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「何あれ感じ悪い」
「気にしなくていいよ、本条が可愛いのは僕たちが知ってるから、ね?」
「そうだよ、自信持って!」
「う、うん……ありがとう?」
とうしてか二人に励まされている状況に頭にはてなマークを浮かべながら、舜はすっかり落ち着いてきた自分の股間を見て、良かったと安堵した。
あのままだったら恥ずかしいやら何やらで作業に集中出来なかった。気を取り直して、さぁ仕事だ!と自分の席に着くと、またしても生徒会室の扉が開いた。
「あの、」
顔を出したのはさっき舜が傷付けてしまった名前も学年も分からない少年だった。
「君は……」
舜が口を開く。しかし、それを遮るように、財前が怒った様子で入り口を睨み付けて言った。
「おい、部外者はノックくらいしろ」
「ひっ!す、すみません!したんですけど気づかなかったようなので……」
「だから勝手に入ったってのか」
『まあまあ』
双子が声を揃えて間に入る。
舜を訪ねてきたであろう少年は財前に怯えながら、まるでキツネリスのように目を潤ませている。
「用はなんだ」
財前が溜め息混じりに聞くと、少年は「本条くんにお願いことがあって……」とちらちらと舜を見た。
財前の視線が舜に向けられる。
「おいヤリチン野郎、お前のセフレが用があるってよ」
「ヤリチ……はぁ、もういいっすわそれで……」
否定するのも面倒くさい。てかセフレじゃないし……。とブツブツ言いながら席を立つと入り口で怯えていた生徒に「廊下で話そっか」と言って二人で外に出た。
「さっきはすみませんでした!」
「いいよいいよ、勘違いとはいえ俺も酷いこと言っちゃったし」
「勘違い?」
「うん、君の言う誘いがその、そういうお誘いだとは思わなくて……」
ピンクパールの頭を掻きながら顔を赤くさせる舜に相手は「えっ」と戸惑う。
「ん?」
「え、えっと、あの!本条くんはいったい何と勘違いを?」
「ゲームのお誘いかと」
俺いま野球ゲームハマってるんだよね。と続けて言うと少年は「野球……ゲーム……」と目を点にさせる。かと思うと両手をわたわた動かして「じゃ、じゃあ!」と切り出した。
「容姿なんて関係ないって言ったのも、僕とのセックスが嫌という訳ではないんですね!?」
「ええ!?いや、あの、」
「どうなんですか!僕のことありですか!なしですか!?」
ずいっと顔を近づけてくる相手から逃げるように後退ると壁に背中がぶつかる。
「はっきり言ってください!!」
「えぇ、えっとぉ……」
はっきり言って同じ男を恋愛対象として見たことがなかった舜はしどろもどろするしかなかった。
目をキョロキョロさせながら言葉を選んでいると、痺れを切らした相手が大声で言う。
「僕本条くんのこと本気なんです!!」
その言葉で舜はこれは適当なことは言えないなと思い、拳をぐっと握った。
「気にしなくていいよ、本条が可愛いのは僕たちが知ってるから、ね?」
「そうだよ、自信持って!」
「う、うん……ありがとう?」
とうしてか二人に励まされている状況に頭にはてなマークを浮かべながら、舜はすっかり落ち着いてきた自分の股間を見て、良かったと安堵した。
あのままだったら恥ずかしいやら何やらで作業に集中出来なかった。気を取り直して、さぁ仕事だ!と自分の席に着くと、またしても生徒会室の扉が開いた。
「あの、」
顔を出したのはさっき舜が傷付けてしまった名前も学年も分からない少年だった。
「君は……」
舜が口を開く。しかし、それを遮るように、財前が怒った様子で入り口を睨み付けて言った。
「おい、部外者はノックくらいしろ」
「ひっ!す、すみません!したんですけど気づかなかったようなので……」
「だから勝手に入ったってのか」
『まあまあ』
双子が声を揃えて間に入る。
舜を訪ねてきたであろう少年は財前に怯えながら、まるでキツネリスのように目を潤ませている。
「用はなんだ」
財前が溜め息混じりに聞くと、少年は「本条くんにお願いことがあって……」とちらちらと舜を見た。
財前の視線が舜に向けられる。
「おいヤリチン野郎、お前のセフレが用があるってよ」
「ヤリチ……はぁ、もういいっすわそれで……」
否定するのも面倒くさい。てかセフレじゃないし……。とブツブツ言いながら席を立つと入り口で怯えていた生徒に「廊下で話そっか」と言って二人で外に出た。
「さっきはすみませんでした!」
「いいよいいよ、勘違いとはいえ俺も酷いこと言っちゃったし」
「勘違い?」
「うん、君の言う誘いがその、そういうお誘いだとは思わなくて……」
ピンクパールの頭を掻きながら顔を赤くさせる舜に相手は「えっ」と戸惑う。
「ん?」
「え、えっと、あの!本条くんはいったい何と勘違いを?」
「ゲームのお誘いかと」
俺いま野球ゲームハマってるんだよね。と続けて言うと少年は「野球……ゲーム……」と目を点にさせる。かと思うと両手をわたわた動かして「じゃ、じゃあ!」と切り出した。
「容姿なんて関係ないって言ったのも、僕とのセックスが嫌という訳ではないんですね!?」
「ええ!?いや、あの、」
「どうなんですか!僕のことありですか!なしですか!?」
ずいっと顔を近づけてくる相手から逃げるように後退ると壁に背中がぶつかる。
「はっきり言ってください!!」
「えぇ、えっとぉ……」
はっきり言って同じ男を恋愛対象として見たことがなかった舜はしどろもどろするしかなかった。
目をキョロキョロさせながら言葉を選んでいると、痺れを切らした相手が大声で言う。
「僕本条くんのこと本気なんです!!」
その言葉で舜はこれは適当なことは言えないなと思い、拳をぐっと握った。
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