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第一章 セイシュの民が翔ける黎明の空
89 襲撃の羽音
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リヴィエラは強く目を瞑ると苦悶の表情で大きく目を見開き、その場へ倒れ込んでしまう。
リザは光の円刃を上空で器用に回して蜂を威嚇しながらその場に座ると、リヴィエラに刺さった針を抜き、ひかりのちからで傷を癒す。
だが、傷は深く、毒の為か容易に回復はできない。
そもそも、上空の巨大な蜂が気をとられて集中できずにひかりのちからを使いこなせていない状況だった。
リザは慣れない光の円刃を振り回すのに光のちからを使い、また、リヴィエラを癒すのにも同時に光のちからを使っているため、極度の疲労感を覚え始めた。
それがわかっているのか、蜂は上空で様子をうかがうだけで、攻撃をしてこない。
「リヴィエラしっかり!」
リザの声に返事が無い。
そこに、リザの肩に小石がぶつかる。
周囲を見回すと、サチが木の幹に姿を隠しながら、いくつか石をもってこっそりこっちを覗き込んでいた。もんちきの姿は見えない。
そして、蜂の注意を引くように手で合図をする。
リザは光の円刃を手元にたぐり寄せると、光の糸を消してから、それを上空へ打ち上げた。
素早く蜂はそれを避けるが、それに気を取られた瞬間、サチが勢いよく走って跳びリザに近寄ると水の弓を構えた。
「水よ、守って!」
青色の光が包み込むと、瞬時に透明な水のちからを周囲に張り巡らし、蜂からの攻撃を妨げる膜を作り出した。
光の円刃を手元に戻したリザは光のちからでリヴィエラを癒すことに専念する。
サチは、器用に水の膜の一部分に穴を開け、持っていた木の矢を水の弓で射た。
水のちからを得た木の矢は、冷気をまき散らしながら上空へ飛んでいき、蜂に襲い掛かる。
そうしている間に、さらに蜂は仲間を呼び、再び20匹程度になっていた。
ようやくリヴィエラの傷が回復し、意識を取り戻す。だが、からだに力が入らない様で、ふらふらしている。それをリザが支えた。
「困ったね。」
サチは水の弓を上空に構え、水の膜を張りながら、苦笑してつぶやく。
リザは更にリヴィエラを癒しながら、再び光の円刃を取り出すと握りしめた。
「逃げましょう。馬をここまで連れてこれる?この蜂の針に毒があるみたい。このままだとリヴィエラが危ない。」
「でも、お馬さんたちはあの蜂の羽音が怖いみたいだよ。せっかく逃がしたんだけど。」
「一瞬で騎乗して逃げるから。」
「やってみる。」
リザはサチが水の弓を射た穴から器用に光の円刃を放り出し、再び上空で回転させ、蜂を撃退する。それを見たサチは瞬時に水の膜を解除すると、馬へと走りだした。
それを予想して待ち構えていたか、巨大な蜂の大軍が一斉にリザとリヴィエラを目掛けて襲いかかる。
リザは光の円刃を手元に戻すと、手元で細かく回転させ、リヴィエラを起こして肩を抱えると、サチが去った方向を確認した。まだ戻ってくる様子は無い。
「痛いっ」
光の円刃をくぐりぬけた蜂の一匹の針がリザの左足をかすった。すばやく避けたつもりであったが、含まれた毒の為か、熱く、激しい痛みが襲った。
片ひざをとっさについた瞬間、別の蜂がリザの光の円刃を持っていない左腕に長い針を突き刺し、再び一斉にリザへ襲い掛かった。
リザは光の円刃を振り回し、避けようとするが、毒によるダメージでからだが動かず、その場でリヴィエラをかばう様にリヴィエラの上に倒れこんだ。
「氷の矢よ、すべてを凍らせろ!」
サチが馬上から水の弓で連続で射ると、倒れて屈み込んだ態勢のリヴィエラとリザのわずか上、ちょうど蜂が密集していた箇所を冷気のちからを得た氷の矢が一直線に進んだ。
その気配を察した蜂は上空へ逃げるが、約半数は逃げ切れず冷気に巻き込まれてその場で凍りつき落下する。
降ってきた蜂にリザが驚き逃げるが、動かないことを確認すると、ふぅっと息を吐いた。
リザは光の円刃を上空で器用に回して蜂を威嚇しながらその場に座ると、リヴィエラに刺さった針を抜き、ひかりのちからで傷を癒す。
だが、傷は深く、毒の為か容易に回復はできない。
そもそも、上空の巨大な蜂が気をとられて集中できずにひかりのちからを使いこなせていない状況だった。
リザは慣れない光の円刃を振り回すのに光のちからを使い、また、リヴィエラを癒すのにも同時に光のちからを使っているため、極度の疲労感を覚え始めた。
それがわかっているのか、蜂は上空で様子をうかがうだけで、攻撃をしてこない。
「リヴィエラしっかり!」
リザの声に返事が無い。
そこに、リザの肩に小石がぶつかる。
周囲を見回すと、サチが木の幹に姿を隠しながら、いくつか石をもってこっそりこっちを覗き込んでいた。もんちきの姿は見えない。
そして、蜂の注意を引くように手で合図をする。
リザは光の円刃を手元にたぐり寄せると、光の糸を消してから、それを上空へ打ち上げた。
素早く蜂はそれを避けるが、それに気を取られた瞬間、サチが勢いよく走って跳びリザに近寄ると水の弓を構えた。
「水よ、守って!」
青色の光が包み込むと、瞬時に透明な水のちからを周囲に張り巡らし、蜂からの攻撃を妨げる膜を作り出した。
光の円刃を手元に戻したリザは光のちからでリヴィエラを癒すことに専念する。
サチは、器用に水の膜の一部分に穴を開け、持っていた木の矢を水の弓で射た。
水のちからを得た木の矢は、冷気をまき散らしながら上空へ飛んでいき、蜂に襲い掛かる。
そうしている間に、さらに蜂は仲間を呼び、再び20匹程度になっていた。
ようやくリヴィエラの傷が回復し、意識を取り戻す。だが、からだに力が入らない様で、ふらふらしている。それをリザが支えた。
「困ったね。」
サチは水の弓を上空に構え、水の膜を張りながら、苦笑してつぶやく。
リザは更にリヴィエラを癒しながら、再び光の円刃を取り出すと握りしめた。
「逃げましょう。馬をここまで連れてこれる?この蜂の針に毒があるみたい。このままだとリヴィエラが危ない。」
「でも、お馬さんたちはあの蜂の羽音が怖いみたいだよ。せっかく逃がしたんだけど。」
「一瞬で騎乗して逃げるから。」
「やってみる。」
リザはサチが水の弓を射た穴から器用に光の円刃を放り出し、再び上空で回転させ、蜂を撃退する。それを見たサチは瞬時に水の膜を解除すると、馬へと走りだした。
それを予想して待ち構えていたか、巨大な蜂の大軍が一斉にリザとリヴィエラを目掛けて襲いかかる。
リザは光の円刃を手元に戻すと、手元で細かく回転させ、リヴィエラを起こして肩を抱えると、サチが去った方向を確認した。まだ戻ってくる様子は無い。
「痛いっ」
光の円刃をくぐりぬけた蜂の一匹の針がリザの左足をかすった。すばやく避けたつもりであったが、含まれた毒の為か、熱く、激しい痛みが襲った。
片ひざをとっさについた瞬間、別の蜂がリザの光の円刃を持っていない左腕に長い針を突き刺し、再び一斉にリザへ襲い掛かった。
リザは光の円刃を振り回し、避けようとするが、毒によるダメージでからだが動かず、その場でリヴィエラをかばう様にリヴィエラの上に倒れこんだ。
「氷の矢よ、すべてを凍らせろ!」
サチが馬上から水の弓で連続で射ると、倒れて屈み込んだ態勢のリヴィエラとリザのわずか上、ちょうど蜂が密集していた箇所を冷気のちからを得た氷の矢が一直線に進んだ。
その気配を察した蜂は上空へ逃げるが、約半数は逃げ切れず冷気に巻き込まれてその場で凍りつき落下する。
降ってきた蜂にリザが驚き逃げるが、動かないことを確認すると、ふぅっと息を吐いた。
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