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14.未来の花嫁
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========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。
茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。チエを「お嬢」と呼んだり、「小町」と呼んだりしている。
金城神父・・・チエが日曜学校に通っていた頃の神父。
白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。
大前田弘警視正・・・京都府警警視正。大きな事件では本部長を勤める。
=====================================
午前9時。西京区。もろびと教会。
金城神父の前で、懺悔しているチエ。
「ウチ、張り倒したかった。あんな犯人の真似するやなんて。」
「でも、セエヘンかったんやろ?」「うん。でも、乗り込む直前に、先生の顔見たさかい。」
「心情的にはな。私も、何人もの犠牲者出した、あのアニメ会社の事件は、許されん。でも、心情だけで動くと、世の中は犯罪だらけや。チエちゃんは、警察官やから、『懲らしめる』権利は持ってる。でも、暴走したらアカン。警察官になった時、お父さんにも相談を受けた。子供の頃、正当防衛とは言え、いじめっ子を10人も病院送りにした子やから心配やって。『警察官が国家権力使った』って、マスコミに言われたら警察全体の責任になる。あの子の正義感は頼もしいだけに、ブレーキかけられるかどうか、って。」
「何て答えたん?先生。」「ブレーキは仰山ある。いつまでも子供扱いするのも考えモンやナア、って。今も、お父さんとお風呂入ってるの?」「うん。」
「まあ、親子で『事件』は起きへんやろうけどな。ブレーキは、いくつも持ってるやろ?茂原刑事も船越副署長も、小雪ちゃんも、それから、純一郎君もな。純一郎君は、昇進試験、ずっと見送ってる。チエちゃんが、『成長』するまで受けたくないって言って。大前田さんも困ってた。チエちゃんは、大前田家に嫁ぐのが嫌か?」
「ううん。兄ちゃんのお嫁さんになるって、小学校の時、決めた。葵祭の斎王になった時、すごく喜んでくれた。ウチが成長するって言うのは、ちゃんとお風呂入らんようにするっていうこと?」
「いや、違う。精神的なモンや。そうやな。今、チエちゃんが、心の中に持ってるブレーキが、大きくなることやな。あ。『ブレーキの一つ』が迎えに来たで。」
礼拝堂に、白鳥が入って来た。
「警視。あの摸倣犯は、友人に唆されて犯行に及んだ、って自白しました。アニメ会社事件程じゃないけど、火事になったら、死傷者が出ただろうって、鑑識が言っていました。それから、私は警部補になりました。そして、東山署に配属になりました。」
「兄ちゃん!!」
チエは、白鳥に抱きついた。「チエちゃん!まだ成長しないな。ここは、どーこだ?」
チエは駆け出した。白鳥は、追いかけた。
「やれやれ。ここ、教会なんやけどな。」そう言いながら、金城神父は、スマホを取り出した。
―完―
============== 主な登場人物 ================
戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。
茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。チエを「お嬢」と呼んだり、「小町」と呼んだりしている。
金城神父・・・チエが日曜学校に通っていた頃の神父。
白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。
大前田弘警視正・・・京都府警警視正。大きな事件では本部長を勤める。
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午前9時。西京区。もろびと教会。
金城神父の前で、懺悔しているチエ。
「ウチ、張り倒したかった。あんな犯人の真似するやなんて。」
「でも、セエヘンかったんやろ?」「うん。でも、乗り込む直前に、先生の顔見たさかい。」
「心情的にはな。私も、何人もの犠牲者出した、あのアニメ会社の事件は、許されん。でも、心情だけで動くと、世の中は犯罪だらけや。チエちゃんは、警察官やから、『懲らしめる』権利は持ってる。でも、暴走したらアカン。警察官になった時、お父さんにも相談を受けた。子供の頃、正当防衛とは言え、いじめっ子を10人も病院送りにした子やから心配やって。『警察官が国家権力使った』って、マスコミに言われたら警察全体の責任になる。あの子の正義感は頼もしいだけに、ブレーキかけられるかどうか、って。」
「何て答えたん?先生。」「ブレーキは仰山ある。いつまでも子供扱いするのも考えモンやナア、って。今も、お父さんとお風呂入ってるの?」「うん。」
「まあ、親子で『事件』は起きへんやろうけどな。ブレーキは、いくつも持ってるやろ?茂原刑事も船越副署長も、小雪ちゃんも、それから、純一郎君もな。純一郎君は、昇進試験、ずっと見送ってる。チエちゃんが、『成長』するまで受けたくないって言って。大前田さんも困ってた。チエちゃんは、大前田家に嫁ぐのが嫌か?」
「ううん。兄ちゃんのお嫁さんになるって、小学校の時、決めた。葵祭の斎王になった時、すごく喜んでくれた。ウチが成長するって言うのは、ちゃんとお風呂入らんようにするっていうこと?」
「いや、違う。精神的なモンや。そうやな。今、チエちゃんが、心の中に持ってるブレーキが、大きくなることやな。あ。『ブレーキの一つ』が迎えに来たで。」
礼拝堂に、白鳥が入って来た。
「警視。あの摸倣犯は、友人に唆されて犯行に及んだ、って自白しました。アニメ会社事件程じゃないけど、火事になったら、死傷者が出ただろうって、鑑識が言っていました。それから、私は警部補になりました。そして、東山署に配属になりました。」
「兄ちゃん!!」
チエは、白鳥に抱きついた。「チエちゃん!まだ成長しないな。ここは、どーこだ?」
チエは駆け出した。白鳥は、追いかけた。
「やれやれ。ここ、教会なんやけどな。」そう言いながら、金城神父は、スマホを取り出した。
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