学園のナゾ

最終幕。

　　夜の学校に忍び込んで人骨を発見した4人は警察に連絡した。それから1週間経った。　　

　　◯ミステリー研究部室内(放課後)◯
　　＜遠くの方で人がざわざわしているガヤの音＞
　　舞台の中央に机と椅子が1つ置かれている。その席に亮が座り、亮の周りに上手に灯、下手に彰が腕を組んでいる。上手から新聞を持って進が登場する。
　　＜ガヤの音を消す＞
　　進は亮の座っている机に新聞を広げる。

進「ねぇ、見てよ。この新聞に載っている一面の記事！！」

灯「どうしたの進兄？」

進「1週間前に僕達が見つけた骨が人骨だと判明したんだ。その人骨を元にDNA解析した結果とある人物と一致したらしいんだよ」

亮「ひょっとして……【新月　真】ですか？」

進「ご名答！僕はその人が行方不明になったという話をしたよね。だけど実際は違った。……警察は遺体の付近には折りたたみ式のナイフが落ちていたところから、推測して自殺と断定したらしいんだよ」

灯「……ねぇ、どうして自殺した人が手紙を進兄の靴箱に入れたのかな？」

彰「恐らくですが……。早く自分の遺体居場所を教えたかったのではないでしょうか」

灯「ふーん。でもさぁ、新月　真さん？どうして自殺したのかな？」

亮「分からないな……新聞の記事には遺書になるものは『何もなかった』と書かれてるから余計に謎だよな」

灯「もしかして、進兄みたいに遅刻ばーかりして自殺したとか？(笑)」

彰「意外とそうかも知れませんね(笑)」

　　彰と灯は進の顔をじっと見つめる。

進「ぼ、僕はそんなに遅刻してないよ！今のところ––––」

　　進は指で過去に経験した遅刻の回数を数える。

進「13回だけなんだから！！」

　　進は偉そうに胸をトンっと叩く。呆れ返る灯と彰。亮は席を立ち中央(観客席と近い距離まで)前へ出る。

灯「進兄……そんなに……」

彰「遅刻しているんですか……」

進「うん、立派でしょ！！」

亮「あれ？進さん、今日の夕方の天気予報って雨でしたよね？」

　　進は新聞を数ページ捲り、天気予報欄を広げて確認する。
　　＜エンディング曲(悲しくて優しい曲)が小さい音から流す＞

進「……そうだよ。それがどうしたの？」

亮「雨雲が無くなっているんですよ！！」

　　進、灯、彰は亮の隣に立つ(全員舞台中央にいる状態)。

彰「確かに……雲ひとつない綺麗な夕日ですね」

　灯は、夕焼け空の中で一瞬輝いた星を見つける。

灯「あ！？一番星だ！！……もしかして成仏できたのかな？」

進「うん……きっとそうだよ」


最終幕(完)
　
　　＜エンディング曲１～2分程度流す＞