お前の辞書に自重って文字を加えてくれないかな!?

かむかむ

文字の大きさ
15 / 107
日常

第13話 全部暴きたい

しおりを挟む
「っだ、めだ、! ッぬく、なぁっ……ッ」

 掴んでいた腰から手を離せば、旭陽が焦った声で叫んだ。
 耳に舌を這わせながら、胸元でつんと尖っている粒を摘む。

「ひあっ」

 先日ここにも催淫効果を流し込まれている男は、些細な刺激にも敏感に反応した。
 背筋が仰け反って、胸板が突き出される。
 触れやすくなった場所を柔く摘みながら、耳の形を舌で優しくなぞった。

「ぅ、あっ、ん、ンんんっ……ッ」

 ただ触れているだけに近い弱さでも、旭陽はしっかりと感じて体を震わせている。

 だが連続で絶頂し続けてさえ、まだ足りないと求めるほどに熟れきった体だ。
 誤魔化すような触れ方では、むしろ余計につらくなったらしい。すぐにまた泣き出してしまった。

「ッや、ァッ、あ、き……らッ、っあ、ぅうっ……! ちゃ……ん、と……っさ、わ……っァひッ」

 催促の言葉が聞こえるや否や、即座に乳首を強く摘み上げた。
 腰を跳ね上げた旭陽の耳に吸い付く。

「いやじゃない? もっと?」
「っあ、アッ、や、じゃなっ、からッぁ! も、っと、ぉ、ッあっッぁあ゛あっ!?」

 もっと、の声に合わせて腰を突き上げる。
 がくっと体を揺らして、旭陽がもうすっかり色のない精液を漏らした。

「旭陽ッ、気持ちいい?」
「はっ、あッ、き、もち、いいっ、ッきも、ちぃっ、からっ――~~ぅ、アッ! はっ、あうっ、あ、ぃ゛、ら、あ……っ」

 やっと奥まで隙間なく熱に貫かれて、褐色の体が歓喜にぶるぶると震えている。

 ただ俺の言葉を繰り返しているだけで、自分が何を言っているのか理解できていなさそうだ。
 それでも、その言葉が旭陽の声で発されているという事実は、驚くほど俺を煽った。

「…………っ!」

 旭陽の腰の下に腕を差し込み、両腕で抱えるようにして持ち上げた。
 シーツに押し付けていた腰をしっかりと抱き上げ、上から一番奥へと捻じ込む。

「ッっいぁあ゛あああっ!」

 腰の浮いた不安定な体勢になった旭陽が、甘さの増した嬌声と共に射精した。
 奥の行き止まりにガツガツと打ち付けながら、抱えた腰も強引に揺らさせる。

「ヒッ、ぃ゛イッ! アぐッ、ひううっ! っぁき、ィッ、った、い゛ッ、あぐっう! ううぅっ!」

 突然激しい突き上げに切り替えたことで、飢えていた体は喜んで精液を噴き上げて止まらなくなった。
 行き止まりにあまりにも強い力で打ち付けられ、嬌声の中に痛みを訴える声が混じり出した。

 でも、旭陽。
 痛がってる声が明らかに蕩けてるって、自覚してる?

「イッァああ! ッつ、よす、ぎッぃウ゛っ! っぁ、あー! ああ゛ー!」

 のたうつ体を好きにさせ、腰だけは固定して奥を穿ち続ける。
 ごつ、がつ、と打ち付けていると、先端が奥に嵌まり込むような感覚がしてきた。

 俺はこの先に、まだ自分を受け入れてくれる場所が存在していることを知っている。
 旭陽、お前も知ってはいるだろ。だってお前が教えてくれた知識だ。


 旭陽が泣いている。
 一生誰も触れるはずがなかった、旭陽の――俺がずっと好きな相手の、一番奥の奥まで暴こうとしている。

 先端が僅かに嵌まり込む度、興奮で頭がくらくらした。
 少しずつ、嵌る深さが増していく。

「ッはぁああ゛っ! っう、ぅうーっ……! っゃ、ああっ、ヒぐうっ! ッ゛ャ、め、ッつあアっ! ひっ──だ、めぇっ……!」
「はっ……や、だ? やっぱり、もういらない?」

 制止の声が聞こえるなり、穿つのをやめて尋ねた。

 本能的に突き込みたくなる腰を抑えるのは、かなりの苦行だ。
 自らの唇を噛みきって無理矢理自分を留めたが、今にも奥まで貫きたくなる。
 酷い顔をしている自覚はあったが、さっきより激しくしゃくり上げだした旭陽は気付かない。

「ッ! ぁっ、あッ……ッゃ、だっ、やめ、るな……っ!」
「んっ……分かっ、たっ!」

「っひぐぅッ!」

 ガツッ!

 また一番奥まで叩き付ける。
 ぶしゃ、と粘度の落ちてきた透明が互いの腹の間で撒き散らされた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】白豚王子に転生したら、前世の恋人が敵国の皇帝となって病んでました

志麻友紀
BL
「聖女アンジェラよ。お前との婚約は破棄だ!」 そう叫んだとたん、白豚王子ことリシェリード・オ・ルラ・ラルランドの前世の記憶とそして聖女の仮面を被った“魔女”によって破滅する未来が視えた。 その三ヶ月後、民の怒声のなか、リシェリードは処刑台に引き出されていた。 罪人をあらわす顔を覆うずた袋が取り払われたとき、人々は大きくどよめいた。 無様に太っていた白豚王子は、ほっそりとした白鳥のような美少年になっていたのだ。 そして、リシェリードは宣言する。 「この死刑執行は中止だ!」 その瞬間、空に雷鳴がとどろき、処刑台は粉々となった。 白豚王子様が前世の記憶を思い出した上に、白鳥王子へと転身して無双するお話です。ざまぁエンドはなしよwハッピーエンドです。  ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。

処理中です...