おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ｵﾗｵﾗｵﾗｵﾗ

第58話 人の言葉が理解できないバカ

　そしてコーネリアは私の前まで来ると跪いて、自分の事について自ら話始めるではないか。

　彼女が話す内容と、私が千里眼の能力を使って見てきた内容と一致しているので嘘を吐いてはいないだろう。

　それにしても、カイザルもダグラスも、どれだけ嫌われていたのだと思わずにはいられない。

　これではカイザルがどうなるのかなど火を見るよりも明らかではないか。

　まぁ、もとよりあのゴミクズみたいな性格をしているカイザルが縛られた状態で城下町に放置されたらどうなるのか分かりきっていたからこそ今回の対応にしたのだけれども、これでお墨付きを得たような感覚である。

　取りあえず、カイザルが死んだら誰か適当に選んで新しい皇帝にすれば良いだろう。

　それこそ私たちに楯突けばどうなるのかというのを骨の髄まで分からされた人物がいれば適任なのだが、最悪私たちに噛みついてこなければこの際誰でも良いだろう。

　はっきり言って帝国がどうなろうがどうでも良いのである。

　私と私の子供たちが幸せの為に生きていくつもりなので、帝国国民の事などを考える事ができるだけの余裕が無いのである。

「うーーん、貴女の国の皇帝とその息子を殺して感謝されるってなんだか変な気分ね。　流石にこんな話ばかりもアレだし帝国の良いところを教えてくれないかしら？」

　そして、流石にこのドロドロとした雰囲気を改善させるために私はコーネリアに帝国の良いところを教えて欲しいと言う。

　このコーネリアは、皇族を心底嫌ってはいるが帝国を嫌っている訳ではない。　むしろ愛国心は強い方であるというのは千里眼で見ていた感じ間違いなだろう。

　そして、愛国心が強い者に自分の国の良いところを話して欲しいと言うと基本的に小一時間は余裕で話してくれるものである。

　この私の読みは当たっていたのかコーネリアは堰を切ったように話し始めるのだが、私の読みが外れていたようで小一時間どころか三時間たってもまだ話し終わる気配が無かったのであった。



◆



「おいキツイぞっ！！　もう少し緩く結べこのグズがっ！！」
「あなたはいつになったら自分の立場を理解できるのかしら～ぁ？」
「多分馬鹿過ぎて理解できる日なんて訪れないと思うぞ」
「貴様等っ！！　我がこの処罰を終えて戻って来た時は覚えておけよっ！！」
「あ、はいはい。　分かりましたから文句を言ってないでさっさと始めますよぉ～っ」

　まったく、こいつらは何度皇帝である我を丁重に扱えと言えば気が済むのだ。

　ここまで人の言葉が理解できないバカな奴らだとは……。