも得策ではないであろうし、そもそもどのように行けば城に行けるのかも分からないのである。

　そんな俺たちに対して、口調こそは荒っぽいんだが『城へと連れて行ってやる』という事なので俺は団員たちと共にこの虎の獣人に案内を頼むのであった。


◆


「して、何故お前たちは私の国へなんの連絡も寄こさず勝手に入ろうとしたのか……私が納得できる理由を教えてくれないかしら？」

　目の前には先ほどまで天空城の周りをうろついていたハエどもが膝をつき私に向かって頭を垂れている。

　なんでこんな事になってしまったのか、私は頭を抱えて床を転げ回りたい衝動にかられてくる。

　私はただ『まったく、なんでこんなに必死になって天空城へ行こうとしているのかしらね……。　私の承認がない者は何回試そうが私の島、天空城へは入って来る事はできないのに……』と呟いただけであり、だからといって彼らを私の前まで連れて来るとは思わないじゃないっ！！

　だから私は悪くないっ！　悪いのは冗談も通じない私の子供たちの方であるっ！！

　と言いたいのだが、その子供たちを育て上げたのは私である以上、巡り巡って子供たちへの批判は私に返ってくるわけで……。

　そして、誰が悪いかと言われれば私が悪いという事になるのだ。

　そもそもこの者たちはどうせ皇帝陛下あたりから天空城へ行ってこいとか何とか言われただけであろう事も分かっているのだ。

　そう考えると今私物凄く嫌な上司みたいな質問してるじゃん……。　とすこしだけ自己嫌悪に陥ってしまうのだが、そもそもこいつらのトップである皇帝陛下の動きがどう考えても私たちと友好的な関係を築きたいというよりかは一方的に侵略してやりたいというのがヒシヒシと伝わってくるので、嫌な上司みたいだなとは思うのだがそれを止めてあげるつもりはさらさらない。

　なんならここで苛め抜いて『もう来たくない』って思わせるつもりでいびり倒してやろうとすら思う。

「はっ！　我らはバルシャワ帝国騎士団っ、ワイバーン部隊でございますっ！！　そして我々が天空城へ行こうとしていた理由でございますが、ここ最近天空城の動きに変化が見られた為その原因を突き止める為でございますっ！！」