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君のことを考える2
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千景が俺の31歳の誕生日を祝ってくれた。それはプレゼントと美味しい料理だった。
プレゼントはシステム手帳と万年筆で仕事でも使えるそれは、とてもありがたかった。そして料理。
料理はちょっとしたコース料理だ。千景はいつも週末に食事を作ってくれているので料理が上手いのはわかっていたけれど、実家の茜さん並に上手いしレパートリーも広いと思う。
茜さんは調理師免許を持っている家政婦としてはすごい人だと思っている。千景はそんな茜さん並なのだから、きっと結婚前は頑張ったのだろうと思っているし、感謝している。口に出しては言えないけれど。
そして今、目の前のダイニングテーブルに並んだ料理はブルスケッタ、シーザーサラダ、ポタージュ、チキンという立派なメニューだ。俺は料理はしないけれど、これだけの品数を作るのは大変ではないのだろうか。まして今日はチーズタルトも焼いてくれている。
「口に合うといいんですけど」
「いただきます」
料理が冷めたら美味くないので早く食べることにする。まずはブルスケッタから。家でブルスケッタが食べられるとは思わなかった。イタリアンのコース料理などでは出てくるパンを薄くスライスし、オリーブオイルやにんにくを塗ったそれはなかなか美味しいものだ。今日は生ハムとガーリックチーズを乗せてあり大人の味だ。
次にポタージュはシンプルなコーンポタージュ。シンプルだからこそ味がしっかりわかると思う。もちろん、美味い。
サラダはシーザーサラダ。サラダチキンが入っていて、見た目もいいが食べ応えも十分だ。
そしてメインにチーズがとろけたチキンで、ポテトが添えられている。口に入れるとトマトソースとチーズのとろけ具合が最高だった。
チキンを食べていると千景がこちらを見ていることに気づいた。きっとなにも言わない俺に、味はどうなのか気になっているんだろう。そう思って一言だけ言う。
「美味い」
俺がそう言うと千景は花が咲いたようにふわりと笑う。
「良かったです」
そして千景も料理に手をつけた。俺がなにも言わないから気になって食べられなかったのだろうか。そう思うと申し訳ないと思う。実家にいたときからの癖で食事に対してなにかを言うことはなかった。なにもいわないのは美味しいからで。でも、千景を見ていると俺の口にあっているのか気になっているようなのでなにか言った方がいいのだろうかと最近は思って、できるだけ口にするようにしているけれど、美味いとつい黙って食べてしまう。
食事はどれも美味しくて、満足して完食した。それで終わりと思っていたらパンナコッタがでてきた。夕方ケーキを食べたからデザートはないと思っていたが、確かにコース料理ならデザートが出て終わりだ。
「甘さ控えめにしたので大丈夫だと思うんですけど……」
眉を垂らして千景がそう言う。確かにパンナコッタは生クリームを使ったデザートなので、それを気にしたのだろう。そう思って一口食べてみた。そうしたら千景の言う通り甘さは控えめだったし、量も少なかったので美味しく食べれた。
「大丈夫だ」
「良かった」
プレゼントと美味しい料理。和真がいなくなって、もう誕生日なんて誰にも祝って貰うことはない。そう思っていた。けれど、和真の代わりではないけれど、千景が千景なりに祝ってくれた。そのことが嬉しいと思った。
プレゼントはシステム手帳と万年筆で仕事でも使えるそれは、とてもありがたかった。そして料理。
料理はちょっとしたコース料理だ。千景はいつも週末に食事を作ってくれているので料理が上手いのはわかっていたけれど、実家の茜さん並に上手いしレパートリーも広いと思う。
茜さんは調理師免許を持っている家政婦としてはすごい人だと思っている。千景はそんな茜さん並なのだから、きっと結婚前は頑張ったのだろうと思っているし、感謝している。口に出しては言えないけれど。
そして今、目の前のダイニングテーブルに並んだ料理はブルスケッタ、シーザーサラダ、ポタージュ、チキンという立派なメニューだ。俺は料理はしないけれど、これだけの品数を作るのは大変ではないのだろうか。まして今日はチーズタルトも焼いてくれている。
「口に合うといいんですけど」
「いただきます」
料理が冷めたら美味くないので早く食べることにする。まずはブルスケッタから。家でブルスケッタが食べられるとは思わなかった。イタリアンのコース料理などでは出てくるパンを薄くスライスし、オリーブオイルやにんにくを塗ったそれはなかなか美味しいものだ。今日は生ハムとガーリックチーズを乗せてあり大人の味だ。
次にポタージュはシンプルなコーンポタージュ。シンプルだからこそ味がしっかりわかると思う。もちろん、美味い。
サラダはシーザーサラダ。サラダチキンが入っていて、見た目もいいが食べ応えも十分だ。
そしてメインにチーズがとろけたチキンで、ポテトが添えられている。口に入れるとトマトソースとチーズのとろけ具合が最高だった。
チキンを食べていると千景がこちらを見ていることに気づいた。きっとなにも言わない俺に、味はどうなのか気になっているんだろう。そう思って一言だけ言う。
「美味い」
俺がそう言うと千景は花が咲いたようにふわりと笑う。
「良かったです」
そして千景も料理に手をつけた。俺がなにも言わないから気になって食べられなかったのだろうか。そう思うと申し訳ないと思う。実家にいたときからの癖で食事に対してなにかを言うことはなかった。なにもいわないのは美味しいからで。でも、千景を見ていると俺の口にあっているのか気になっているようなのでなにか言った方がいいのだろうかと最近は思って、できるだけ口にするようにしているけれど、美味いとつい黙って食べてしまう。
食事はどれも美味しくて、満足して完食した。それで終わりと思っていたらパンナコッタがでてきた。夕方ケーキを食べたからデザートはないと思っていたが、確かにコース料理ならデザートが出て終わりだ。
「甘さ控えめにしたので大丈夫だと思うんですけど……」
眉を垂らして千景がそう言う。確かにパンナコッタは生クリームを使ったデザートなので、それを気にしたのだろう。そう思って一口食べてみた。そうしたら千景の言う通り甘さは控えめだったし、量も少なかったので美味しく食べれた。
「大丈夫だ」
「良かった」
プレゼントと美味しい料理。和真がいなくなって、もう誕生日なんて誰にも祝って貰うことはない。そう思っていた。けれど、和真の代わりではないけれど、千景が千景なりに祝ってくれた。そのことが嬉しいと思った。
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