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君のことを考える6
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「前に会ったときに、ワンチャンあるかもって言ったの覚えてる?」
紅茶を飲みながら西賀が言う。
「覚えてるよ」
「今の感じだとほんとにあるんじゃん?」
「そうかな。確かに陸さんを取り巻くバリアは薄くなった気はするけど」
「一気には変わらないよ。でもさ、今の感じならもう少し距離、近くなれるんじゃん?」
確かに陸さんを取り巻くバリアは薄くなったし、元々優しい陸さんだけど最近はさらに優しくなったと思う。
隣の駅のスーパーに買い物に行くのに車を出してくれたり、飲茶を食べたいというわがままを聞いてくれて、僕の好きな元町にも寄ってくれた。
それは距離が近くなければ、ないことだと思う。そしてその距離がもう少し近づけばいいなって厚かましくも思ってる。西賀の言うように近くなればいい。
「でもほんと良かったよ。新婚旅行で干渉なしで言って別行動って言ってたから、ちょっと心配してた」
「心配かけてごめんね」
「いや。勝手に心配してただけだから気にするな」
そこで料理が運ばれてくる。ハンバーグのビーフシチューソースが美味しそうだ。西賀はオムライスで、その山形のオムライスにもビーフシチューソースがかかっていた。
ハンバーグを一口食べると中からチーズがとろりと出てきて美味しい。家でチーズインハンバーグを作ったことはないけど、今度作ってみようかな。いや、それよりも最近作っていないビーフシチューを作ろうか。最後に作ったのは、まだ結婚する前だ。結婚してからは作ったことがない。うん。チーズインハンバーグよりもビーフシチューを先に作ろう。
「なに真剣に料理見てるの」
「あぁ、うん。チーズインハンバーグ作るかビーフシチュー作るかって考えてた」
「陸さんいいなぁ。俺も作ってくれる彼女欲しい。このオムライス作って欲しい」
それこそ真剣に食べかけのオムライスを見て西賀が言う。
「そのオムライス作るの面倒くさいよ」
「え? そうなの?」
「オムライスを作るのは難しくないけど、ビーフシチューソースがね。ほんの少しの量のビーフシチューなんて手間かかるだけだよ。作って貰うならビーフシチューを作ったあとにしなね」
「ビーフシチューも美味しいよな。って、その前に作ってくれる人いないよ」
唇を尖らせて愚痴る姿が可愛いと思った。
「今付き合ってる人いないの? 前いたじゃん」
「もう別れたよ。そろそろ結婚考える歳なのにさ、独り身だよ」
そうか。僕たちも27歳で、そろそろ結婚を考える歳なのか。僕は物心ついた頃には陸さんっていう婚約者がいたから考えたことがなかった。
「結婚相手見つけるの大変そうだね」
「そうだな。それに俺モテないから余計」
西賀がモテないなんて嘘だ。違うフロアの子だったけど、西賀のことをキラキラした目で見ていた子を知っている。それを言うと西賀はなんて子だよ。告ってくると鼻息も荒く言った。その姿に思わず笑ってしまう。西賀のそういう緩さがあるところが僕は好きだ。
「西賀ならすぐに見つかるよ」
「そうだといいけどな」
シュンとしながらオムライスを食べている姿が可愛かった。陸さんは美味しいもの食べられてるかな? 陸さんはいい学校に行ってたからクラス会で使うホテルもいいところだろう。そうしたら美味しい料理が出ているはずだ。そしてフィンガーフードだと洋食になるので、明日はさっぱりとお魚がいいかな。お刺身もいいかもしれない。
「彼女できたら紹介してね」
「できたらな。しばらく無理っぽいけど」
そう言って不貞腐れている姿が可愛いななんて思ってしまった。口にしたら怒られるかもしれないけど。でも、ほんとに西賀はいいヤツだからきっとそのうち彼女もできるはずだ。西賀から早く紹介して欲しいなと西賀を見ながら思った。
紅茶を飲みながら西賀が言う。
「覚えてるよ」
「今の感じだとほんとにあるんじゃん?」
「そうかな。確かに陸さんを取り巻くバリアは薄くなった気はするけど」
「一気には変わらないよ。でもさ、今の感じならもう少し距離、近くなれるんじゃん?」
確かに陸さんを取り巻くバリアは薄くなったし、元々優しい陸さんだけど最近はさらに優しくなったと思う。
隣の駅のスーパーに買い物に行くのに車を出してくれたり、飲茶を食べたいというわがままを聞いてくれて、僕の好きな元町にも寄ってくれた。
それは距離が近くなければ、ないことだと思う。そしてその距離がもう少し近づけばいいなって厚かましくも思ってる。西賀の言うように近くなればいい。
「でもほんと良かったよ。新婚旅行で干渉なしで言って別行動って言ってたから、ちょっと心配してた」
「心配かけてごめんね」
「いや。勝手に心配してただけだから気にするな」
そこで料理が運ばれてくる。ハンバーグのビーフシチューソースが美味しそうだ。西賀はオムライスで、その山形のオムライスにもビーフシチューソースがかかっていた。
ハンバーグを一口食べると中からチーズがとろりと出てきて美味しい。家でチーズインハンバーグを作ったことはないけど、今度作ってみようかな。いや、それよりも最近作っていないビーフシチューを作ろうか。最後に作ったのは、まだ結婚する前だ。結婚してからは作ったことがない。うん。チーズインハンバーグよりもビーフシチューを先に作ろう。
「なに真剣に料理見てるの」
「あぁ、うん。チーズインハンバーグ作るかビーフシチュー作るかって考えてた」
「陸さんいいなぁ。俺も作ってくれる彼女欲しい。このオムライス作って欲しい」
それこそ真剣に食べかけのオムライスを見て西賀が言う。
「そのオムライス作るの面倒くさいよ」
「え? そうなの?」
「オムライスを作るのは難しくないけど、ビーフシチューソースがね。ほんの少しの量のビーフシチューなんて手間かかるだけだよ。作って貰うならビーフシチューを作ったあとにしなね」
「ビーフシチューも美味しいよな。って、その前に作ってくれる人いないよ」
唇を尖らせて愚痴る姿が可愛いと思った。
「今付き合ってる人いないの? 前いたじゃん」
「もう別れたよ。そろそろ結婚考える歳なのにさ、独り身だよ」
そうか。僕たちも27歳で、そろそろ結婚を考える歳なのか。僕は物心ついた頃には陸さんっていう婚約者がいたから考えたことがなかった。
「結婚相手見つけるの大変そうだね」
「そうだな。それに俺モテないから余計」
西賀がモテないなんて嘘だ。違うフロアの子だったけど、西賀のことをキラキラした目で見ていた子を知っている。それを言うと西賀はなんて子だよ。告ってくると鼻息も荒く言った。その姿に思わず笑ってしまう。西賀のそういう緩さがあるところが僕は好きだ。
「西賀ならすぐに見つかるよ」
「そうだといいけどな」
シュンとしながらオムライスを食べている姿が可愛かった。陸さんは美味しいもの食べられてるかな? 陸さんはいい学校に行ってたからクラス会で使うホテルもいいところだろう。そうしたら美味しい料理が出ているはずだ。そしてフィンガーフードだと洋食になるので、明日はさっぱりとお魚がいいかな。お刺身もいいかもしれない。
「彼女できたら紹介してね」
「できたらな。しばらく無理っぽいけど」
そう言って不貞腐れている姿が可愛いななんて思ってしまった。口にしたら怒られるかもしれないけど。でも、ほんとに西賀はいいヤツだからきっとそのうち彼女もできるはずだ。西賀から早く紹介して欲しいなと西賀を見ながら思った。
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