学園のナゾ

砂坂よつば

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第2幕。

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  ◯泉ケ丘学園校門前(夜)◯
  <鈴虫の鳴く音>
  舞台中央(手前)に彰、灯、亮が立つ。

彰「亮、今何時だ?」

  亮、腕時計を見てから答える。

亮「20時44分。遅いな、進さん」

灯「そうだね。でも、もう少し待っていたら来るんじゃないかな?」

  亮と灯は周辺を見渡す、彰は腕組みをしている。
  下手から進が頭をかいて登場。

進「ゴメン、ゴメン。家の玄関開けたらさぁ、小さくて、背中に羽の生えた女の子がいてさ、その女の子が『君には魔法の素質がある。私と契約して、異世界で世界を救って欲しいの!』なんて言うもんだからさ。どうしょうか悩んじゃって……。ほら、僕は少女じゃないでしょ。いやぁまいった、まいった(笑)」
  
  亮は驚く。
  灯、彰同時に。

灯・彰「はい!嘘っ!!」

  亮はショック受けたがすぐに立ち直る。

亮「進さん、そろそろ学校の中に入りませんか?」

進「そうだね。じゃあとりあえず、灯ちゃん達、2年生の教室に行こうか」

  全員、観客に背を向ける3人(進、灯、亮)は舞台の壁側歩むへ。数秒遅れて後ろを向いたまま彰は話す。

彰「仕方ねぇ……行くか」

  <鈴虫の声フェードアウト>
  ◯2年生の教室前廊下◯
  全員上手から懐中電灯を持って登場する。灯は嬉しそうに喋る。
  
灯「やっぱり夜の学校で怖いなぁ」

  下手観客席近くにある紙切れを灯は拾い、後ろにいる進の隣へ向かう。

灯「ねぇ、見て皆んな。手紙?拾っちゃったぁ」

彰「そんなの拾うなよ。誰のか分からない物を」

灯「え~」

進「いいじゃないか。彰君、そんな些細な事をいちいち気にしていたら、僕のように立派な人になれないよ!」

灯「そうだよ。進兄の言う通り、たまには良いこと言うね!」

進「『たまには』は余計だよ灯ちゃん」

  進はポツリと呟く。

灯「進兄のようになりたくないの?」

彰「は?なりたくありませよ。大体同じ歳だし……。それに万年お気楽極楽でいつも訳のわかならい言い訳をばかり言ってくるチ・コ・ク魔なんかに!」

  <ショックな音(ガーン)>
  進はその場でしゃがみ込み、亮と灯は進を慰める。亮、一歩前に出て、

亮「彰……。そんなに言わなくてもいいじゃないか、見てみろよ。進さん落ち込んでいるぜ」

  彰しばらく沈黙後、進の目の前へ行く。

彰「進さん。……そ、その言い過ぎました」

  進、顔を上げる。

進「彰君……やっぱり僕のように」

  彰間髪入れずに。

彰「それはないです」

亮「そう言えば、灯ちゃん。さっき手紙拾ったみたいだけど、内容読んだ?」

  <少し馬鹿げた曲が流れる>

灯「ありゃ~。忘れてた。そじゃあ読むよ」

 灯、手紙を広げ読み上げる。

 『よくたな、おらにはだが、のうりにいてもらう。このきはのにいてある』

灯「––––だって」

亮「そっか~。それじゃ行こうか」

彰「待て待て待てぇ~い。今の内容で理解できた人、挙~手」

  彰以外の3人は手を上げる。🖐️🖐️🖐️

彰「いや、いや。嘘にも限度があるだろっ!!」

 <少し馬鹿げた曲フェードアウト>

第2幕(完)続く 
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