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隣国へ入国
しおりを挟むさて、小屋を出て馬を走らせ船乗り場に到着。
しかし、問題はここからだ。
いくら物語の世界と言えど、隣国に渡るには検問がある。どういう身分で何故隣国に行くのか。
こんな時、妖精に魔法が使えたなら洗脳でも何でもして通れたのだろうが。
「おい、ちゃんと隠れてろよ。いくらお前の姿が皆に見えないからって見える人間もいたんだからな」
『分かってるって。それよりエヴァこそ気をつけてね』
怪しく見えないようにアレクを抱き抱え検問の列に並ぶ。
「ふむ、家族か。隣国へはなんの用事で?」
「観光目的です。何でも隣国には美しい滝があるとお聞きしまして。この子も産まれたばかりだし家族揃って思い出を作りに行きたいんです」
「ほぅ、にしては若い夫婦だな。証明書はあるか?」
「しょ・・・証明書・・・?」
そんなもんあるわけない。
というか俺とエリックが夫婦だということすら大嘘なのに。俺が黙ったことにより門番が怪しげにこちらを伺い出した。
どうしようかと思案していた矢先、エリックが俺の顔を掴む。
「んぶ!?んぢゅっ♡♡んぅ"ッ⋯♡♡んん"っ⋯~~~♡♡♡♡」
下品な音を立てながらかまされたディープキスに、座り込みそうになった俺をエリックが支える。
「ごめんなさい。今証明出来るものが何も無くて、でもご覧の通り僕は妻を愛しています。これでは駄目でしょうか?」
「っ・・・!?もっもういい!早く通れ!」
唖然とした門番が焦ったように俺たちを通した。
「えっエリックお前っ・・・!?」
「エヴァ今は我慢して!隣国に入るまでだから」
船に乗り込んだ俺達は人が少ない端のベンチへと腰掛けた。
先程のキスについて抗議しようとエリックの方を向けば、ひょいとアレクを取り上げられてしまう。
アレクを自身の隣に寝かせるとエリックは俺を抱きしめ再びキスをした。
「!?んぐっ⋯おっおい何して!?」
「夫婦なんだから夫婦らしい事しないと怪しまれちゃうよ?僕がエヴァを大好きな旦那さんだって分かるように見せつけないと」
「だっだからって・・・あ"ッ♡」
最後まではされなかったものの船にいる間、ずっとベタベタされる事に。
お陰で、同じ船に乗っていた客からはとんでもないバカップルならぬバカ夫婦と思われていたことだろう。本当に恥ずかしいからやめてくれ。
『着いた~!!これでやっと一安心だね!』
「ああ・・・ほんとに疲れた」
船に揺られること数時間、俺達はようやく隣国へ到着した。活気溢れる港町は人で溢れかえっている。
早速宿を取りベッドに倒れ込んだ。
「あ"~~ベッド気もちいい~~」
「ずっとあまりいい環境じゃなかったもんね」
「ああ、アレクも病気とかしなくて良かった」
夜泣きもせず健やかに育っているアレク。
しかし、またしても俺は違和感を感じずには居られなかった。
「なぁ・・・もしかしてアレクの成長スピードも・・・」
『え?ああ、そうだよエヴァの考えている通り。通常よりも早いね』
「・・・・・・」
『ねぇ、エヴァこの世界で過ごしてて気づかなかった?ここは物語の世界だ。主人公達が恋愛真っ盛りの10~20代に焦点を当ててるんだよ。つまりエヴァ達の成長も30手前で止まるし、子供達は10代までの間物凄いスピードで成長するんだ』
もう考えることをやめた。
とにかく元気に育ってくれればいいや。
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