学園のナゾ

砂坂よつば

文字の大きさ
9 / 12

第8幕。

しおりを挟む
  ◯どこかの教室前廊下(夜)◯
   舞台中央に進が立っている。

進「亮君、見つからなかったなぁ。でも、その代わりピースを見つけて来た訳だし!誰も文句は言わないでしょ!!」

  進は胸を張って偉そうにしていた。下手から灯が小走りで登場。

灯「進兄~~!!ピース見つけて来たよ」

進「おぉ、灯ちゃん見つけて来たんだ」

灯「……?『』ってことは進兄もピース見つけたんだ」

進「うん」

  上手から小声でぶつぶつと独り言を話す彰が登場。

進「おや?あそこにいるのは彰君ではないか」

灯「あ、本当だ!あーきーらーくん!」

  と言いながら灯は彰に近づく。彰の隣に立って灯は続けて少し自慢げに話し掛ける。

灯「ピース見つかった?あたしと進兄は1つずつ見つけたんだけど……」

彰「すみません。1つも見つけていないです」

  灯は進のもとへ駆け寄る。

灯「進兄~~、聞いた~~」

  灯と進は彰の方を見ながらニヤニヤと悪い顔をして、コソコソと少し小さい声かつ、彰に聞こえるくらいの大きさで内緒話を始める。

進「聞きましたとも、奥さん。いやですわねぇ、最近の若い者は」

灯「そうですわねぇ~」

彰「い、いいじゃですか。そんな、いかにも僕が悪いことをしたような目で内緒話しないで下さい!寧ろお二人の方が悪い顔してますからね。……その代わりと言っては何ですが。進さん、ちょっと––––」

  彰は手招きをして進を呼び寄せて進にだけ手紙を見せる。
  <少し明るいような暗いような曲が流れる>

進「この手紙なんだい?」

彰「今まで拾った手紙と似たような物です。手紙の内容を読んだんですけど、その内容が……」

  148cmくらいの身長の低い灯には進と彰のやり取りが背中だけしか見えない。その背後から声をかける。

灯「ねぇ、何の話をしているの?」

  進は手紙を開き小声で読み上げる。

 『お前達の仲間の亮はにいる。今から10分以内に来い。もし来なければ亮の命はないと思え』

進「……何?この脅迫めいた内容」

灯「ねぇ。だから何の話をしているのよ!」

  灯の声を無視したまま彰と進は続ける。少しづつイライラを募らせる灯。

彰「もしかしてですが、進さん。その手紙……亮のいる場所と最後のピースがある場所だと思います」

進「うん、そうかも知れないね」

  灯は2人の間から割って入る。

灯「だーかーらー!何の話をしているのよ!!もぅ!!(怒り)」

彰「進さん、早く亮の所に行きましょう」

進「そうだね。じゃあ、あっちの方から行こうか」

彰「はい!」

  進と彰は灯を置いて、わざわざ灯の目の前を通り上手へはける。

灯「もぅ~~~。(さらに怒る)いつまであたしを無視するのよ!!進兄、彰君のばぁかぁ~~~~っつ」

  嘆くように叫び、進と彰と同じ上手へ走る。
  <少し明るいような暗いような曲がフェードアウト>

第8幕(完)続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...