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過保護な婚約者 sideマリア
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誰かに背中を押されたのまでは覚えてる。気づくと体が浮いて、そのまま階段を転げ落ちてゆくのも。
言いようのない痛みが全身を駆け巡って、体が動かない。カイが血相を変えて私を呼んでいる。
大丈夫、大丈夫だから。
あなたはローズを守らないといけないでしょう?
そう思うのに声が出ない。そのまま私は意識を失った。
「ん....」
ぼんやりと目を開けると、外が暗いのか天井にゆらゆらと木々の影が揺れるのが見えた。
見慣れない景色に戸惑いながらもじわじわと頭に広がる痛みに顔を歪めた。
「いった...」
「マリア!?」
誰かがぎゅうっと私の手を握った。暗がりで顔がよく見えないけれど、この声は間違いなくカイの声だ。
そして、ここはラエル公爵様の敷地内にあるカイの部屋だった。
公爵家に仕える騎士は、それぞれ敷地内に寝泊まりできる部屋が設けられている。何かあった際にすぐに駆けつけられるようにするためだ。
そしてラエル公爵様専属騎士であるカイの部屋はその中でも一際大きく立派な部屋なのだと以前聞いたことがあった。
「...っ、マリア...マリア」
「カイ...?」
寝ている私の腕に頭をこすりつけ、啜り泣くカイに声をかける。
ラエル公爵様の存在があまりにも大きくて薄れがちだけれど、彼は常に冷静沈着でとても強い立派な騎士だ。時に冷酷さも併せ持ち、ラエル公爵様が最も信頼をおいている。
そして、幼馴染でもある彼は昔から私に優しく、どんな事でも許してくれる。だけど誰も知らない。彼は私がいないとダメなのだ。
幼少期、親同士が決めたこの婚約にカイは飛び上がって喜んだ。そして私に言ったのだ。
「マリア、今日から君は俺のものだ!離れたら許さないよ」
幼いながらに、何を言っているんだろうと思った。ラエル公爵様の騎士になってからも、カイは時間があれば私に会いにきた。
忙しいはずなのに、どうしてこんなに私に時間を割いてくれるんだろう。
婚約しているのだから別に、無理をして私を引き止めるような事をしなくてもいいのに、何故ここまでするのだろうと不思議だった。今思えば、その時はカイに対して恋愛感情がなかったのだと思う。結婚についての憧れや恋愛への興味もなかった。
「マリアっ....!!!」
「え、カイ?」
ある日私が馬車に乗っていた時、馬が突然暴走し、怪我をしたことがあった。幸い大した怪我にはならず、数日間自室で休む事になった。
その時、血相を変えたカイが部屋に入ってきたかと思うと、大粒の涙を流しながら私の元によろよろと駆け寄ってきた。もう、号泣だった。
「良かった、生きてた...」
「何よ、勝手に殺さないでくれる?」
何を言うのかと思えば、と私が呆れながら笑うと、カイは手を震わせながら私を抱きしめた。
「...マリア」
「何?」
「マリア....」
「だから、何よ?」
「君は知っているだろう?俺にとって君はかけがえのない存在だと。マリア、君がいなくなったら俺はどうしたらいい...?」
肩を震わせ、縋るように抱きつく彼の頭を撫でながら、ようやく気がついた。彼は私がいないとダメなのだ。
そしてその気づきは、私の胸を強くときめかせた。あぁ...なんて可愛い人なんだろう。
「カイ」
私はそっと彼の顔を自分の方へ向かせ、にこりと微笑む。
「私、貴方が好きみたい」
「...っ、俺は愛してるよ」
そしてキスをし、2人で笑い合った。
その日以降、カイはタガが外れたように私に深いキスを求めてくるようになった。
...昔を思い出すわ。
腕に縋り付くカイを見て、私はそれを思い出しながらふと笑った。
「カイ、私は生きてるわ。ほら、心臓の音が聞こえるでしょう?大丈夫だから...」
余程泣いたのだろうか。彼の目は赤く腫れ上がっている。そして、少し落ち着いたのか目に光が宿ってきた。
「マリア」
「何?」
「好きだ」
その声は震えていた。何故公爵家にあるカイの部屋に連れてこられたのかは分からないけれど、きっと理由があったのだろう。
私は微笑み、私もよと返す。
ズキっと再び頭に痛みを感じ、私がゔっと声を上げると、カイは慌てたように待ってろと言いながら部屋を出て行った。
しばらくして医師が来ると、しばらくは痛みが続くが問題はない、安静にするようにとの診断と薬を処方してもらい私はカイがようやく安堵するのを感じた。
ずっと気を張っていたのだろう。
そして私は大事なことを思い出した。
「カイっ」
「どうした?」
「ローズはっ...!?」
あの子はどうなったの?誰かが私を階段から突き落としたのは分かってる。そしてカイが私の元に来たなら、ローズはその間1人になったはず。
ローズは大丈夫なの?
何もなかったの?
カイは私の問いかけにどう答えるか悩んでいるようだった。それはつまりローズの身に何か起こったということだ。
「カイ、どうして黙っているの?」
「マリア、落ち着いて聞いてくれるか?」
そしてカイは静かに話し始めた。ローズが連れ去られ、連れ去った者達は気づかれないよう護衛していた騎士たちによって捕らえられたこと、ラエル公爵様が正気を失い御令嬢達を容赦なく処分したこと。
「しょ、処分って...」
「...詳しくは言えないが、命までは奪っていないから安心してくれ」
カイの表情から、それは恐らく彼女達にとって絶望しかない処分であることがわかった。それほどまでに、ラエル公爵様を怒らせたのだ。
そして、それをこの短期間で執行する程にラエル公爵様は正気を失っているようだった。
「ローズお嬢様は無事だ。ラエル公爵様が家まで送り届けたと聞いた。...ただ...」
「ただ?」
「いや、マリア。これは君が気にすることじゃない。今はゆっくり休んで...」
「カイ」
「...分かった。ただ、その日以降ローズお嬢様と会えなくなったそうだ」
「会えなくなった?」
その理由を聞いて、私は何とも言えない気持ちになった。
この、クソ公爵がと心の中で毒づく。
昔の公爵様の話はカイから聞いていたから知っている。だからそこ、最初はローズとの婚約に反対したのだ。
でも、2人の微笑ましい様子を見ていたら応援せざるを得なくなった。あんなに幸せそうな表情をされたら何も言えない。
だけど、過去は消せない。どう頑張っても、婚約前とは言えラエル公爵様が他の令嬢と遊んでいたのは事実。それを隠したところでローズを傷付けるのは分かっていたはずなのに。
「私は何があってもローズの味方よ」
「そう言うと思ったよ」
やっぱりという表情でカイが答える。そして、ラエル公爵様が嫌われてしまうのではないかと恐れていることも聞いて、ふぅと息を吐く。
「また一肌脱ぐべきかしら?」
「そう言うと思ったから黙っていたんだ。お願いだから今は休んでくれ」
そう言って口付けすると、そのまま私の布団へと潜ってくる。
「ちょっ...!?」
「マリア、君がずっと目を覚さないから俺はずっと眠れなかったんだ。少しくらい責任を取ってもらってもいいだろう?」
そう言われてしまうと何も言えない。私が大人しくなったのを確認すると、傷に当たらないようそろそろと手を伸ばし、私を抱きしめた。
すぐに寝息が聞こえ、幸せそうな顔で眠る彼を見て、私もそっと目を閉じた。
言いようのない痛みが全身を駆け巡って、体が動かない。カイが血相を変えて私を呼んでいる。
大丈夫、大丈夫だから。
あなたはローズを守らないといけないでしょう?
そう思うのに声が出ない。そのまま私は意識を失った。
「ん....」
ぼんやりと目を開けると、外が暗いのか天井にゆらゆらと木々の影が揺れるのが見えた。
見慣れない景色に戸惑いながらもじわじわと頭に広がる痛みに顔を歪めた。
「いった...」
「マリア!?」
誰かがぎゅうっと私の手を握った。暗がりで顔がよく見えないけれど、この声は間違いなくカイの声だ。
そして、ここはラエル公爵様の敷地内にあるカイの部屋だった。
公爵家に仕える騎士は、それぞれ敷地内に寝泊まりできる部屋が設けられている。何かあった際にすぐに駆けつけられるようにするためだ。
そしてラエル公爵様専属騎士であるカイの部屋はその中でも一際大きく立派な部屋なのだと以前聞いたことがあった。
「...っ、マリア...マリア」
「カイ...?」
寝ている私の腕に頭をこすりつけ、啜り泣くカイに声をかける。
ラエル公爵様の存在があまりにも大きくて薄れがちだけれど、彼は常に冷静沈着でとても強い立派な騎士だ。時に冷酷さも併せ持ち、ラエル公爵様が最も信頼をおいている。
そして、幼馴染でもある彼は昔から私に優しく、どんな事でも許してくれる。だけど誰も知らない。彼は私がいないとダメなのだ。
幼少期、親同士が決めたこの婚約にカイは飛び上がって喜んだ。そして私に言ったのだ。
「マリア、今日から君は俺のものだ!離れたら許さないよ」
幼いながらに、何を言っているんだろうと思った。ラエル公爵様の騎士になってからも、カイは時間があれば私に会いにきた。
忙しいはずなのに、どうしてこんなに私に時間を割いてくれるんだろう。
婚約しているのだから別に、無理をして私を引き止めるような事をしなくてもいいのに、何故ここまでするのだろうと不思議だった。今思えば、その時はカイに対して恋愛感情がなかったのだと思う。結婚についての憧れや恋愛への興味もなかった。
「マリアっ....!!!」
「え、カイ?」
ある日私が馬車に乗っていた時、馬が突然暴走し、怪我をしたことがあった。幸い大した怪我にはならず、数日間自室で休む事になった。
その時、血相を変えたカイが部屋に入ってきたかと思うと、大粒の涙を流しながら私の元によろよろと駆け寄ってきた。もう、号泣だった。
「良かった、生きてた...」
「何よ、勝手に殺さないでくれる?」
何を言うのかと思えば、と私が呆れながら笑うと、カイは手を震わせながら私を抱きしめた。
「...マリア」
「何?」
「マリア....」
「だから、何よ?」
「君は知っているだろう?俺にとって君はかけがえのない存在だと。マリア、君がいなくなったら俺はどうしたらいい...?」
肩を震わせ、縋るように抱きつく彼の頭を撫でながら、ようやく気がついた。彼は私がいないとダメなのだ。
そしてその気づきは、私の胸を強くときめかせた。あぁ...なんて可愛い人なんだろう。
「カイ」
私はそっと彼の顔を自分の方へ向かせ、にこりと微笑む。
「私、貴方が好きみたい」
「...っ、俺は愛してるよ」
そしてキスをし、2人で笑い合った。
その日以降、カイはタガが外れたように私に深いキスを求めてくるようになった。
...昔を思い出すわ。
腕に縋り付くカイを見て、私はそれを思い出しながらふと笑った。
「カイ、私は生きてるわ。ほら、心臓の音が聞こえるでしょう?大丈夫だから...」
余程泣いたのだろうか。彼の目は赤く腫れ上がっている。そして、少し落ち着いたのか目に光が宿ってきた。
「マリア」
「何?」
「好きだ」
その声は震えていた。何故公爵家にあるカイの部屋に連れてこられたのかは分からないけれど、きっと理由があったのだろう。
私は微笑み、私もよと返す。
ズキっと再び頭に痛みを感じ、私がゔっと声を上げると、カイは慌てたように待ってろと言いながら部屋を出て行った。
しばらくして医師が来ると、しばらくは痛みが続くが問題はない、安静にするようにとの診断と薬を処方してもらい私はカイがようやく安堵するのを感じた。
ずっと気を張っていたのだろう。
そして私は大事なことを思い出した。
「カイっ」
「どうした?」
「ローズはっ...!?」
あの子はどうなったの?誰かが私を階段から突き落としたのは分かってる。そしてカイが私の元に来たなら、ローズはその間1人になったはず。
ローズは大丈夫なの?
何もなかったの?
カイは私の問いかけにどう答えるか悩んでいるようだった。それはつまりローズの身に何か起こったということだ。
「カイ、どうして黙っているの?」
「マリア、落ち着いて聞いてくれるか?」
そしてカイは静かに話し始めた。ローズが連れ去られ、連れ去った者達は気づかれないよう護衛していた騎士たちによって捕らえられたこと、ラエル公爵様が正気を失い御令嬢達を容赦なく処分したこと。
「しょ、処分って...」
「...詳しくは言えないが、命までは奪っていないから安心してくれ」
カイの表情から、それは恐らく彼女達にとって絶望しかない処分であることがわかった。それほどまでに、ラエル公爵様を怒らせたのだ。
そして、それをこの短期間で執行する程にラエル公爵様は正気を失っているようだった。
「ローズお嬢様は無事だ。ラエル公爵様が家まで送り届けたと聞いた。...ただ...」
「ただ?」
「いや、マリア。これは君が気にすることじゃない。今はゆっくり休んで...」
「カイ」
「...分かった。ただ、その日以降ローズお嬢様と会えなくなったそうだ」
「会えなくなった?」
その理由を聞いて、私は何とも言えない気持ちになった。
この、クソ公爵がと心の中で毒づく。
昔の公爵様の話はカイから聞いていたから知っている。だからそこ、最初はローズとの婚約に反対したのだ。
でも、2人の微笑ましい様子を見ていたら応援せざるを得なくなった。あんなに幸せそうな表情をされたら何も言えない。
だけど、過去は消せない。どう頑張っても、婚約前とは言えラエル公爵様が他の令嬢と遊んでいたのは事実。それを隠したところでローズを傷付けるのは分かっていたはずなのに。
「私は何があってもローズの味方よ」
「そう言うと思ったよ」
やっぱりという表情でカイが答える。そして、ラエル公爵様が嫌われてしまうのではないかと恐れていることも聞いて、ふぅと息を吐く。
「また一肌脱ぐべきかしら?」
「そう言うと思ったから黙っていたんだ。お願いだから今は休んでくれ」
そう言って口付けすると、そのまま私の布団へと潜ってくる。
「ちょっ...!?」
「マリア、君がずっと目を覚さないから俺はずっと眠れなかったんだ。少しくらい責任を取ってもらってもいいだろう?」
そう言われてしまうと何も言えない。私が大人しくなったのを確認すると、傷に当たらないようそろそろと手を伸ばし、私を抱きしめた。
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