学園のナゾ

砂坂よつば

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第5幕。

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  亮は小さな紙切れを手に持ち読み上げる。

 『次は社会科教室、その次は全ての教室を回りパズルピースを集めジグソーパズルを完成させよ』

亮「……って」

灯「う~~ん、どう、だったかな?」

彰「言ってねぇ(少し怒り口調)……ホウレンソウは大事だと普段から言ってるだろ、亮」

進「まぁ、いいじゃないか。彰君そんな怒った言い方しなくても、僕達はまだ子供高校生なんだし」

  彰は進を無言で睨む。

彰「そろそろ。我慢限界なんですよ。普段からのあなたの言動や行動に……」

  何故か近く(上手側)に落ちてある鉄パイプを拾い、彰は進に殴りかかろうとする。

進「彰君……怖いよ」

  進は後退りしながら灯の後ろに逃げ隠れて盾にしようとしながらセリフを吐く。
  下手側では亮と灯が会話をしている。

進「きゃあー!?助けて!元ヤンキーさ~ん」

  灯は【元ヤンキー】という言葉に耳がぴくりと反応し、彰の手にした鉄パイプを奪い、舞台の床をバシっと一度叩き、そして自分の肩を鉄パイプでポンポンと軽く叩き、低い唸り声がら少しづつドスを響かせる。
 <暴走族っぽいバイク音とバトルっぽい曲が流れる>

灯「誰が……元ヤンキー……だってゴラ‘‘ァ‘‘!!(ゴラの部分は巻き舌で)」

 進は鉄パイプを振り回す灯から逃げながら上手へ逃げる。それを追いかける灯。彰は腕組みをして進と灯のバトルの様子を見つつ、鉄パイプが当たりそうになったら避ける。亮はホワイトボードの裏に貼られた紙切れを発見しホワイトボード前でその紙切れを眺めながら悩んでいた。
  <暴走族っぽいバイク音とバトルっぽい曲がフェードアウト>

亮「彰~。ちょっと話があるんだ」

  彰は亮の隣へ向かう。

彰「なんだ?」

 上手から満足げな灯と傷を負ってボロボロになった進が登場する。

亮「見てみろよ。さっきホワイトボードの裏でもう一枚拾ったこの紙切れ、変だぜ」

彰「な、なんだよこの字。血で書かれてるじゃねぇか!?」

  彰は紙切れを読み上げる。

 『……そのパズルピースが集まった時、手紙の差出人がわかる』

彰「––––って一体どういうことなんだ?不気味なのはこのメッセージの文字だ。数分前まで見つけた手紙は血文字じゃなかった。ボールペンか鉛筆だったのに」

亮「だろ!」

  ◯3階社会科教室前廊下(夜)◯

進「この廊下で灯ちゃん達と待ち合わせしたよね」

彰「はい。パズルピースを見つけるのに全員で行動しては、効率が悪いので2組に分かれましたからね」

進「ねえ、彰君この、を見つけるまでに教室いくつ回ったけ?」

  進は観客席にパズルピースを見せる。

彰「9部屋くらいでしょうか……」

進「そうだよね。いちお確認なんだけど、パズルピースは今で何個め?」

彰「2個めです。でも、もうすぐ灯さん達が持って来るので、あれば4個めのはずですよ」

進「そっか……。あのさ、なんか飽きない?こんなことして……」

彰「え?」

第5幕(完)続く
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