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第65話 軽くパニックになってしまう
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「ミサト様、ラムダより『バルシャワ帝国皇帝カイザル・ドミナリア二世の処刑を、日付変更である二十四時にて終了し、カイザルは辛うじて生きているものの全身は酷い火傷をしており、打撲や出血も酷い為持って数時間ではないか』という報告を先ほどいただきました」
「…………そう」
私は自室で今日も今日とてだらだら過ごしていた。
それはまるで、今までブラック企業で消費してしまった私の時間を取り戻そうとしているかのように。
ちなみにコーネリアは私の護衛騎士に成りたいと日々懇願しに来てり、今も私の傍らで『護衛騎士の真似事』をしていたりする。
当然部外者であるコーネリアは日替わりで入れ替わる私の側仕え担当メイドたちから注意を受けているのだが我関せず、というか『私の人生は全てミサト様に捧げたのだっ!!』などと熱弁してその日担当のメイドたちと意気投合していくというのを繰り返している。
「そうか……やはり国民はカイザルを許さなかったか」
「えぇ。 そしてこんな状況になっているにも関わらずカイザルは『早くハイポーションを寄こせっ!! 処罰は終わった筈だぞっ!!』と、全ての歯が抜け落ちております為文字通り声にならない声で叫んでいるようです。 その点から見てもカイザルは何故こんな状況に陥っているかも理解できていないだけではなく、未だに自分が一番偉いと勘違いしているようです」
「……元仕えていた国とはいえ、帝国の皇帝がここまで酷い頭をしているとは、恥ずかしいかぎりだな……っ!」
「それで、どういたしましょうか? ミサト様」
「うんうん、それは大変だったねぇ…………へ?」
そして帝国の皇帝カイザルなのだが、よっぽど国民から恨みを買っていたのであろ。 元近衛兵でありカイザルの護衛騎士でもあったコーネリアからも辛らつな言葉を投げかられているほどなので相当なのだろ。
それと同時に私もカイザルの事を反面教師にしなければ、あのカイザルの結末が自分の結末になる可能性もあるのだと胸に刻みながらコーネリアとイプシロンの会話を聞いていたのだが、急に話題を私に振られてしまい、軽くパニックになってしまう。
正直言ってカイザルの処刑方法も私は命令しているつもりはなく『変に他国と関わると面倒くさい事になりそうだから、カイザルの対応は国民に委ねてさっさとずらかりましょう』という意味で言っただけである。
蓋を開けてみれば『国民の手で生かすか殺すか決めさせる』という内容に変わっており、私が当初考えていた内容とは全く別物に変わっている時点で『これからどうしましょうか?』と聞かれても分からないとしか言いようがないではないか。
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