婚約者の恋

うりぼう

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その翌日。
話し合おうという宣言通り、ダリアはベアトリスを例の中庭に呼び出した。

「エル様」

先に待っていた俺に少し驚いたようだが、促されて腰掛けたところですぐにホッとしたように胸に手を当て微笑む。

「良かった、お二人での話し合いは済まされたのですね」
「ああ、昨夜な」
「安心致しました。ですが、お二人で話し合われたのなら何故私を……?」

不思議そうに首を傾げるベアトリス。
俺達二人だけで解決したのならそれで良いと言わんばかりだ。
良い訳がない。
ベアトリスだって当事者なのだから。

というよりも、あれ、もしかして本当にベアトリスはもうダリアを好きじゃないんだろうか。
こうして改めて冷静に様子を伺ってみると、前まであったダリアへの熱烈な視線やハートが飛び交うような口調が全くない事に気付く。
そればかりか本気でダリアとの婚約話を取り消したい。
そんな雰囲気が漂っている。

「ごめん、俺がどうしてもベアトリスの気持ちを確認したくて」
「私の気持ち、ですか?」

そう言ってはみたものの、既にこの時点で疑問が解決してしまっていてどうしようかとセリフがしりすぼみになってしまった。

「その、私の気持ちというのは……?」

あれ、さっきまで普通だったのにいきなり焦り出したように見える。
心なしか頬も赤いような?
何か焦らせるような事を言っただろうか。

「その、ダリアとの婚約の件なんだけど」
「あ……」

そう切り出した途端に焦っていたのが一瞬で消えた。

「そう、そうよね、婚約の件よね、嫌だわ私ったら勘違いして」
「?どうした?」
「!い、いえ、何でもありませんわ」

頬に手を当てぼそぼそと呟いたそのセリフが聞こえなかったので聞き返すと笑ってごまかされる。
絶対何でもない訳ないと思うけど、まあ本人がそう言うのなら信じよう。

「こほん、ダリア様との婚約の件ですね。エル様が気になさっているのは私が婚約したいかしたくないか、ですよね」
「……うん」

皆まで言うまでもなくベアトリスは俺が聞きたい内容を把握していた。
まあそれじゃなかったらわざわざ呼び出して何を聞くんだって話だけど。

「ベアトリスは本当に婚約者候補から辞退しても良いの?」
「もちろん構いません」

答えは想像出来たが、思った以上にあっけらかんとあっさりとすっぱりきっぱり言い切るベアトリス。

「本当に?」
「ええ」
「あんなにダリアを好きだったのに?」
「エル様、その事なのですが……」
「ん?」
「私、もうダリア様をお慕いしてはおりません」
「!」

さっき想像した通りの事を言われる。
強がっている様子もないし、嘘を吐いている様子もない。
きっぱりと告げられたそれが真実であると、まっすぐに見つめる瞳が訴えている。

「尊敬はしていますが、それだけです。男女の仲になりたいなどとは考えておりません」
「そう、なんだ」

昨夜ダリアが言っていた通りだ。
どう見てもベアトリスの気持ちはダリアにはない。

思わずじっとその顔を見つめてしまうと、居心地悪そうに目を逸らされてしまった。
おっといけない、女の子を無遠慮に見つめてしまった。
こんなおっさんに見つめられても嫌だよな。

「それに、私には他にお慕いしている方がいます」

そう続けたベアトリスに今度はじっと見つめ返される。

お慕いしてる人?
他に好きな人がいるのか?
ああそうか、それなら余計にダリアとの婚約話なんて迷惑以外の何でもないよな。
それなのに俺ってやつは、いっそ本当に婚約してしまえなんて言ってしまって申し訳ない。
好きな人がいるならその人と結ばれるのが一番良いに決まってる。

「そっか、そうだったんだ」
「ええ」
「そっかそっか」

もしかしたらダリアとの婚約を心待ちにしていたにも関わらず、ダリアが頑なに拒否するからベアトリスを傷付けてしまったのではないかと心配していたが無意味だったようだ。
そういえばこれまでの長い長い言い訳の中でベアトリスの父親が強引に婚約を進めようとしているだけだと聞かされていた気がする。
その時は見えすいた言い訳しちゃって、と思っていたがこの様子だとそれも真実なのだろう。
疑って悪かったな。

何にせよ、ベアトリスが吹っ切れているのなら良かった。
こんなに可愛い女の子が傷付く所なんて見たくないし。

「……ベアトリス、俺が言えるセリフではないが、はっきり言わないと伝わらないと思うぞ」
「ふふ、わかっております。ですが、これで良いのです」

うんうんと一人納得している傍らで二人がそんな会話をする。
ダリアはベアトリスの好きな人を知っているんだな。
誰なんだろ。
さすがに根掘り葉掘り聞こうとは思わないけど少し気になる。
いやいや気になるだけだよどうこうしてやろうなんて思ってないよ、こういうのにおじさんが口出したらややこしい事にしかならないってわかってるから。
好きな人と幸せに、とかも言わない方が良いだろうな。
俺にそう言われたところで、どこから目線だよと思われそうだし。

そんな訳で、三人での話し合いはあっさりと終了した。

「近日中にに必ず婚約の話は白紙に戻す」
「ええ、私も今度こそ父を説得してみせますわ!」

そう意気込む二人。
ベアトリスが父親を説得出来る事を祈るばかりである。

「あの、エル様。もうひとつよろしいでしょうか?」
「うん?」

話し合いも済んだ事だし解散するかと立ち上がったところでベアトリスに呼び止められた。
ダリアも同じように立ち止まるが、邪魔をしないように少しだけ離れる。

何だろうとベアトリスの方に身体を向けると、静かに頭を下げられた。

「え!?ちょ、どうした!?」

突然頭を下げられて驚く。

「今までの事を謝罪させて下さい」
「謝罪って、別に今回のはベアトリスが悪い訳じゃ……」
「いえ、今回の件ではなく、これまで私がしてきた件についてです」
「……ああ」

ほんの数ヶ月前までの嫌がらせの件か。
そんなのもう気にしていないのに。
あれを受けていたのは俺であって俺ではない。
十代の女の子のきゃんきゃん吠える声など可愛さを感じる事はあっても煩わしさなど感じない。
前世を思い出してからは、そんなにダリアが好きなんだなあくらいにしか感じなかったから尚更。

「気にしなくても良いのに」
「そういう訳にはいきません。ずっと前から謝らなければと思っていたのです。こんなタイミングになってしまったのが更に申し訳ないのですが……」

しゅん、と眉も肩も落とし縮こまるベアトリス。
見た目は強気な美人さんなのに叱られて反省する幼い子供のように見えて、それがまるで我が家の双子を彷彿とさせて微笑ましくて思わず笑ってしまいそうになる。
いかんいかん、ベアトリスは真剣に真面目に謝ってくれてるんだからちゃんと聞かないと。
緩みそうになる頬を引き締め、ベアトリスに向き直る。

「良いよ、許す」
「……まだ謝罪していないのですが」
「その顔見たらちゃんと反省してるってわかるからわざわざ言葉に出す必要ないよ」
「ですが、それでは私の気持ちが収まりません」
「んー、そうは言ってもなあ」

本当にわざわざ、しかもダリアの前で蒸し返さなくても良いと思うんだ。
謝りたいというベアトリスの気持ちもわからないではないが、きつい事を言うと謝罪の言葉なんて本人の自己満足だし、今言った通りにその顔を見ると大いに反省しているのが一目瞭然。
とはいえこのままだと一から十まで事細かな謝罪祭りが始まってしまいそうだ。
さてどうしたものかと考え……

「あ、そうだ。どうしても謝りたいっていうなら俺のお願い聞いてくれる?」
「!もちろんです!何なりと!」

こらこら年頃の娘さんが何なりとなんて二つ返事で答えたら危ないぞ。
そんな返事を引き出した俺も俺だけど、俺じゃなくて邪な考えを持っている変態さんだったら大変な目に遭うかもしれないんだから気を付けないと。

一方でダリアも俺のセリフに少しだけぎょっとしている。
口は挟まないが、何を言うつもりだと視線がうるさい。
そんなに心配しなくても変な事は言いませんって。
ダリアの視線を強く感じつつ、ベアトリスに謝罪変わりの要求を伝えた。

「それ、止めてくれる?」
「?それ、とは?」
「敬語」
「……え」
「それと『様』って付けるのも止めて欲しい」
「え!?い、いえ、ですが、それは……」

俺のお願いにベアトリスが戸惑い珍しく吃る。

「ずっと気になってたんだよ。前までは敬語も『様』もなかったのにいきなりすっごく丁寧な言葉遣いに変わったから」
「あの、はい、確かに突然だったと思いますが、その、それも色々と思う所がありまして」
「うん、まあそれはそれとして、同級生なんだしそういう堅苦しいのはなしって事でよろしく!」

中身だけは物凄く年上だけど。
謝罪をするならそうしてくれとゴリ押しする。
いや本当に気になってたんだよ。
ベアトリスの教育環境とか色々あるんだろうけど、やっぱり同級生から敬語を使われるのはいただけない。
元々『様』なんて付けられる身分でもないからそっちは尚更だった。
聞く度にむず痒くて堪らなかったのでこれを機に是非とも変えていただきたい。

「ですが」
「うん?」
「あの……」
「うん?」

ベアトリスが敬語を使おうとするのを笑顔で聞き返す。
ベアトリスはやがて、俺が引く気がこれっぽっちもないと察したのか自分の指先をもじもじと弄り、おずおずとこちらを見上げ……

「か、かしこまり、いえ、わかった、わ」
「うん!」

かなりぎこちなかったが、まあその内慣れるだろう。
満足してにっこりと微笑むと、ベアトリスは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
何その反応可愛い。
そんなに敬語外すのが恥ずかしかったのか?

「わ、私、すみませんお先に失礼します!」
「あ」

ベアトリスはそう叫ぶように告げてぺこりと頭を下げ脱兎の如くこの場から走り去ってしまった。
背中があっという間に小さくなっていく。

「エル、お前ってやつは……」
「?何だよ?」

成り行きを黙って見守っていたダリアが額に手を当てやれやれと大きな溜め息を吐き出す。
何でそんなに呆れたような顔を向けられなければならないんだろうか。
敬語外すのも『様』を外すのも大した手間じゃないんだから良いと思ったんだけど、もしかしてこの世界だと特殊なのか?
いやいや元の『エル』の記憶を辿ってみても特殊でもなんでもない。
デレクやヒースだって敬語も敬称も遥か彼方である。
ダリアに対しては一応使ってるけど。

「全く、罪作りな男だな」
「意味わかんないんだけど」
「わからないから罪作りなんだ」
「なんだそりゃ」
「まあわからないままでも良い。ライバルに塩を送る趣味はないからな」
「ライバル?」
「何でもない。それで、納得出来たか?」
「まあ、一応」
「一応なのか?」
「ベアトリスが婚約を望んでないってのは良くわかった」
「それだけか?」

ベアトリスの気持ちもだが、それ以上に自分の気持ちの方はどうなのだと言外に問われる。

「それはもう昨日散々……!」
「散々、何だ?」
「……っ」

散々あんな事をされて疑う余地もないだろうと続くはずだった言葉をぐっと飲み込む。
昼間から何を思い出させようとしているんだこいつ。
いつの間にか真横に来て肩を腕を回し耳元で囁くダリアをじろりと睨む。

「そんな顔で睨まれても可愛いだけだぞ?」
「絶対目か脳を検査してもらった方が良い」
「必要ない。俺の目も脳も正常だ」
「いいや絶対おかしいはず」
「好きな相手ならばどんな表情も可愛く見えるものだ。よって俺は正常だ」
「そういうのをさらっと言えちゃうところがもうおかしい」
「ふっ、そんなに恥ずかしがるな」
「恥ずかしがってなんてないし」
「そうか?それなら昨夜の続きを……」
「絶っっっっ対しないからな!!!」
「ふっ、ははは!」

うっかり色々思い出してしまって顔が熱くなる。
いやいや青くなるならともかく何で熱くなるんだよ!
青くなれ!

以前よりも遠慮なしに拒絶の言葉を吐いているはずなのにダリアは凄く楽しそうで、それに振り回されそうになっている自分がいたたまれず、ダリアの腕を乱暴に払い除俺もすたすたと中庭から出ようと足を進める。
まあ当然のようにぴったりとダリアが付いて来てるんだけど。

(……落ち着かねえなあ)

この距離感が心地良いような、これ以上踏み込んで欲しくないような、それでいて離れられるとどこか寂しいような気がする何とも言えない感情が胸の内を支配している。
これ以上深く考えたらいけないやつだとわかっているのに無意識に考えそうになってしまう。

ちらりとダリアを見上げると視線に気付いたその瞳が優しく愛おしげに細められ、それを目の当たりにした周囲の学生達から悲鳴があがる。
同時にそんな瞳を向けられているのが俺だという事実に、婚約の話は一体全体どうなっているんだと騒ついているのも聞こえてきた。
まあその辺の噂はその内収まるだろう。

今日の話し合いの通り、ベアトリスは父親を何とか必死に説得し、ダリアも俺以外とは婚約しないと声高々に宣言してきたらしい。
ベアトリスの父親は最後まで渋っていたようだが、娘の『これ以上私の話をきちんと聞いて下さらないのならもうお父様とは金輪際お話しないわ!』というセリフにより漸く耳を傾け陥落。
こうして二人の婚約はあっけなく白紙に戻った。

これにて一件落着か、と息を吐き出したのも束の間。

「エル、ちょっと良いかな」
「リュイさん?」

真剣な表情で俺を呼び出したリュイさんによってまたも波乱が起きてしまうなんて、この時の俺は気付いていなかった。




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